ツール・ド・フランス2022

ツール・ド・フランス2022
レース詳細
コース109. ツール・ド・フランス
競技UCIワールドツアー2022 2.UWT
ステージ21
日付2022年07月01日 – 24日
距離3,349.8 キロメートル
FRA フランス
DEN デンマーク
BEL ベルギー
SUI スイス
スタートコペンハーゲン
ゴールパリ
チーム22
参加人数176
完走人数135
平均速度42.106 キロメートル毎時
結果
優勝DEN ヨナス・ヴィンゲゴー (Jumbo-Visma)
準優勝SLO タデイ・ポガチャル (UAE Team Emirates)
3位GBR ゲラント・トーマス (Ineos Grenadiers)
ポイント賞BEL ワウト・ファン・アールト (Jumbo-Visma)
山岳賞DEN ヨナス・ヴィンゲゴー (Jumbo-Visma)
新人賞SLO タデイ・ポガチャル (UAE Team Emirates)
敢闘賞BEL ワウト・ファン・アールト[1] (Jumbo-Visma)
チームGBR Ineos Grenadiers
◀20212023▶
ドキュメンテーション

ツール・ド・フランス2022は、ツール・ド・フランスの109回目の大会。2022年7月1日から7月24日までの日程で開催された。初の北欧開催となるデンマークコペンハーゲンにおける個人タイムトライアルで開幕をし、途中ベルギー、スイスを通過し、パリ・シャンゼリゼへゴールするコースで、行われた。

出場チーム

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ワールドチーム (18)プロチーム (4)

エントリーリスト

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注釈:

  • DNS-N: 第"N"ステージで、出走しなかった(Did Not Start)
  • DNF-N: 第"N"ステージで、ゴールしなかった(Did Not Finish)
  • OTL-N: 第"N"ステージで、制限時間を超過した(Over the Time Limit)
  • DSQ-N: 第"N"ステージで、失格となった(Disqualified)

レース概要

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COVID-19の感染拡大や東京五輪開催もあり、イレギュラーが続いたが、3年ぶりの通常開催となった2022年のツール・ド・フランスは、デンマークのコペンハーゲンで幕を開けた[2]

第1ステージの個人タイムトライアルは、前日の予報でレースの途中から雨が降ると予想した総合系ライダーや、タイムトライアルを得意とする選手が前半スタートを選ぶも、レース開始前から雨が降り始め、落車をする選手も見られた。結果的には、後半スタートとなったイヴ・ランパールトがステージを制し、マイヨ・ジョーヌを得た[3]。第2ステージでは、集団ゴールスプリントをファビオ・ヤコブセンが制し、ツール初優勝。マイヨ・ジョーヌは、2ステージ連続の2位となった、ワウト・ファン・アールトの手に初めて渡った[4]。第3ステージは、途中落車に巻き込まれるも集団ゴールスプリントをディラン・フルーネヴェーヘンが制した。ワウトは、3ステージ連続の2位となったが、マイヨ・ジョーヌは守った[5][6]

フランスに舞台を移して始まった第4ステージは、マイヨ・ジョーヌを着用するワウトが、集団から抜け出したまま単独で逃げ切り、ステージ優勝[7]。第5ステージでは、パリ~ルーベにも登場する石畳区間が登場する設定のなか、サイモン・クラークが逃げ集団からゴールスプリントを制し、ステージ優勝。イスラエル・プレミアテックに初のツール区間優勝をもたらした[8]。ユンボ・ヴィスマは不運に見舞われ。ファンアールトが落車し、ヨナス・ヴィンゲゴーは3度のパンク。プリモシュ・ログリッチが落車し、脱臼。完走はしたものの、総合優勝からは遠ざかった[9]。第6ステージは、3連覇をめざすタデイ・ポガチャルがアップヒルのゴールスプリントを制し、マイヨジョーヌを獲得した[10]。今大会で初めて登場した山岳ステージとなる第7ステージは、ヴィンゲゴーを振り切り、タデイ・ポガチャルが連勝[11]。第8ステージは、マイヨ・ベールを着たファンアールトが、ゴールスプリントを制し今大会2勝目。ポガチャルが3位にはいった[12]。休息日前の山岳ステージとなる第9ステージでは、60km独走したボブ・ユンゲルスが区間初優勝を飾った[13]

