小田急小田原線
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小田原線 | |||
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基本情報 | |||
国 | 日本 | ||
所在地 | 東京都、神奈川県 | ||
起点 | 新宿駅 | ||
終点 | 小田原駅 | ||
駅数 | 47駅 | ||
路線記号 | OH | ||
開業 | 1927年4月1日 | ||
所有者 | 小田急電鉄 | ||
運営者 | 小田急電鉄 | ||
車両基地 | 小田急電鉄の車両検修施設を参照 | ||
使用車両 | 小田急電鉄#車両を参照 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 82.5 km | ||
軌間 | 1,067 mm(狭軌) | ||
線路数 | 複々線(代々木上原 - 登戸間) 三線(登戸 - 向ヶ丘遊園間、暫定) 複線(上記以外の区間) | ||
電化方式 | 直流1,500 V (架空電車線方式) | ||
閉塞方式 | 自動閉塞式 | ||
保安装置 | D-ATS-P | ||
最高速度 | 110 km/h[1] | ||
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路線図 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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小田原線(おだわらせん)は、東京都新宿区の新宿駅から神奈川県小田原市の小田原駅を結ぶ、小田急電鉄(小田急)の鉄道路線である。当路線単体、または小田急電鉄の全路線を指して小田急線とも呼称される[2][3][4]。
駅ナンバリングで使われる路線記号はOH[注釈 1]で、番号は当路線の新宿駅から直通運転先である小田急箱根鉄道線(箱根登山電車)、さらに鋼索線(箱根登山ケーブルカー)・箱根ロープウェイを経て、芦ノ湖にある箱根海賊船(はこねかいぞくせん)の元箱根港までを一体とする連番で振られており、小田急小田原線は青色()、小田急箱根鉄道線・鋼索線・箱根ロープウェイ・箱根海賊船は赤茶色()で描かれている。
概要[編集]
小田原線は、「小田原急行鉄道」として創業した小田急電鉄の基幹路線で、新宿副都心にあるターミナル駅の新宿駅から、東京都南多摩地域の町田市や神奈川県央地域の厚木市などを経由して神奈川県西部地域の中心駅である小田原駅を結ぶ路線である。
小田原駅から小田急箱根鉄道線(箱根登山電車)に直通し、新宿駅 - 箱根湯本駅間を結ぶ有料特急「ロマンスカー」も頻繁に運転されている。また、支線の江ノ島線や多摩線に直通する列車も多く、代々木上原駅からは東京地下鉄(東京メトロ)千代田線・東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐緩行線とも相互直通運転する一方で、一部の特急列車が新松田駅北側にある松田駅に通じる連絡線を経由して東海旅客鉄道(JR東海)御殿場線と直通運転を行っている。東京都心への通勤・通学路線と箱根・湘南江の島などへの観光路線という2つの顔を持つ路線で、新宿寄りの代々木上原駅 - 登戸駅間 (11.7 km) は複々線化されている。
新宿駅 - 小田原駅および新宿駅 - 江ノ島線藤沢駅間は途中経路は異なるものの、JR東日本の湘南新宿ラインと競合関係にある。運賃は本路線の方が安く、快速急行を設定するなど速達性を高めてJRに対抗している。
