テレビブロス

TV Bros.
(テレビブロス)
ジャンル テレビ情報誌 / サブカルチャー雑誌
刊行頻度 隔週刊 → 月刊
発売国 日本の旗 日本
言語 (日本語)
出版社 東京ニュース通信社
刊行期間 1987年7月 - 2020年1月
発行部数 29,134部(2018年10月~2019年9月日本雑誌協会調べ)
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テレビブロス』(題字表記:TV Bros.)とは、かつて東京ニュース通信社が発行していたテレビ情報誌である。2018年4月より隔週刊から月刊になり、2020年4月号をもって定期刊行を終了した。

2024年現在、noteにおいて有料コンテンツ「TvBros.note」(月額500円)が提供されている。

概要

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定価180円。2000年代以降は「特別定価」として190円以上で販売される場合が多くなり始め、その後210円を経て、2011年10月以降は230円、2013年以降は240円、同年9月14日号以降は250円で販売されている。

同社の主力テレビ情報誌『週刊TVガイド』の廉価版・サブ的な位置づけとして1987年7月1日に創刊された(創刊号は7月4日号)。他のテレビ雑誌とは一線を画した編集姿勢は根強い支持を得ている。キャッチフレーズは"the TV magazine of the future"、"ありえないテレビ誌"。

2018年までの隔週刊誌時代、北海道版、関東版、中部版、関西版、九州版を発行。かつては宮城福島版、長野新潟版、静岡版、広島岡山香川版も発行していたが、いずれも2006年に休刊した。

2012年に、創刊25周年を迎える。同年3月28日には、『創刊25周年記念 ピピピクラブ 傑作選 1987-2012』と題して本誌の読者投稿コーナー『ピピピクラブ』の投稿作品などをまとめた臨時増刊号(5月10日号)を発売した。7月4日には、7月7日号が「創刊25周年超特大号第1弾」として発売。本誌25年の歴史を振り返る企画「テレビとブロスの25年大特集」が掲載された。

2013年7月17日発売の7月20日号で、累計販売数1億冊を達成(本誌で告知)。

2018年3月20日発売の同年3月24日号で、月1回刊行(以後は毎月24日発売)、「番組表」の掲載を終了することが発表。この号より全国発売となった(=地方版の発売を終了した)[1]

2020年2月22日発売の同年4月号をもって月刊発売を終了し、以降は「別冊TV Bros.」「Bros.BOOKS」などによる不定期刊行と、同年春から予定されているデジタル媒体へ変更されることが、定期購読者あてに1月に届いた3月号に同封された文書で明らかになり、定期購読料金の残金は返金されると伝えられた[2]

2020年4月22日に「総集編特大号」として同年6月号が発売され、アオリとして「いつまでもあると思うな親とブロス」「さらば、紙の定期紙!これからは不定期紙&ウェブでよろしく!」と表紙に書かれていたが、同年8月24日に同年10月号が、同年10月23日に同年12月号が発売され、2020年10月の時点では隔月刊誌的な刊行状況になっている。なお、同年4月号と6月号の間に「月号」の表記はないが同年3月25日に「別冊TV Bros.全国ラジオ特集 powered by radiko」が刊行されており、実質的な5月号である。

2020年5月13日よりデジタル媒体として、noteで「TV Bros. note版」をスタートした。

特徴

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他のテレビ雑誌が誌面をカラー化している中、創刊当時から2013年8月31日号(同28日発売)までの26年間にわたり、番組表は赤・黒の2色刷りでそれ以外はモノクロページのみで構成されていた。2013年9月11日発売の同14日号から、赤・黒2色の番組表ページとモノクロページを残しつつ、特集ページをオールカラー化させた。

特集記事についても他誌のように人気ドラマやアイドルばかり取り上げることはせず特撮番組のDVDや深夜番組など狭隘な分野を好んで取り上げ、徹底した差別化を図っている。編集の自由度も高く音楽欄では日本国外のロックテクノヒップホップなどが中心、アジアのアングラ音楽なども取り上げ映画欄はミニシアター系やマイナーな海外作品が主でコアなアーティスト・作品をフィーチャーし、本来のテレビ記事では番組に対する遠慮のない毒性の強い批評でも[注 1]知られる。ただ、その強い個性からテレビ雑誌ではなくサブカルチャー雑誌とみなされることもある[3]。またテレビ雑誌には珍しく、購入できるバックナンバーが豊富である。かつては誤植の多さでも有名だった。

