なすの (列車)
なすの | |
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E5系で運行の「なすの」 (2022年7月 大宮駅) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車(新幹線) |
現況 | 運行中 |
地域 | 東京都・埼玉県・茨城県[注 1]・栃木県・福島県 |
前身 | 新幹線「あおば」「Maxなすの」 |
運行開始 | 1995年12月1日[1] |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
路線 | |
起点 | 東京駅 |
停車地点数 | 8駅(起終点駅含む) |
終点 | 那須塩原駅・郡山駅 |
営業距離 | 226.7 km(東京 - 郡山間)[注 2] |
列車番号 | 号数+B |
使用路線 | 東北新幹線 |
車内サービス | |
クラス | グランクラス・グリーン車・普通車 |
座席 | グランクラス指定席 グリーン車指定席 普通車指定席 普通車自由席 |
その他 | グランクラスは座席のみの営業 |
技術 | |
車両 | E2系電車(新幹線総合車両センター) E3系電車(山形新幹線車両センター) E5系電車(新幹線総合車両センター) E6系電車(秋田新幹線車両センター) E8系電車(山形新幹線車両センター) |
軌間 | 1,435 mm |
電化 | 交流25,000 V・50 Hz (架空電車線方式) |
最高速度 | 275 km/h |
なすのは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が東北新幹線の東京駅 - 那須塩原駅・郡山駅で運行している特別急行列車の愛称である。
概要
[編集]1995年(平成7年)12月1日に、東北新幹線の各駅停車タイプの列車である「あおば」のうち、東京駅 - 那須塩原駅間で運転されていた列車を分離し、近距離新幹線列車として運転を開始した[1]。主な利用客は東京駅 - 小山駅・宇都宮駅間の通勤通学客およびビジネス客である。その後、東北新幹線の運行体系見直しなどにより、日中の一部列車の運行区間が郡山駅まで延長され、現行の運行形態となっている。
列車名は目的地である「那須野が原」にちなみ、史上初の音読みを含む新幹線列車名であった[注 3]。2階建車両(E4系)のみの編成で運行される場合は「Maxなすの」と呼ばれていた。
新幹線の列車名に採用される以前には、上野駅 - 黒磯駅間を東北本線経由で運行する準急列車として登場し、その後急行列車、新特急(エル特急)の名称としても使用されていた。
運行概況
[編集]東京駅 - 那須塩原駅・郡山駅間で平日16往復、土曜・休日13往復が運行される。これとは別に、小山発東京行きの上り1本が毎日運行される。号数は251号から282号が与えられている。
通常は郡山駅以北では運行されていないが、震災復旧中の2011年4月に福島駅まで臨時運行されたことがある。
車内販売は運行開始当初から小山発の上り1本と夜間の一部列車、臨時列車を除いて営業していた[2][3]が、主に担当していた日本レストランエンタプライズの宇都宮営業支店が廃止された2010年3月以降は郡山駅発着列車(早朝の上り1本を除く)のみの営業に縮小され[4]、2015年3月14日で全廃された。
停車駅
[編集]東海道・山陽新幹線の「こだま」や九州新幹線の「つばめ」と同様に定期列車は全列車が各駅に停車する。
東京駅 - 上野駅 - 大宮駅 - 小山駅 - 宇都宮駅 - 那須塩原駅 - 新白河駅 - 郡山駅
運行区間 | 下り | 上り | 備考 |
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東京 - 郡山 | 5 | 6 | |
東京 - 那須塩原 | 9 | 9 | 下り1本、上り2本は土曜・休日運休 |
東京 - 小山 | 0 | 1 |
使用車両・編成
[編集]なすの | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
← 東京 小山・那須塩原・郡山 → | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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E2系・E3系・E5系・E6系が使用される。E2系もしくはE5系単独の10両編成のほか、E5系とE3系L編成を併結した17両編成、E5系とE6系を併結した17両編成、及びE3系単独の7両編成も運行されている。また、日によってはE3系L編成がE8系G編成に差し替えられる場合がある。
通常「はやぶさ」+「こまち」および「やまびこ」+「つばさ」で運用されている他車の間合い運用を中心とした運用が行われる。なお、H5系は通常ダイヤでは運用に入らない。
E5系で運転される列車はグランクラスの営業も実施されるが、専任アテンダントによる車内サービスはなく、「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」(一部列車を除く)より割安なグランクラス料金が設定される[報道 1]。
かつてはE1系・400系・200系・E3系R編成・E4系も使用されていた。
平日の東京駅17時台以降に発車する下り列車と9時台以前に東京駅に到着する上り列車は普通車が全車自由席となる。土曜日・休日は小山駅始発の252号を除く全列車に普通車の指定席が設定されている。
沿革
[編集]在来線
[編集]- 1959年(昭和34年):多客期に上野駅 - 黒磯駅間を特別準急電車「日光形」157系で運行される不定期準急列車「なすの」が運転開始。
- 1963年(昭和38年):「なすの」の使用車両が157系から急行形165系に変更される。「湘南日光」とともに、165系使用列車の第1号となった[注 4]。
- 1966年(昭和41年):不定期運行ながらも「なすの」は急行列車に格上げとなる。
- 1968年(昭和43年):「しもつけ」が「なすの」に名称変更。「なすの」定期列車となる。同時に下り1本に115系電車、上り1本に455系・457系電車が充当され、455系・457系電車の上り1本が白河駅始発になる。