休息日明けの第10ステージは、COVID-19の影響で2選手が不出走となる中、逃げ集団がメイン集団を大きく引き離したまま進行し、逃げ集団の中でのゴールスプリントをマグナス・コルト・ニールセンが制した[14]。ステージ途中、デモの影響によりレースが一時中断するアクシデントが発生した[15]。第11ステージでは、王者ポガチャルに対してチーム・ユンボ・ヴィスマが再三攻撃を仕掛ける展開となり、コル・デュ・グラノンの坂でアタックを仕掛けたヨナス・ヴィンゲゴーが独走し、区間初優勝。ポガチャルは、ヴィンゲゴーに後れを取り、失速。マイヨ・ジョーヌを受け渡し、2分22秒遅れの総合3位と遅れを取った[16][17]。第12ステージは、逃げ集団からアタックをしたかけたトム・ピドコックが逃げ切り、区間初優勝[18]。平坦ステージである第13ステージは、逃げ集団からゴールスプリントをマス・ピーダスンが制した。第14ステージは、マイケル・マシューズが先頭集団から単独で抜け出すも、一時はベッティオールに捕まり引き離されたが、追い抜き独走し、ステージ優勝[19][20]。今大会最長距離となった第15ステージは、ユンボに不運が訪れる。第5ステージで落車をしたログリッチが未出走。落車したクラウスヴァイクが鎖骨骨折によりリタイア。その後、ヴィンゲゴーが落車するも、レースには復帰した[21]。レースは、ゴール前スプリントで、ヤスパー・フィリプセンが完璧なハンドル投げを披露し、ステージ初優勝を果たした[21]。なお、第15ステージ前に、第5ステージを制したサイモン・クラークと、第10ステージを制したマグナス・コルト・ニールセンは、コロナ陽性でツールを去った[22]

最後の休息日が明け最終週に入ったツールから、コロナ陽性で3選手が姿を消した。これにより、AG2Rは残り3選手となってしまった[23]。第16ステージは、大きな逃げ集団を形成する展開。ユーゴ・ウルが、残り40kmでアタックし、最後まで逃げ切り区間優勝[23]。UAEチーム エミレーツは、ソレルがタイムアウトでツールを去り、残り5人となった[24]。距離は短いものの1級山岳が3つある第17ステージは、ブランディ・マクナルティのアシストに応えたタデイ・ポガチャルが、ヴィンゲゴーとの一騎打ちを制し今大会3勝目。しかし、レース前に前日に負った怪我の影響でラファウ・マイカが未出走となり、ポガチャル率いるUAEは、残り4人となってしまった[25]。ピレネー最終決戦で、今大会最後の山岳フィニッシュとなる第18ステージは、熾烈な総合争いが繰り広げられた。先頭で逃げていたマイヨ・ベールを着用したワウト・ファン・アールトが、マイヨ・ジョーヌを着たヴィンゲゴーを引き、残り4.4kmでポガチャルを引き離した。ワウトを引きが終わったあと、ヴィンゲゴーはそのまま独走し、区間2勝目。山岳賞でも首位に立った[26]。一方、ポガチャルは遅れを取り、3分26秒の差をつけられ、総合優勝争いは厳しくなった[27]。平坦区間の第19ステージでは、クリストフ・ラポルトがロングスパートを決めきり、区間初優勝。ここまでなかった地元フランスに勝利をもたらした[28]。第20ステージは、2度目の個人タイムトライアルで、ワウト・ファン・アールトが今大会3勝目。区間2位となったヨナス・ヴィンゲゴーはマイヨジョーヌに手中に収めた。ポガチャルは区間3位となるも差を詰めることさえできなかった[29]。最終日となった第21ステージは、例年通りパリの凱旋門を回る周回コースで行われた。序盤のパレードランののち、アタック合戦が始まる。ヤスパー・フィリプセンが集団スプリントを制し、区間2勝目を挙げた[30]。マイヨ・ジョーヌを着用したヨナス・ヴィンゲゴーとマイヨ・ベールを着用したワウト・ファン・アールトは、チームメイトとともに並んでゴールし、各賞を確定させた[31]。3連覇を逃したタディ・ポガチャルは、総合2位に終わったもののマイヨ・ブランを初日から守り抜いた。