コラム執筆陣の豊富さも強い特徴の一つであり大人計画松尾スズキ爆笑問題キリンジから海洋堂の専務、ラーメンズにいたるまであまりテレビとは関係ないバラエティ豊かなコラムが多数連載されている。創刊当初は泉麻人いとうせいこうをメインにブレイク前のナンシー関など宝島系のコラムニストが参加し、ナンシー関は署名なしで番組欄のミニコラム『ブロス探偵団』も執筆していた(のちに山田美保子スージー鈴木も担当[4])。その後には石野卓球ピエール瀧電気グルーヴ)、小山田圭吾スチャダラパー忌野清志郎などミュージシャンの連載も多い。特に電気グルーヴはかつての高校の同級生がテレビブロス編集部に在籍していたためよく取り上げられ『テクノ専門学校』などの特集企画にも多数参加しており、一時期「隠れテクノ雑誌」とまで呼ばれていた。「面白いコラム満載のサブカル誌」と紹介されたこともある[3]。雑誌編集者の花田紀凱は、『Web & Publishing 編集会議』編集長当時、『ダカーポ』のインタビューで愛読誌の一つに挙げ、「コラムがずばぬけておもしろい」「テレビ欄がいらないくらい」と発言したことがある[5]

この雑誌の行う「好きな男・嫌いな男」ランキングは芸能人と一緒に仕事をした女性タレントや女性スタッフたちが選ぶランキングであり、他誌のランキングとは上位の結果が異なることが多い。例えば女性誌『anan』の「好きな男」No.1の木村拓哉がこの雑誌では嫌いな男にランキングされており、主演ドラマ『プライド』での事故を酷評したテレビ雑誌もこの雑誌だけである。また2005年4月に発表されたランキングではライブドアショック以前の調査でありながら、堀江貴文が「嫌いな男」1位になった。前年の2004年の「嫌いな男」1位は当時防衛庁長官だった石破茂だった。

また、他の雑誌でも扱わないマニアックなランキングも扱っている。

歴代の連載担当者/連載記事

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※50音順。特記ない限り、コラム・エッセイの担当者を記載。『』内は連載タイトル。

Wikipedia本人確認 ウィキ直し!

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Wikipedia本人確認 ウィキ直し!』(ウィキペディアほんにんかくにん ウィキなおし)は、2010年春[11]より連載しているコーナー。ウィキペディア日本語版に掲載されている人物記事のコピーを本人が直筆で添削していくという企画である[10][11][12][13]。第1回は「堀江貴文[11]

人物以外の記事を扱う場合もあり、2010年10月30日号には「ねるねるねるね」を発売元であるクラシエフーズの開発担当者が、2011年9月3日号から12月10日号までは「大麻」を『大麻入門』[注 3]の著者である長吉秀夫[12]、2013年8月3日号から9月28日号までは全5回に渡り「去勢」を丸屋九兵衛[14]、それぞれ添削を担当した。

2012年3月31日号は、既存記事の添削ではなく「あったらいいな編」として、2012年3月16日(日付は同誌面より)時点で記事が作成されていなかったコスプレイヤーうしじまいい肉」の本人直筆による記事が掲載された。

当初は『ウィキナオシ! 本人確認Wikipedia』というタイトルで連載されていた[10][11]

ブロスコミックアワード

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その年に新刊が発売、または発売が決まっている作品を対象に、マンガ好きのブロス関係者50人が選ぶマンガ賞。2013年より、「アニメ化コミック部門」が新設された[15]

アニメ化コミック部門

テレビ番組

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2012年11月、WOWOWテレビ番組化された。番組名は『大人番組リーグ TV Bros.TV〜異色テレビ誌・テレビブロスがテレビになったよ。〜』(おとなばんぐみリーグ テレビブロステレビ いしょくテレビしテレビブロスがテレビになったよ)。11月18日に23:00 - 23:40の『大人番組リーグ』枠で放送[29]。また、WOWOWの『大人番組リーグ』公式サイト内でも動画配信を開始した。バックナンバーが売れる秘密を解き明かすほか、連載陣と作り出す企画コーナーを盛り込んだ構成。

プロデューサーは、石川彰子(WOWOW編成部)[29]。本誌の連載担当者と編集者が企画に携わった[29]

視聴者投票でレギュラー番組化が約束される上位4番組に入ったことにより、2013年7月28日から毎月最終日曜23:00 - 23:30でレギュラー番組が放送されている(全6回)。また、レギュラー化に際し、本誌7月20日号では「祝!レギュラー化『TV Bros. TV』放送直前大特集」と題した特集記事を掲載。

内容は主にコラム執筆陣によるロケーション企画やパロディコーナーなどで構成。

出演者

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  • 松尾スズキ
  • 片桐仁(ラーメンズ)
ほか
ナレーション
  • 清水ミチコ
  • 星野源

脚注

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注釈

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  1. ^ 特に読者投稿コーナー「ピピピクラブ」では、番組やその出演者に対して過激な揶揄や批判も許されている。
  2. ^ 書籍コード:ISBN 978-4779618277
  3. ^ 2009年1月、幻冬舎から刊行。ISBN 9784344981126