路線は武蔵野台地から出て多摩川を渡り、多摩丘陵を津久井道に沿った谷で貫き、境川を越えて相模野台地に入る。台地を下ると相模平野に入り、相模川を越えてもしばらく平野と台地が続く。丹沢山地の麓が近づくと勾配と曲線がきつくなり、登り切ると秦野盆地に入る。トンネルを通過して酒匂川支流の四十八瀬川沿いの渓谷を走り、急カーブが多く速度は低下する。新松田駅からは酒匂川の本流沿いの足柄平野を走り、再び速度を上げて一路小田原駅を目指す。線形は台地や平地では直線区間が多く、丘陵地帯では曲線が多くなるが、全線に渡って半径は緩めにとってある場合が多い。急行は直線部では100 km/hで走行し、曲線部では80 - 90 km/h程度で通過する。
本厚木駅から新松田駅まで国道246号(大山街道・矢倉沢往還)が並行する。
路線データ[編集]
- 路線距離:82.5 km
- 軌間:1067 mm
- 駅数:47駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(直流1500 V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:D-ATS-P
- 最高速度:110 km/h[1]
路線概要[編集]
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新宿 - 新百合ヶ丘[編集]
小田急百貨店新宿店の1階、地上4面3線・地下3面2線の新宿駅を発車すると、すぐに地上線と地下線が合流して渋谷区に入る。合流地点には東京都道414号四谷角筈線の踏切がある。この踏切までの区間の上空には人工地盤が構築され、その上部は新宿サザンテラスとなっている。踏切を通過すると間もなく南新宿駅へ到着する。この付近は副都心の新宿から1 km程度しか離れていないにも関わらず大変閑静な住宅街であり、そのせいか同駅はターミナル駅の隣とは思えないほど利用客が少ない。明治神宮への参道がある参宮橋駅を発車すると、しばらく直線区間を走り、代々木八幡駅へ。この駅は急カーブ(同線で最も急な半径200メートル)上にあり、制限速度45 km/hで徐行しながら、西へと向きを変える。直後に東京都道317号環状六号線(山手通り)の跨線橋を潜り、さらに東京メトロ千代田線が上下線の間から地上に出てきて合流、そのまま27‰の急勾配で高架へ上り、2面4線の代々木上原駅に到着する。
- 新宿駅 - 南新宿駅間の東京都道414号の踏切
- 代々木上原駅手前の小田原線と千代田線の併走区間。内側2線が千代田線の線路、外側が小田原線の線路
代々木上原駅から先は複々線区間となり、東京メトロ千代田線の引き上げ線を横目に高架から35‰の急勾配で地下に潜り、世田谷区に入って、東北沢駅へ到着。ここまでは外側2線が急行線、内側2線が緩行線の形態だが、急行線は駅の小田原寄りから下り勾配となり、緩行線の直下を走行する2層式形態となる。次の京王井の頭線と交差・接続する下北沢駅では、地下1階のホームが緩行線、地下2階のホームが急行線と、乗り場が分かれている。
下北沢駅を発車すると緩行線は世田谷代田駅へ至るが、急行線は駅直下を通過するためホームを視認できない。東京都道318号環状七号線(環七通り)の下をくぐり、35‰の急勾配で地上へ出ると緩行線と急行線が横並びとなり、高架区間となって梅ヶ丘駅へ。梅ヶ丘 - 登戸間の複々線は、内側2線が急行線、外側2線が緩行線である。同駅の近くに羽根木公園があり、梅のシーズンには大変賑わっている。その後、東急世田谷線と交差して豪徳寺駅に到着する。上り急行線に通過線を持つ2面5線の経堂駅には、小田原線開業時には車庫があった。次の千歳船橋駅、その先で東京都道311号環状八号線(環八通り)・東京都道428号高円寺砧浄水場線(荒玉水道道路)と交差して祖師ヶ谷大蔵駅に至る。環八通り乗越え部分の下り急行線・下り緩行線部分は1971年に先行し完成していた高架橋を耐震補強のうえ流用しており、また上下線とも4線全体を跨ぐ往時のトラス架線柱に揃えてある。その後仙川を渡ると高架から一気に地下(掘割)に潜り、2面4線の成城学園前駅に到着する。この駅の真上には、2006年9月29日に駅ビル成城コルティが完成した。