8月17日、UCIは禁止する鎮静剤トラマドールをナイロ・キンタナの検体から検出したため、総合6位を含むすべてのツール成績をはく奪した[32][33]

大会日程

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ステージ開催日コースtype距離 (km)獲得標高ステージ勝者全体リーダー
1 07月01日DEN コペンハーゲンDEN コペンハーゲン
個人タイムトライアルステージ
個人タイムトライアルステージ
13.220 mBEL イヴ・ランパールト BEL イヴ・ランパールト
2 07月02日DEN ロスキレDEN ニュボー
平坦ステージ
平坦ステージ
202.21102 mNED ファビオ・ヤコブセン BEL ワウト・ファン・アールト
3 07月03日DEN ヴァイレDEN スナボー
平坦ステージ
平坦ステージ
1821285 mNED ディラン・フルーネヴェーヘン BEL ワウト・ファン・アールト
07月04日ダンケルクへの移動日
4 07月05日ダンケルクカレー
丘陵ステージ
丘陵ステージ
171.51796 mBEL ワウト・ファン・アールト BEL ワウト・ファン・アールト
5 07月06日リール – Arenberg Trench
丘陵ステージ
丘陵ステージ
157537 mAUS サイモン・クラーク BEL ワウト・ファン・アールト
6 07月07日BEL バンシュロンウィ
丘陵ステージ
丘陵ステージ
219.92483 mSLO タデイ・ポガチャル SLO タデイ・ポガチャル
7 07月08日トンブレーヌ – ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ
山岳ステージ
山岳ステージ
176.32532 mSLO タデイ・ポガチャル SLO タデイ・ポガチャル
8 07月09日ドルSUI ローザンヌ
丘陵ステージ
丘陵ステージ
186.32529 mBEL ワウト・ファン・アールト SLO タデイ・ポガチャル
9 07月10日SUI エーグル – Châtel
山岳ステージ
山岳ステージ
192.93695 mLUX ボブ・ユンゲルス SLO タデイ・ポガチャル
07月11日第一休息日 モルジヌポルト・デュ・ソレイユ
休息日
休息日
10 07月12日モルジヌムジェーヴ
丘陵ステージ
丘陵ステージ
148.12775 m(Wikidata:Q756617) マウヌス・コート SLO タデイ・ポガチャル
11 07月13日アルベールヴィル – Col du Granon
山岳ステージ
山岳ステージ
151.74036 mDEN ヨナス・ヴィンゲゴー DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
12 07月14日ブリアンソンラルプ・デュエズ
山岳ステージ
山岳ステージ
165.14661 mGBR トム・ピドコック DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
13 07月15日ル・プール=ドワザン – サン=テティエンヌ
平坦ステージ
平坦ステージ
192.62114 mDEN マス・ピーダスン DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
14 07月16日サン=テティエンヌマンド
中間ステージ
中間ステージ
192.53499 mAUS マイケル・マシューズ DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
15 07月17日ロデーズカルカソンヌ
平坦ステージ
平坦ステージ
202.52416 mBEL ヤスペル・フィリプセン DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
07月18日第二休息日 カルカソンヌ
休息日
休息日
16 07月19日カルカソンヌフォワ
中間ステージ
中間ステージ
178.53422 mCAN ユーゴ・ウル DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
17 07月20日サン=ゴーダンス – Peyragudes
山岳ステージ
山岳ステージ
129.73368 mSLO タデイ・ポガチャル DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
18 07月21日ルルド – オカタム
山岳ステージ
山岳ステージ
143.24056 mDEN ヨナス・ヴィンゲゴー DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
19 07月22日Castelnau-Magnoac – カオール
平坦ステージ
平坦ステージ
188.31326 mFRA クリストフ・ラポルト DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
20 07月23日Lacapelle-Marival – ロカマドゥール
個人タイムトライアルステージ
個人タイムトライアルステージ
40.7442 mBEL ワウト・ファン・アールト DEN ヨナス・ヴィンゲゴー
21 07月24日パリ・ラ・デファンス・アレナパリ
平坦ステージ
平坦ステージ
115.6614 mBEL ヤスペル・フィリプセン DEN ヨナス・ヴィンゲゴー