- 1985年(昭和60年):「なすの」が特急列車に格上げされ、「新特急なすの」に名称変更。185系電車(200番台)を使用。
- 1990年(平成2年):「新特急なすの」の東京側始発・終着駅を新宿駅に変更。通勤ライナーに近い運行となる。
新幹線
[編集]- 1995年(平成7年)12月1日:ダイヤ改正で、東北新幹線東京駅 - 那須塩原駅間で運転されていた「あおば」・「Maxあおば」を分離し、近距離新幹線「なすの」・「Maxなすの」となる[1][5]。また、在来線特急の名称を「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」(2002年11月までは列車名に「新特急」を冠する)に変更[5]。
- 1997年(平成9年)
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)12月2日:「なすの」上り2本がE4系「Maxなすの」(8両編成)に変更[報道 6]。
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 2005年(平成17年)12月10日:一部の「Maxなすの」の運転区間を郡山駅まで延長。
- 2007年(平成19年)3月18日:全車両禁煙になる。
- 2008年(平成20年)12月20日:E3系2000番台の営業運転開始(E4系と併結)。
- 2010年(平成22年)4月18日:400系の定期運用終了。
- 2011年(平成23年)11月19日:200系の定期運用終了。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
- 2015年(平成27年)3月14日:車内販売を全廃[報道 12]。
- 2020年(令和2年)
- 4月8日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、同年4月9日 - 5月31日まで車内販売、グランクラスの指定席の発売および「なすの」のグランクラスの営業を中止することを発表[報道 13]。
- 4月14日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、同年6月1日 - 6月30日まで、グランクラスの指定席発売を見合わせることを発表[報道 14]。
- 4月27日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響により、同年5月28日以降の全列車の指定席発売を見合わせることを発表[報道 15]。
- 5月8日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響により、同年5月28日以降に運転本数を削減することを発表[報道 16]。
- 5月13日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止により以下の運転計画および措置の実施を発表。
- 5月19日:JR東日本が、同年5月21日以降の指定席発売を延期することを発表[報道 19]。
- 5月22日:JR東日本が、国の緊急事態宣言が解除されたことを理由に、同年5月28日以降に計画していた臨時ダイヤによる運行の実施を取りやめ、定期列車の運行を継続することを発表[報道 20]。ただし、グランクラスのサービス中止は当面の間継続[報道 20]。
- 6月19日:グランクラスの営業サービスを再開[報道 21]。
- 10月31日:利用客の減少に伴い、E3系R編成の定期運用を廃止[8]。
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
- 3月12日 : ダイヤ改正で次のように変更
- 「なすの」284号が運転取りやめとなる。
- グリーン車・グランクラスの料金を改定。
- 3月12日 : ダイヤ改正で次のように変更
- 2024年(令和6年)
- 3月16日 : ダイヤ改正で次のように変更
- E3系1000番台の定期運用終了、E5系とE3系2000番台の併結運転開始。
- E2系とE3系1000番台・2000番台の併結運転終了。
- 3月16日 : ダイヤ改正で次のように変更
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “JR東日本が12月1日ダイヤ改正 東北新幹線抜本見直し”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1995年9月19日)
- ^ 弘済出版社『JR時刻表』1999年4月号 60-67頁
- ^ 交通新聞社『JR時刻表』2009年4月号 60-74頁
- ^ 交通新聞社『JR時刻表』2010年4月号 60-74頁
- ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '96年版』ジェー・アール・アール、1996年7月1日、183頁。ISBN 4-88283-117-1。
- ^ “JR6社が秋のダイヤ改正”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1997年7月29日)
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '02年版』ジェー・アール・アール、2002年7月1日、186頁。ISBN 4-88283-123-6。
- ^ “さらば「初代こまちカラー」 定期運用廃止の元・秋田新幹線E3系 今後どうなる?”. 乗りものニュース. (2020年11月10日) 2020年11月10日閲覧。
報道発表資料
[編集]- ^ 2012年3月 ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道プレスリリース 2011年12月16日
