マーチ・711

マーチ・711
カテゴリー F1
コンストラクター マーチ・エンジニアリング
デザイナー ロビン・ハード
フランク・コスティン
先代 マーチ・701
後継 マーチ・721
主要諸元
エンジン フォードフォード・コスワースDFV
アルファロメオ T33
タイヤ ファイアストン
グッドイヤー
主要成績
チーム STPマーチ・レーシングチーム
フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ
クラーク・モーダウント・ガスリー・レーシング
ジーン・メイソン・レーシング
ドライバー スウェーデンの旗 ロニー・ピーターソン
イタリアの旗 アンドレア・デ・アダミッチ
イタリアの旗 ナンニ・ギャリ
フランスの旗 アンリ・ペスカロロ
スペインの旗 アレックス・ソーラー=ロイグ
イギリスの旗 マイク・ボイトラー
ブラジルの旗 カルロス・パーチェ
出走時期 1971年 - 1972年
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
通算獲得ポイント 36
初戦 1971年南アフリカGP
出走優勝表彰台ポールFラップ
230500
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マーチ・711 (March 711) は、マーチ・エンジニアリング1971年のF1世界選手権用に開発したフォーミュラ1カー

解説

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マックス・モズレーロビン・ハードらが立ち上げたマーチ・エンジニアリング最初のフォーミュラ1カー、701は冒険を避けた手堅い造りであった。711はこれとは一転して個性的な車両に仕上がった。

特徴的な711のフロントウイング

車体設計をフランク・コスティン、シャシーをハードという分担で開発。全体的に丸みを帯びたスタイルと、エンジン全体を覆ったリヤカウルはコスティンが設計したF2マシン、プロトスに似たものである[1][2]。フロントウイングは楕円形をした独特のもので、フロントノーズ先端から支柱を伸ばして取り付けられる。「ティートレイ」と呼ばれた[3]このフロントウイングの形状はイギリスの戦闘機、スピットファイアを基としたものである[4]

エンジンは従来のコスワースDFVのほか、プロトタイプ・スポーツカーに使用されているアルファロメオの3リッターV8エンジンも使用された。

戦績

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アルファ・ロメオのエンジンを搭載した711を走行させるデ・アダミッチ(1971年ドイツグランプリ)
1971年

ワークスはDFV搭載車をロニー・ピーターソン[5]アレックス・ソーラー=ロイグ、アルファ・ロメオエンジン搭載車をアンドレア・デ・アダミッチナンニ・ギャリが使用。

DFV車はピーターソンが優勝こそなかったものの2位4回、3位1回という好成績を挙げ、ドライバーズランキングでジャッキー・スチュワートに次ぐ2位となった。アルファ・ロメオ車はデ・アダミッチがアメリカGPで記録した11位が最高で、ギャリはシーズン途中からDFV車に乗り換えた。オーストリアGPでニキ・ラウダがDFV車に乗ってデビューしたが、リタイヤに終わった。

このほか複数のチームが711を購入。この中でフランク・ウィリアムズのチームがアンリ・ペスカロロのドライブによりイギリスGPで4位、オーストリアGPで6位と活躍した。

1972年

ウィリアムズが引き続き711を使用。ドライバーはカルロス・パーチェ。スペインGPで6位、ベルギーGPで5位入賞を果たした。

成績

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(key)

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ポイント 順位
1971 STPマーチ・レーシングチーム フォードコスワース DFV F RSA
南アフリカの旗
ESP
スペインの旗
MON
モナコの旗
NED
オランダの旗
FRA
フランスの旗
GBR
イギリスの旗
GER
ドイツの旗
AUT
オーストリアの旗
ITA
イタリアの旗
CAN
カナダの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
33(34) 3位
スウェーデンの旗 ピーターソン 10 Ret 2 4 2 5 8 2 2 3
スペインの旗 ソーラー=ロイグ Ret Ret DNQ Ret Ret
イタリアの旗 ギャリ NS 11 Ret 16 Ret
オーストリアの旗 ラウダ Ret
アルファロメオ Typo33 V8 イタリアの旗 アダミッチ 13 Ret Ret NC Ret Ret 11
イタリアの旗 ギャリ DNQ Ret 12 12
スウェーデンの旗 ピーターソン Ret
ジーン・メイソン・レーシング フォードコスワース DFV アメリカ合衆国の旗 バーバー DNQ NC Ret Ret NC
クラーク・モーダウント・ガスリー・レーシング イギリスの旗 ボイトラー Ret Ret NC Ret NC
フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ G フランスの旗 ペスカロロ Ret 8 NC Ret 4 Ret 6 Ret NS Ret
1972 チーム・ウィリアムズ・モチュール フォードコスワース DFV G ARG
アルゼンチンの旗
RSA
南アフリカの旗
ESP
スペインの旗
MON
モナコの旗
BEL
ベルギーの旗
FRA
フランスの旗
GBR
イギリスの旗
GER
ドイツの旗
AUT
オーストリアの旗
ITA
イタリアの旗
CAN
カナダの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
15* 6位
ブラジルの旗 パーチェ 17 6 17 5 Ret Ret NC NC Ret 9 Ret
ジーン・メイソン・レーシング アメリカ合衆国の旗 バーバー NC 16
  • DNQは予選不通過。
  • NCは規定周回数不足。
  • *マーチ・721が獲得した12ポイントを含む。

脚注

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  1. ^ 『オートスポーツ』 1971年4月号、28頁。
  2. ^ 『カーグラフィック』 1971年4月号、164頁。
  3. ^ History of Formula 1 - Grand Prix Cars - March 711”. Grand Prix History. 2015年2月9日閲覧。
  4. ^ 『F1速報PLUS』 VoL.35、三栄書房、2014年、60頁。
  5. ^ フランスGPのみアルファ・ロメオエンジン搭載車に搭乗。

外部リンク

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