各賞の変遷

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区間 区間勝者 総合首位

ポイント賞

山岳賞

ヤングライダー賞

チーム総合首位

敢闘賞

1 イヴ・ランパールト イヴ・ランパールト イヴ・ランパールト - タデイ・ポガチャル チーム・ユンボ・ヴィスマ -
2 ファビオ・ヤコブセン ワウト・ファン・アールト ワウト・ファン・アールト マグナス・コルト スヴェン・エリック・ビーストルム英語版
3 ディラン・フルーネウェーヘン マグナス・コルト
4 ワウト・ファンアールト アントニー・ペレス英語版
5 サイモン・クラーク イネオス・グレナディアス マグナス・コルト
6 タデイ・ポガチャル タデイ・ポガチャル ワウト・ファン・アールト
7 タデイ・ポガチャル シモン・ゲシュケ
8 ワウト・ファン・アールト マッティア・カッタネオ英語版
9 ボブ・ユンゲルス シモン・ゲシュケ ティボー・ピノ
10 マグナス・コルト アルベルト・ベッティオル
11 ヨナス・ヴィンゲゴー ヨナス・ヴィンゲゴー ワレン・バルギル
12 トーマス・ピドコック トーマス・ピドコック
13 マイケル・マシューズ マイケル・マシューズ
14 マイケル・マシューズ マイケル・マシューズ
15 ヤスパー・フィリプセン ニルス・ポリッツ
16 ユーゴ・ウル英語版 ユーゴ・ウル英語版
17 タデイ・ポガチャル ブランドン・マクナルティ英語版
18 ヨナス・ヴィンゲゴー ヨナス・ヴィンゲゴー ワウト・ファン・アールト
19 クリストフ・ラポルト クイン・シモンズ英語版
20 ワウト・ファン・アールト -
21 ヤスパー・フィリプセン -
最終成績 ヨナス・ヴィンゲゴー ワウト・ファン・アールト ヨナス・ヴィンゲゴー タデイ・ポガチャル イネオス・グレナディアス ワウト・ファン・アールト

最終成績

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総合順位

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順位 選手 国籍 チーム 記録 ボーナス ペナルティ
1 ヨナス・ヴィンゲゴー デンマークの旗 デンマーク チーム・ユンボ・ヴィスマ 79h 33' 20'' 32''
2 タデイ・ポガチャル スロベニアの旗 スロベニア UAEチーム・エミレーツ + 2' 43'' 40''
3 ゲラント・トーマス イギリスの旗 イギリス イネオス・グレナディアス + 7' 22''
4 ダヴィド・ゴデュ フランスの旗 フランス グルバマ・FDJ + 13' 39'' 4''
5 アレクサンドル・ウラソフ ロシアの旗 ロシア ボーラ=ハンスグローエ + 15' 46''
DSQ[34][32] ナイロ・キンタナ コロンビアの旗 コロンビア アルケア・サムシック + 16' 33'' 6'' 10''
6 ロマン・バルデ フランスの旗 フランス チームDSM + 18' 11'' 4''
7 ルイス・メインチェス 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ + 18' 44'' 6''
8 アレクセイ・ルツェンコ カザフスタンの旗 カザフスタン アスタナ・カザフスタン・チーム + 22' 56'' 20''
9 アダム・イェーツ イギリスの旗 イギリス イネオス・グレナディアス + 24' 52''
10 ヴァランタン・マドゥアス フランスの旗 フランス グルパマ・FDJ + 35' 59''