ドン (通貨)
ドン (銅) | |
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Đồng Việt Nam | |
ISO 4217 コード | VND |
中央銀行 | ベトナム国家銀行 |
ウェブサイト | www |
使用 国・地域 | ベトナム |
インフレ率 | 3.5% |
情報源 | The World Factbook Inflation rate (consumer prices) (2017年) |
補助単位 | |
1/10 | ハオ(通貨廃止) 計算上のみで、硬貨・紙幣ともに発行されていない。 |
1/100 | シュウ(通貨廃止) 計算上のみで、硬貨・紙幣ともに発行されていない。 |
通貨記号 | ₫ |
複数形 | この通貨の言語に形態学的な複数形区別はない。 |
硬貨 | |
流通は稀 | 200₫ 500₫ 1000₫ 2000₫ 5000₫ |
紙幣 | |
広く流通 | 1000₫ 2000₫ 5000₫ 10,000₫ 20,000₫ 50,000₫ 100,000₫ 200,000₫ 500,000₫ |
流通は稀 | 100₫, 200₫, 500₫ |
ドン(ベトナム語:đồng / 銅)は、ベトナムの通貨単位。国際通貨コード (ISO 4217) はVND。通貨記号は₫であらわす。補助単位はハオ(hào, 毫)と、シュウ(xu, 樞)であり、1ドン=10ハオ=100シュウである。現在はどちらの補助単位も現金の単位としては使われていない。
歴史
[編集]ベトナム語のドンは漢字の銅であり、一ドンは一銅、つまり銅銭一枚分の意である。ベトナムは古くは銅銭が流通し、通貨名はこれからとられている。フランスに植民地化されたフランス領インドシナ時代は、フランス語で米ドルを意味するピアストルが通貨単位であったが、ベトナム語ではドン、あるいは銀を意味するバク(ベトナム語:bạc / 鉑)と読んだ。独立後、南北ベトナム両国は別々の通貨を発行したが、単位はともにドンを使用した。南ベトナムの併合後、ドンが共通の通貨単位として使われるようになった。
北ベトナム
[編集]1946年ベトミン政府(ベトナム独立同盟会、のちのベトナム民主共和国(北ベトナム政府))は、それまでのフランス領インドシナ・ピアストルを置き換える形で、ピアストルと同価の独自通貨ドン(đồng)を導入。その後、二度のデノミネーションを実行。1951年に100:1のレート、その後1958年に1,000:1の比率で通貨切り下げを行なった。
南ベトナム
[編集]第二次大戦後、戦前の宗主国フランスの意を受けて存在していたベトナム国が、1953年にフランス領インドシナ・ピアストルとドンの両通貨名で紙幣を発行していた。その後、南ベトナムを掌握していたベトナム国勢力が一掃され、アメリカ合衆国の支援を受けたベトナム共和国(通称南ベトナム)に政権を引き渡した。その間、通貨はピアストルと同価の「ベトナム共和国ドン」が使用された。1975年のサイゴン陥落の後、南ベトナムの通貨は「解放ドン」に変更され、1解放ドン=500旧ベトナム共和国ドンであった。
統一ドン
[編集]1976年に南北ベトナムが統一され、ベトナム社会主義共和国が成立。1978年5月3日に通貨ドンも統一され、1新ドン=1北ベトナム・ドン=0.8南ベトナム「解放ドン」の価値であった。
ドン切り下げ
[編集]1985年9月14日に、ドンのデノミネーションが行われ、1新ドン=10旧ドンとなった。この後、慢性的なインフレーションが開始し、1990年代初頭まで継続することとなった[1]。
貨幣
[編集]2019年3月の為替レートで、1ベトナムドンが約5厘程度(約200ドン=1円)[2][注釈 1] と、小額な通貨単位である。必然的に桁数が多くなるため、一般的には3桁で区切られ、"."(ピリオド)が用いられる(命数法を参照のこと)。長年続くインフレーションもあり、1,000ドン未満で購入できる商品はほとんどない。このため、下3桁を省略する、または1,000=1キロという意味で1,000ドンを「1k₫」と表記することがある。
紙幣
[編集]- 100₫紙幣は、市中ではほとんど流通していない。200₫紙幣は、極稀にスーパーマーケットや薬局など、少額商品が多い商店でのお釣りとして出されることがある。500₫紙幣は、地方では自転車駐輪料金などの少額決済などで使用される。都市の郵便局やスーパーマーケットなどでは、小額紙幣のお釣りが出せない時は、1,000₫未満の端数はレジ係の裁量で切り捨て/切り上げられることがある。また、お釣りをアメ玉や封筒などの現物で代用されることもある。都市部・地方問わず小売商店では、1,000₫以下のお釣りが必要な値付けは行わず、したがって200₫紙幣や500₫紙幣は、ほとんど用いられない。特に都会部の小売店では5000₫単位の値付けがされることが多く、観光客向けの店では普通10,000₫単位の値付けがされることが多い。
- 10,000₫紙幣以上は偽造防止の為、紙製紙幣ではなくポリマー紙幣を使用している。