- ^ 『秋田新幹線「こまち」6両化と増発のお知らせ』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、1998年1月8日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『ダイヤ改正について 東北・秋田新幹線』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、1998年9月25日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『ダイヤ改正について 東北・山形新幹線』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、1998年9月25日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『平成11年12月 ダイヤ改正について I.新幹線』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、1999年9月24日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『2000年12月 ダイヤ改正について I.新幹線』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2000年9月22日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『2001年12月 ダイヤ改正について I.新幹線 1』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2001年9月21日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『2001年12月 ダイヤ改正について I.新幹線 2』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2001年9月21日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『東北・上越新幹線E2系8両編成の10両編成化について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2002年8月22日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『2002年12月 ダイヤ改正について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2002年9月20日 。2014年11月2日閲覧。
- ^ 『新幹線の一部の編成で喫煙車を禁煙車に変更いたします』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2002年9月24日 。2014年12月9日閲覧。
- ^ 『一部の新幹線・在来線特急列車の車内販売サービスと新幹線「グリーンアテンダント」によるサービスの終了について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2015年1月16日 。2015年1月16日閲覧。
- ^ 『新幹線・在来線特急列車等の車内サービスの中止について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年4月8日 。2020年4月8日閲覧。
- ^ 『6月の「グランクラス」発売見合わせについて』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年4月14日。オリジナルの2020年4月27日時点におけるアーカイブ 。2020年4月25日閲覧。
- ^ 『新幹線および中央線特急、常磐線特急の指定席発売見合わせについて』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年4月27日。オリジナルの2020年4月27日時点におけるアーカイブ 。2020年4月27日閲覧。
- ^ 『5月28日以降の新幹線および中央線特急、常磐線特急の運転本数削減について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年5月8日。オリジナルの2020年5月14日時点におけるアーカイブ 。2020年5月14日閲覧。
- ^ a b 『発売見合わせ中の新幹線および在来線特急等の運転計画・指定席発売について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年5月13日。オリジナルの2020年5月14日時点におけるアーカイブ 。2020年5月13日閲覧。
- ^ 『6月以降の新幹線・在来線特急列車等の車内サービスの中止継続について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年5月13日。オリジナルの2020年5月13日時点におけるアーカイブ 。2020年5月13日閲覧。
- ^ 『5月28日以降の新幹線および中央線・常磐線特急の指定席発売の延期について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年5月19日。オリジナルの2020年5月22日時点におけるアーカイブ 。2020年5月22日閲覧。
- ^ a b 『5月28日以降の新幹線および中央線・常磐線特急の運転計画変更について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年5月22日。オリジナルの2020年5月22日時点におけるアーカイブ 。2020年5月22日閲覧。
- ^ 『新幹線・在来線特急列車等の車内サービスの再開について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年6月11日 。2020年7月25日閲覧。
- ^ 『新幹線・在来線特急列車等の車内サービスの中止について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2021年1月13日 。2021年1月13日閲覧。
- ^ 『2021年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブ 。2020年12月18日閲覧。