千葉市文化交流プラザ
千葉市文化交流プラザ | |
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情報 | |
通称 | 京葉銀行文化プラザ |
旧名称 | ぱ・る・るプラザ千葉 |
完成 | 2000年2月19日 |
開館 | 2007年4月1日 |
閉館 | 2018年3月31日 |
客席数 | 719 |
延床面積 | 21680.76m² |
用途 | コンサートホール、郵便局 |
旧用途 | 健康増進施設 |
運営 | 千葉トリニティ運営事業体 |
所在地 | 〒260-0015 千葉県千葉市中央区富士見1丁目3-2 |
位置 | 北緯35度36分47.4秒 東経140度7分2.7秒 / 北緯35.613167度 東経140.117417度座標: 北緯35度36分47.4秒 東経140度7分2.7秒 / 北緯35.613167度 東経140.117417度 |
アクセス | JR・千葉都市モノレール千葉駅、京成千葉駅、千葉都市モノレール栄町駅より徒歩 |
外部リンク | www |
千葉市文化交流プラザ(ちばしぶんかこうりゅうプラザ)は、千葉県千葉市中央区にある建築物である。愛称は京葉銀行文化プラザ。千葉駅近くに位置し、コンサートホールなどを有する。2018年に閉館。大和ハウス工業に売却され、2022年3月末までに再開される予定であったが、音楽ホールは廃止されることが決定し、2023年12月より解体工事が始まっている。
歴史
[編集]建物は1999年(平成11年)10月に竣工。2000年(平成12年)に、当時の郵政省により、山口市・京都市に次ぐ3例目の郵便貯金地域文化活動支援施設「ぱ・る・るプラザ千葉」として開業した[1]。2007年(平成19年)3月に千葉市が20億3千万円で取得。同年4月1日より「千葉市文化交流プラザ」となった。2008年(平成20年)に京葉銀行が命名権を取得し、同年4月1日より「京葉銀行文化プラザ」の愛称が導入された[2]。同日より、株式会社千葉マリンスタジアム・財団法人千葉市文化振興財団・株式会社千葉共立からなる千葉トリニティ運営事業体が指定管理者として本館の管理運営にあたっていた[3]。
2013年度のホールの利用率は60.5%であり、近隣の千葉市民会館大ホール85.8%や、千葉市文化センターホールの71.5%に比べ低迷していること[4]、老朽化による維持費の増加が懸念されることから、2017年(平成29年)に音楽ホールを最低10年間営業継続することを条件に敷地と建物を一括して売却先を募り[5][注 1]、大和ハウス工業グループの大和ホームズオンライン(現在の大和ハウス工業株式会社[注 2])が優先交渉権者に決定した[6]。2018年(平成30年)3月31日をもって営業を終了し、2019年(平成31年)3月8日に大和ハウス工業株式会社に売却された[7]。その後、2022年(令和4年)3月末までの供用開始が予定されていた[8]。
しかし、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中で大和ハウス工業株式会社とテナントとの協議が難航し、建物自体の再開の目途がたたないことから、千葉市では、大和ハウス工業株式会社から千葉市へ売却代金8億5000万円とは別に和解金9億1350万円の支払いを条件に、音楽ホールの供用開始等の条件を解除することを含む和解議案を、令和4年第1回千葉市議会に提出した[9]。
これに対し千葉市議会は、和解議案が事実上の音楽ホールの廃止案となることから、2022年(令和4年)3月17日、異例の継続審査としており、再開されるか未定となっていたが、[10]、2022年(令和4年)6月9日に承認され、2022年(令和4年)6月27日の和解金支払いをもって、音楽ホールの継続等の条件は解除された[11]。これによって、音楽ホールは廃止されることが決定した。また、建物自体の再開の目途もたっていない。
2023年12月より解体工事が行われている[12]。
建築