- 旧札である旧50,000₫紙幣と旧100,000₫紙幣(ともに紙製)は、既に流通が停止されており、使用不能の失効券である。
- 2016年5月6日、中央銀行65周年を記念して100₫紙幣を発行したが、これは決済に用いることはできない記念紙幣である[3]。
- 2006年8月30日から発行されているポリマー製10,000₫幣については、表面右上の額面を表す「10000」の数字について他に記載されている数字と異なり、桁区切り(フランスの影響を受けて「,」(コンマ)ではなく「.」を用いている)が無い。これは原版作成時にコンマを忘れてしまったためであるが、貨幣として特に問題なく使えるとの理由で改訂されることなく、また今後も改訂の予定はない[要検証 ]。
紙幣のデザイン
[編集]紙幣の表面に描かれている人物は、既に流通が稀となっている人物が描かれていない100₫紙幣を除き、全て初代国家主席のホー・チ・ミンである。そのため裏面のデザインと発行年(紙製紙幣は印刷されている発行年・ポリマー紙幣については2003年シリーズとされているが、実際の流通開始年を記す。なお、ポリマー紙幣のシリアル番号の始めの2桁はその紙幣の印刷年を表す)について解説する。
紙製紙幣
- 100₫紙幣(緑)- 表・国章と100の数字、裏・ナムディンのフォーミン(普明)寺、1991年発行
- 200₫紙幣(橙)- トラクターを使った農業、1987年発行
- 500₫紙幣(桃)- ハイフォン港、1988年発行
- 1,000₫紙幣(青と黄)- タイグエン省の象による木材運搬、1988年発行
- 2,000₫紙幣(青と桃)- 紡績工場、1988年発行
- 5,000₫紙幣(青)- ドンナイ省のチアンダム、1991年発行
ポリマー紙幣
- 10,000₫紙幣(黄土色)- バクホー油田、2006年発行
- 20,000₫紙幣(青)- クアンナム省ホイアンの来遠橋(日本橋)、2006年発行
- 50,000₫紙幣(桃)- フエの皇宮のフーバン(敷文)楼とグエンルオン殿、2003年発行
- 100,000₫紙幣(緑)- ハノイの文廟のクエヴァン(奎文)閣、2004年発行
- 200,000₫紙幣(橙)- ハロン湾の香炉岩、2006年発行
- 500,000₫紙幣(青緑)- ゲアン省ナムダン県キムリエン社(村)にあるホー・チ・ミン生家、2003年発行
硬貨
[編集]- 現在、200₫、500₫、1000₫、2000₫、5000₫硬貨が存在しているが、流通はまれである。これらにはホー・チ・ミンの肖像画は刻印されておらず、ベトナムの国章が刻印されている。
- 200₫、500₫は銀色、1000₫、2000₫、5000₫は真鍮色である。
- 200₫、1000₫、5000₫硬貨は2003年、500₫、2000₫硬貨は2004年に発行が開始されたが、ベトナムの国民にはあまり受け入れられなかったことから、2011年をもって発行が停止された。ただし現在もなお法的には有効である。
現在のVNDの為替レート | |
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Google Finance: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
Yahoo! Finance: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
Yahoo! ファイナンス: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
XE: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
OANDA: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
符号位置
[編集]記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
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₫ | U+20AB | - | ₫ ₫ | ドン記号 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2019年3月27日時点で1ベトナムドンは、4.765厘
出典
[編集]- ^ “LOC Country Study Vietnam.”. Lcweb2.loc.gov. 2014年1月7日閲覧。
- ^ 経済産業省『医療国際展開カントリーレポート新興国等のヘルスケア市場環境に関する基本情報 ベトナム編>一般概況>基本情報(4ページ,PDF5ページ)』(PDF)(レポート)2019年3月 。2019年11月20日閲覧。
- ^ “中央銀行創立記念紙幣、ホーチミンでの販売は5月27日まで”. VIET-JO. (2016年5月17日) 2016年10月16日閲覧。