国際観光旅客税
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課税 |
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財政政策のありさまのひとつ |
国際観光旅客税(こくさいかんこうりょかくぜい、英: international tourist tax)は、国際観光旅客税法(平成30年法律第16号)に基づき課税される日本の租税(国税)である。「出国税」とも呼ばれている[1][2]。
概説
[編集]国際観光旅客税は、観光先進国実現に向けた、観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源確保を目的としている。
2019年(平成31年)1月7日以降、日本からの出国に対し課税されるようになった[1]。ただし、1月6日までに予約・発券された航空券・乗船券を利用する乗客に対しては課税されない[2][注釈 1]。
令和元年度の税収は、500億円を見込んでいた[3]が、444億円だった[4]。令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症のまん延による国際旅客の激減により対前年度2%に落ち込んだ。
税収の推移
[編集]財務省の統計[5]を参照(単位未満切捨て)。決算ベース。
- 平成30年度 6,888百万円
- 令和元年度 44,357百万円
- 令和2年度 1,041百万円
- 令和3年度 1,878百万円
- 令和4年度 12,622百万円
- 令和5年度 39,945百万円
納税義務者
[編集]- 船舶又は航空機により出国する旅客[注釈 2]。
ただし、下記に該当するものは不課税又は非課税となる[2]。
- 航空機又は船舶の乗員[注釈 3]
- 強制退去者等[注釈 3]
- 公用機又は公用船(政府専用機等)により出国する者[注釈 4]。
- 乗継旅客(入国後24時間以内に出国する者。いわゆるトランジット)[注釈 5]
- 外国間を航行中に、天候その他の理由により日本に緊急着陸(ダイバート)等した者[注釈 6]
- 日本から出国したが、天候その他の理由により日本に帰ってきた者[注釈 7]
- 2歳未満の者[注釈 8]
免税対象
税額
[編集]徴収
[編集]- 船舶又は航空会社による特別徴収
- 航空会社、船舶会社が旅客から徴収し、会社が代行して税務署(国内事業者の場合)[注釈 11]や税関(国外事業者の場合)[注釈 12]に納付する[6]。
- この場合、航空券・乗船券代金と空港使用料(一部空港)と同時に請求される。
- 旅客による直接納付
- プライベート・ジェット、個人所有船舶による出国の場合、自ら税関に納付する[6][注釈 13]。
日本国外の反応
[編集]日本国外のメディア等からは「'Sayonara' Tax[7](サヨナラ税)」「 'Sayonara' Departure Tax(サヨナラ出国税)[8]」と呼ばれる。
米国旅行雑誌『コンデナスト・トラベラー』は、本税の使途などを紹介しつつ、他国での課税と比較しても良心的であると評価している[7]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 国際観光旅客税法附則第2条に「法律の施行の日前に締結された運送契約(施行日前に当該出国の日を定めたものに限る。)によるものに係る国際観光旅客税については、適用しない。」(抜粋)と規定されているため
- ^ 定義として「出入国管理及び難民認定法第25条第1項又は第60条第1項の規定による出国の確認を受ける者」となっている
- ^ a b 課税対象でないため。
- ^ 各国の政府又は地方公共団体が使用する船舶又は航空機であって公用に供されるものとして政令で定めるものは、対象である国際船舶等でないため(法第2条第1項第2号)
- ^ 法第6条第1号
- ^ 法第6条第2号
- ^ 法第5条ただし書
- ^ 法第6条第3号
- ^ 租税特別措置法第90条の16
- ^ 法第15条
- ^ 法第16条
- ^ 法第17条
- ^ 法第18条
出典
[編集]- ^ a b c 1回1000円「出国税」がスタート チケット代に上乗せ - 日本経済新聞 2019年1月8日
- ^ a b c “出国税 このような場合は支払う必要なし”. フジテレビ(2019年1月7日作成). 2019年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月28日閲覧。
- ^ 平成31年度一般会計予算参照書 平成31年度一般会計歳入予算明細書 (PDF) p363 財務省
- ^ 財務省HP
- ^ 租税及び印紙収入決算額調一覧 財務省
- ^ a b “出国税(国際観光旅客税)1月7日から適用。航空運賃とともに「1000円」徴収”. トラベル Watch(2019年1月6日作成). 2019年12月28日閲覧。
- ^ a b LaGrave, Katherine (2019年1月7日). “Japan's New 'Sayonara' Tax on Travelers Is Here” (英語). Condé Nast Traveler. 2021年4月3日閲覧。 “On Monday, the country began collecting a "sayonara" tax from visitors. The new fee of ¥1,000 ($9.23) will be tacked onto plane and ship transportation fares of all passengers when booking, regardless of nationality.
(中略)
The good news? They say they'll put that money right back into services for travelers, including implementing more facial recognition gates at airports and seaports for faster processing through immigration, adding information in multiple languages at cultural attractions, and developing free Wi-Fi on public transportation.
(中略)
As Traveler's Bridget Hallinan previously reported, Japan is far from the only country to impose a tax on visitors. Sure, that means you've got $9 less to spend on bento and custom ohashi, but it doesn't look so bad when you compare it to the United Kingdom's "Air Passenger Duty" tax (which creeps into the hundreds) or Australia's "Passenger Movement Charge," which charges AUD 60 ($42.75) when you depart for another country.” - ^ Matthews, Lyndsey (2019年1月11日). “Japan is introducing a 'sayonara' departure tax that international travelers have to pay before leaving the country”. Business Insider. 2021年4月3日閲覧。
関連項目
[編集]- 出国税
- 国際連帯税
- サーチャージ (運賃)
- 空港使用料
- 航空券 - 乗船券
- 三の丸尚蔵館 - 外国人旅行客誘致を名目に展示室の拡張費を国際観光旅客税から充てている。
- 電子渡航認証システム
外部リンク
[編集]- 国際観光旅客税 - e-Gov法令検索
- 国際観光旅客税 - 税関
- 国際観光旅客税について - 国税庁