[編集]鉄筋コンクリート構造・鉄骨構造の地上11階・地下2階建で、敷地面積は2,793.32m2、延床面積21,680.76m2[13]。建築設計は郵政省官房施設部および構造計画研究所、施工は奥村組他の共同企業体が受け持った[14]。雨水を利用した中水道やコジェネレーション、開業当初にあったプールの水を飲料水に転用できるシステムが採用されている[1]。
1階にはレストランが入り、6階・7階には会議室が設けられている。地下1・2階は119台収容の地下駐車場となっている[15]。8階から9階にかけてはプールやスパ、フィットネススタジオがあったが、2015年3月末で廃止されている[13]。開業当初は郵政省の施設であり、1階には「ぱ・る・るプラザ千葉内郵便局」と郵便貯金PRコーナーが開設された[1]。郵便局の名称は「千葉文化交流プラザ内郵便局」を経て、2009年2月2日より「千葉駅東口郵便局」と改称し[16]営業していたが、施設閉鎖に伴い2018年3月3日に一時閉鎖された[17]。
コンサートホール
[編集]3階から4階にかけてのコンサートホールは、横幅約16m、長さ約34mの「シューボックス型」と呼ばれるタイプで、1段のバルコニーを持つ。ステージは幅16m、奥行き8.5mで、ステージ上からの天井高は約13m。音響設計は、サントリーホールや東京芸術劇場大ホールなど国内で評価が高いコンサートホールの音響設計を担当している永田音響設計事務所が担当し、中音域(500Hz)での残響時間は約1.7秒となっている。[18] 千葉県内でも有数の性能を持つコンサート専用ホールであるが、実働わずか18年で廃止されることになった。
内装はサクラの木目を生かしたデザインで、クラシック音楽に適した音響設計となっているが、幅広い音楽に対応できるよう可変性の機構が組み込まれている。建物から総武本線の線路までの最短距離は20mほどであり、振動・騒音対策として地中の連壁部に50mm厚のゴムを敷設するとともに、ホール全体を防振ゴムによる浮き構造とした[14]。本ホールでは東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会が開かれ、2006年にフジテレビ系で放映されたテレビドラマ『のだめカンタービレ』ではロケが行われた[19][20]。
解体
[編集]当ホールは2023年12月より解体が行われている。当ホールの音響設計を行った永田音響設計は、そのニュースレターで下記のような指摘を完成時に行っている。箱物を整備したものの、ソフトとしての運用を全く考えていなかったため、実働たった18年でホールもろとも破壊されることになった。ソフトを考えず箱物整備に走った郵政省、そして引き継いだ千葉市、大和ハウスの担当者や千葉市の文化振興に対するスタンスが厳しく問われる事態となっている。
去る2月18日、地元千葉市主催の東京フィルハーモニーオーケストラ名曲コンサートにより正式にオープンした。しかしながら、その後のコンサートのスケジュールは目白押しという訳にはなっていないようである。もっともっと活発に使って欲しい。聞くところによると、運営方針は「貸しホールとしての運用が基本」とのことである。1999年9月号(No.141)の本ニュースにも書いたように、一般的には『貸しホールなら多目的ホール、専用ホールなら自主公演を含めたホール運用』という考え方が基本であるべきと思われる。限られた用途に特化したホールというのは、やはりそれを生かすための特別な使いこなし、戦略が必要なのである。折角できたハードをもっと積極的に、効果的に使いこなす工夫が望まれる。「地域文化活動支援施設」と銘打って建設されたホールなのだから、是非、地元のクラシック音楽文化のメッカとなって欲しい。完成したハードが最大限有効に活用されるためには、適切なソフトが必要不可欠である。ハードは一旦出来てしまえば基本的にはやり直しが利かないが、ソフトは何度でもやり直しが出来るし、次々に新しいものを提案することも可能なのである。[21]