成城学園前駅を発車すると再び地上へ戻り、喜多見検車区への引き込み線を右へ分岐しながら高架を上り、野川を渡るとすぐに喜多見駅に到着。ここで東京23区を抜け狛江市に入り、狛江駅へ。やや左へカーブし、和泉多摩川駅を発車すると間もなく多摩川を渡る。橋を渡り終えると神奈川県(川崎市多摩区)に入り、JR南武線と交差し2面4線の登戸駅に到着する。登戸駅を発車するとすぐに下り緩行線が下り急行線に合流し、ここから先は3線となる。
- 成城学園前付近の複々線区間(2009年6月13日)
- 多摩川橋梁を渡る30000形「EXE」と2000形(2009年6月13日)
登戸駅を発車すると右へカーブしながら高架を下り、2面4線の向ヶ丘遊園駅に到着する。常磐線各駅停車・千代田線からの直通電車の多くは同駅発着となる。登戸 - 向ヶ丘遊園間の駅間距離は小田急全線で最短の0.6 km。向ヶ丘遊園駅は2002年まで存在した向ヶ丘遊園の最寄り駅で、2000年までは駅前から向ヶ丘遊園まで向ヶ丘遊園モノレールが運行されていた。ここで3線区間も終わり、以西は終点の小田原駅まで複線区間となる。
向ヶ丘遊園駅を発車すると東京都道・神奈川県道9号川崎府中線(府中街道)と交差し、さらに二ヶ領用水・五反田川を渡り右へカーブし再び西へと向きを変える。ここから町田までは多摩丘陵の谷を縫うように走り、それまで密集した市街地が続いていた車窓はぐっと緑が増えた印象となって、しばらくの間畑と住宅が混在した区間を走る。その後神奈川県道13号横浜生田線と交差する。この神奈川県道13号の陸橋は東京都道・神奈川県道3号世田谷町田線(津久井道)と交差しているが、交差する津久井道の側道は本線を挟む構造ではなく、本線に挟まれる構造になっている。その後は津久井道・五反田川と並行し左には明治大学生田キャンパスが見えてくる。住宅が込んでくると間もなく生田駅へ、その先で地下を走る武蔵野線(貨物線)と交差し、読売ランド前駅に到着。この先百合ヶ丘駅手前まで津久井道と歩道一つを挟んで完全に並行する。その後左へ急カーブ南西を向き、川崎市麻生区に入って切通しに入り百合ヶ丘駅へ、その先でS字カーブを描きながら勾配を下り、引き上げ線2線を上下本線で抱き込みながら、3面6線の新百合ヶ丘駅に到着する。
新百合ヶ丘 - 相模大野[編集]
新百合ヶ丘駅を発車すると多摩線を分岐して勾配を下り、右手に小田急電鉄の保線施設を見ながら左へカーブし南に向きを変える。この付近で、地下を通過する建設中の中央新幹線(第一首都圏トンネル)と交差する。畑も少し残る住宅地を抜けると柿生駅へ到着。その先で再び東京都(町田市)に入るとしばらくの間町田市と川崎市麻生区(飛地)の市境を直線で抜け、2面3線の鶴川駅へ到着。ここで津久井道を分け、その先少し走ると左手から住宅は消え森林となり、完全に町田市に入る。さらに和光大学が見えると東京都内では唯一(地下区間を除く)の境塚トンネル(231.4 m)を通る。トンネルを出ると玉川学園に挟まれながら左へカーブを切り、玉川学園前駅に到着。そこからしばらくの間住宅地を走り、しばらくすると一旦市街地が途切れて恩田川を渡り、築堤上を走りながらカーブを切り東京都道47号八王子町田線(町田街道)と交差し、市街地へ入っていく。切り通しを抜けると小田急百貨店町田店の中3階、小田急第2の規模を持つ2面4線の町田駅に到着する。
町田駅を発車するとJR横浜線と交差し、カーブを切りながら境川を渡る。ここで再び神奈川県(相模原市)に入り、切り通しを抜ける。切り通しを抜けるときれいな装飾が施されたコンクリート壁を見ながら通過線を含む2面6線の相模大野駅に至る。
- 新百合ヶ丘間 - 柿生間の多摩線分岐付近。内側2線が多摩線、外側2線が小田原線の線路(2009年7月7日)
- 町田 - 相模大野間の切り通しを走る30000形「EXE」(2009年6月19日)
相模大野 - 本厚木[編集]