出典

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  1. ^ 「TV Bros.」が番組表掲載を廃止 隔週→月刊へのリニューアルで ねとらぼ(2018年3月20日)、2018年3月20日閲覧。
  2. ^ 特になし [@LoveIsNotLoving] (2020年1月24日). "テレビブロス定期刊行は来月終了、不定期刊行&web移行のお知らせ。". X(旧Twitter)より2020年4月7日閲覧
  3. ^ a b 『ダカーポ』2003年1月1・15日合併号P79
  4. ^ a b c d 20120616/ナンシー関がいなかった10年間。 - 『週刊スージー』(スージー鈴木のウェブ日記サイト)より、ナンシー関についてつづった文章の中で、"彼女の後釜(山田美保子)の後釜としてTVブロス「ブロス探偵団」の無署名コラムを書いていたことがあるワタシ"との記述あり(" "内引用)。
  5. ^ 『ダカーポ』2003年1月1・15日合併号P80掲載インタビュー
  6. ^ 2013年7月20日号掲載時のタイトルは『あたしアイドルじゃねぇし!!!(特別編)変わらないけど進化するし!!!』だった。
  7. ^ 本誌2012年7月7日号掲載『天下御免の向こう見ずSP』より、P17の田中の発言(「タイタン創立時のメンバーとの合同連載だったんだよ」)などを参照。
  8. ^ 本誌2012年7月7日号掲載『天下御免の向こう見ずSP』より、P19の「カメラマンが語る『天下御免の向こう見ず』」として田子のコメントが掲載。
  9. ^ Perfume Official Site|BIOGRAPHY
  10. ^ a b c 岡村靖幸×いとうせいこう、TVブロスで同期対談 - 『ナタリー』2011年8月16日付
  11. ^ a b c d ありえないTV誌 テレビブロスの「ウィキナオシ!」 - 『クリッピン・ブログ|クリッピン・ジャム - Clippin JAM』2010年4月17日付(リンク先は、インターネット・アーカイブ2011年7月8日付保存キャッシュ)
  12. ^ a b テレビブロスに長吉秀夫さん(「大麻入門」著者)が連載中![1] - 『大麻報道センター』内読み物コーナー『白坂の雑記帳』2011年11月15日投稿記事
  13. ^ 山本太郎の所属事務所に嫌がらせ電話をかけたのは「工作員の方々」 - 『ガジェット通信』2012年3月29日
  14. ^ 丸屋九兵衛のプロフィール(所属事務所ステッカー公式サイト内)
  15. ^ a b c 2013年11月9日号『第6回 輝け!ブロスコミックアワード2013』
  16. ^ “岩本ナオ、TVブロスマンガ大賞受賞で喜びのコメント”. コミックナタリー (ナターシャ). (2009年11月11日). https://natalie.mu/comic/news/23670 2021年12月23日閲覧。 
  17. ^ “とよ田みのる「友達100人できるかな」ブロスマンガ大賞に輝く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2010年11月10日). https://natalie.mu/comic/news/40335 2021年12月23日閲覧。 
  18. ^ 2011年11月12日号『第4回 輝け!ブロスコミックアワード2011』
  19. ^ 2012年11月24日号『第5回 輝け!ブロスコミックアワード2012』
  20. ^ “ブロスの2014マンガ大賞は「蜜の島」に決定”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年11月5日). https://natalie.mu/comic/news/130436 2021年12月23日閲覧。 
  21. ^ 2015年11月7日号『第8回 輝け!ブロスコミックアワード2015』
  22. ^ “「猫のお寺の知恩さん」ブロスのマンガ大賞を受賞、描き下ろしやインタビューも”. コミックナタリー. (2016年12月26日). https://natalie.mu/comic/news/214747 2016年12月27日閲覧。 
  23. ^ “「映像研には手を出すな!」ブロスのマンガ大賞を受賞、「電影少女」特集も掲載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2017年12月27日). https://natalie.mu/comic/news/262953 2021年12月23日閲覧。 
  24. ^ “鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」がブロスのマンガ大賞を受賞”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年1月24日). https://natalie.mu/comic/news/317281 2021年12月23日閲覧。 
  25. ^ “「夢中さ、きみに。」がブロスのマンガ大賞を受賞、和山やまのインタビュー掲載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年11月22日). https://natalie.mu/comic/news/356603 2021年12月23日閲覧。 
  26. ^ “「マイ・ブロークン・マリコ」ブロスのマンガ大賞受賞、12月号の表紙2種を描き下ろし”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年10月21日). https://natalie.mu/comic/news/401513 2021年12月23日閲覧。 
  27. ^ “真造圭伍「ひらやすみ」がブロスのマンガ大賞に、真鍋昌平×空気階段もぐらの借金対談も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年12月23日). https://natalie.mu/comic/news/458996 2021年12月23日閲覧。 
  28. ^ “今年のブロスのマンガ大賞は高野ひと深「ジーンブライド」、著名人のオススメ作品も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年12月28日). https://natalie.mu/comic/news/507039 2022年12月28日閲覧。 
  29. ^ a b c 外部リンク(『まんたんウェブ』『毎日.jp』2012年11月18日付)を参照。

参考資料

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  • ダカーポ』2003年1月1・15日合併号(第23巻第1号・通算506号。マガジンハウス発行)特集記事「最新!雑誌界の動きと話題」(P66-81)
  • 各外部リンク

外部リンク

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