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 最低売却価格を当初の11億9000万円から7億2500万円に引き下げて再募集を掛けた。
- ^ 大和ホームズオンライン株式会社が、2019年(平成31年)3月1日に、大和ハウス工業株式会社に吸収合併されたため。
出典
[編集]- ^ a b c “千葉駅前に文化複合施設『ぱ・る・るプラザ千葉』来年2月オープン”. 稲毛新聞. (1999年8月5日) 2017年11月2日閲覧。
- ^ 『「千葉市文化交流プラザ」から「京葉銀行文化プラザ」へ~ネーミングライツ(命名権)取得について~』(プレスリリース)京葉銀行、2008年2月14日 。2017年10月27日閲覧。
- ^ “運営企業のご紹介”. 京葉銀行文化プラザ. 2017年11月2日閲覧。
- ^ “京葉銀行文化プラザ(千葉市文化交流プラザ)の廃止(平成30年3月31日営業終了)のお知らせ”. 千葉市市民局生活文化スポーツ部文化振興課 (2017年4月3日). 2017年11月2日閲覧。
- ^ “文化交流プラザ売却 4億円引き下げ再募集 千葉市、申し込みなく”. 東京新聞. (2018年2月3日) 2018年6月3日閲覧。
- ^ “千葉市、旧京葉銀プラザ売却へ 大和ハウス系に”. 日本経済新聞. (2018年5月30日) 2018年6月3日閲覧。
- ^ 千葉市. “旧千葉市文化交流プラザの売却についてのお知らせ”. 千葉市. 2019年10月2日閲覧。
- ^ 『旧千葉市文化交流プラザ再開延期のお知らせについて』(プレスリリース)千葉市役所市民局生活文化スポーツ部文化振興課、2021年3月26日 。2021年4月9日閲覧。
- ^ 『旧千葉市文化交流プラザの再開について』(プレスリリース)千葉市役所市民局生活文化スポーツ部文化振興課、2022年2月19日 。2022年2月26日閲覧。
- ^ “令和4年第1回定例会市長提出議案議決結果(議案番号46)”. 千葉市議会 (2022年3月17日). 2022年3月21日閲覧。
- ^ 『旧千葉市文化交流プラザの和解成立について』(プレスリリース)千葉市役所市民局生活文化スポーツ部文化振興課、2022年11月17日 。2022年12月17日閲覧。
- ^ “元ぱるるプラザ千葉、郵貯から千葉市が謎の買取した後ダイワハウスが千葉市から取得するも文化ホール事業を再開できなかった為、千葉市に違約金を払って人知れず解体が始まる。”. ☆★たいきょー★☆ (2023年12月27日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ a b “千葉市文化交流プラザ(京葉銀行文化プラザ)の概要等について” (PDF). 千葉市市民局生活文化スポーツ部文化振興課 (2017年9月11日). 2017年11月2日閲覧。
- ^ a b 「千葉ぱるるホールの誕生」『永田音響設計News』第00-04巻、永田音響設計、2000年4月25日、2017年10月27日閲覧。
- ^ “フロアガイド”. 京葉銀行文化プラザ. 2017年11月2日閲覧。
- ^ 『改称:千葉文化交流プラザ内郵便局(千葉県)』(プレスリリース)日本郵便、2009年1月27日 。2017年11月2日閲覧。
- ^ 『一時閉鎖:千葉駅東口郵便局(千葉県)』(プレスリリース)日本郵便、2018年1月19日 。
- ^ “永田音響設計News 00-04号(通巻148号) 発行:2000年4月25日”. 2021年1月10日閲覧。
- ^ “役者とエキストラが一体 「のだめカンタービレ」(フジテレビ) 京葉銀行文化プラザ音楽ホール(旧ぱ・る・るプラザ千葉、中央区) 【ロケ地を訪ねて】”. 千葉日報. (2008年4月27日) 2017年11月2日閲覧。
- ^ “作品紹介 のだめカンタービレ”. 千葉県フィルムコミッション. 2017年11月2日閲覧。
- ^ “News 00-04(通巻148号)”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。