相模大野駅を発車すると江ノ島線を分岐し、しばらくの間左手に大野総合車両所を見る。その後は住宅地を直線で抜け、小田急相模原駅へ。その先で座間市に入り、勾配を下っていく。その後今度は勾配を上っていき、2面4線の相武台前駅へ到着。かつて大野総合車両所に移転するまで工場があり、駅構内東側に広がる留置線はその名残である。その先しばらくは直線で抜ける。座間谷戸山公園が見えて森林が増えてくると左へカーブし南を向き、右に神奈川県道51号町田厚木線のバイパスが見えてくる。左手から森林が消えて市街地が見えてくると間もなく座間駅へ。その先は住宅街を直線で抜け、海老名市に入る。国道246号(大和厚木バイパス)と交差すると南西に向きを変え、相鉄厚木線(貨物線)と交差し、相鉄本線とも並行し海老名検車区が併設された2面4線の海老名駅に到着する。
海老名駅を発車し、神奈川県道40号横浜厚木線の陸橋の下をくぐると高架の上り坂になり、しばらく直線を進むと右にカーブしてJR相模線と交差し厚木駅へ。その先で圏央道を潜り、相模川を渡って厚木市に入る。橋を渡り終えると高架で市街地へ入り、左へカーブしながら2面4線の本厚木駅に到着する。
- 厚木 - 本厚木間の相模川橋梁を渡る1000形(2007年3月2日)
本厚木 - 小田原[編集]
本厚木駅を発車するとそのまま市街地を通る。高架を降り右手の国道246号線と並走する区間になると水田が混在するが、すぐに住宅地になり勾配を登ると愛甲石田駅に着く。駅構内に厚木市と伊勢原市の市境がある。
愛甲石田駅を発車すると並行していた国道246号と別れる。しばらくは住宅地を走るが、高架区間に入ると水田地帯に入り、右手には大山が、左手には平塚市街や湘南平まで見渡せるほど視野が開ける。新東名高速道路を潜り、伊勢原台地へ向かう登り勾配になると住宅地に入り、登りきったところが2面4線の伊勢原駅となる。同駅は大山への玄関口として、大山ケーブルカーへ接続する路線バスが発着している。常磐線各駅停車・千代田線からの直通電車は最長で伊勢原駅まで運行される。
伊勢原駅を発車するとしばらくは住宅地のままだが、右手に見える工業団地を抜けると水田が一面に広がり、線路の周囲には人家がほとんどなくなる。善波川橋梁を通過すると秦野市に入り、再び住宅地が見えると鶴巻温泉駅に着く。
鶴巻温泉駅を発車すると畑が混在する住宅地を通りながら東海大学前駅へ到着する。両駅間は1.1 kmと私鉄の駅間距離としては標準的だが、伊勢原駅 - 鶴巻温泉駅、東海大学前駅 - 秦野駅間の駅間距離が約4-5 kmあるので特に短く感じる。
東海大学前駅を発車すると右手に弘法山を見ながら走る。しばらく住宅地のままだが、2 kmほど進んだところにある秦野トンネル(351 m)を抜けると秦野盆地へ入る。急勾配と急カーブで盆地の中心部へと進んでいく。畑と雑木林の風景のすき間から右手には丹沢と秦野市街地が見える。
2面4線の秦野駅を発車すると右から水無川が別れ、畑が混在する住宅地をきつめの登り勾配で小田原線の駅で最も標高の高い渋沢駅まで駆け上がる。ここから愛甲石田駅付近から山を挟んで北側を走っていた国道246号と再び並行することになる。
渋沢駅を発車すると、下北沢駅前後の地下区間を除いて小田急最長の第一菖蒲トンネル(492.9 m)を抜け、うねりながら流れる四十八瀬川(酒匂川水系)の谷に沿って線路も敷設されているため、25‰の急勾配と半径400 mの急カーブの連続で降りて盆地を抜け出す。さらに短い第二菖蒲トンネル(60.3 m)を抜け谷間を進む。このあたりも周囲には人家がないが、秦野市と松田町の市町境付近には孤島のような形で湯の沢団地が存在する。東名高速道路・国道255号を相次いで潜ると、並行していた国道246号から別れ、左手の神奈川県立足柄上病院を過ぎたところで右手方向に特急「ふじさん」の運行や新車の搬入などで使われる連絡線がJR御殿場線へ向かって分岐する。御殿場線をくぐると2面4線の新松田駅に到着する。渋沢駅 - 新松田駅間の駅間距離は小田急全線で最長の6.2 kmである。
新松田 - 小田原間は水田が広がる足柄平野を通るため利用客が比較的少なく、栢山・富水・螢田・足柄の4駅はホーム有効長が最大6両分と短く設定されており、日中は6両編成の区間列車(各駅停車)が往復している。開成駅手前から螢田駅の先までは足柄平野の水田地帯を抜けるが、線形も良く高速運転向きで、優等列車は最高速度で走ることも多い。
新松田駅を発車すると酒匂川を渡り、橋を渡り切ると大きく左にカーブして開成町へ入る。開成駅は2面2線の急行停車駅で、周辺はマンションが並ぶなど住宅地としての開発が著しい。駅の東側(進行左手)には電留線と駅前に保存されている3100形NSE車の先頭車も見える。開成駅から400 m程南下すると小田原市に入る。栢山駅、富水駅、螢田駅はともに駅周辺に商店や住宅がコンパクトにまとまっているが、駅を離れるとすぐに水田地帯となる。このあたりはかつて酒匂川が洪水を頻繁に起こしていたためもとから人口が少ない。足柄平野一帯では小田原線沿線よりも御殿場線や伊豆箱根鉄道大雄山線沿線の方に人口が集まっている。
- 新松田 - 開成間の酒匂川橋梁を渡る30000形「EXE」(2007年3月9日)
螢田駅を過ぎると小田原市中心部へ進路をとるため右カーブとなり、小田原厚木道路を潜った後狩川を渡る。伊豆箱根鉄道大雄山線をオーバークロスし、切通しを抜けて2面3線の足柄駅となる。付近にかつてはJT小田原工場があり、足柄駅から専用線が延び、小田原駅経由で貨物輸送が行われていた名残りで、右手ヤードの奥には電留線がある。東海道新幹線をくぐり、JR東海道本線に右カーブで合流すると2面3線の小田原駅に到着する。ここから先は小田急箱根鉄道線(箱根登山電車)が延び、「はこね」などの特急ロマンスカーが同線の箱根湯本駅(箱根町)まで直通する。
歴史[編集]
- 1922年(大正11年)5月29日:鉄道免許状下付(東京市四谷区新宿三丁目-神奈川県足柄下郡小田原町)[5]。
- 1927年(昭和2年)
- 1929年(昭和4年)4月1日:玉川学園前駅開業[6]。江ノ島線が大野信号所(現在の相模大野駅) - 片瀬江ノ島間で開業し、小田原線との直通運転を実施。
- 1930年(昭和5年)
- 1934年(昭和9年)4月1日:梅ヶ丘駅開業[6]。
- 1937年(昭和12年)
- 1938年(昭和13年)
- 1940年(昭和15年)12月15日:通信学校駅を相模大野駅に[9]、士官学校前駅を相武台前駅に改称[9]。
- 1941年(昭和16年)
- 1942年(昭和17年)5月1日:東京急行電鉄に合併、「小田原線」の呼称が生まれる(「大東急」の一部に)[6]。
- この時期には東海道本線被災時の代替ルートとして小田原線が重要視され、国鉄の電気機関車や電車による試運転が行われた。
- 1943年(昭和18年)4月1日:海老名駅が小田原線の駅として開業、海老名国分駅廃止。神中鉄道の本厚木駅直通運転中止。
- 1944年(昭和19年)
- 6月1日:河原口駅を厚木駅に、相模厚木駅を本厚木駅に改称。
- 10月20日:鶴巻温泉駅を鶴巻駅に改称。
- 1945年(昭和20年)
- 1946年(昭和21年)
- 2月:相模鉄道からの海老名 - 本厚木間直通運転再開。
- 1月28日:大秦野駅付近でブレーキ故障を起こした小田原行の電車が勾配を逆走して鶴巻駅で脱線転覆、30名死亡(東急小田原線列車脱線転覆事故)。
- 6月1日:営業休止中の山谷駅廃止[6]。
- 6月15日:世田ヶ谷中原駅営業再開。
- 8月20日:世田ヶ谷中原駅を世田谷代田駅に改称。
- 1948年(昭和23年)6月1日:東京急行電鉄からの分離(大東急の解体)により小田急電鉄が発足し、小田原線を同社に移管[6]。
- 1950年(昭和25年)8月1日:箱根登山鉄道(現:小田急箱根)鉄道線箱根湯本駅まで直通運転を開始[6]。
- 1952年(昭和27年)4月1日:螢田駅開業。
- 1955年(昭和30年)
- 1957年(昭和32年)7月6日:3000形(SE車)が運行開始[6]。
- 1958年(昭和33年)4月1日:登戸多摩川駅を登戸駅に、鶴巻駅を鶴巻温泉駅に改称。
- 1960年(昭和35年)3月25日:百合ヶ丘駅開業[6]。
- 1964年(昭和39年)
- 1971年(昭和46年)
- 1974年(昭和49年)6月1日:同日開業の多摩線分岐駅として新百合ヶ丘駅開業。朝方ラッシュ時の一部上り列車のみ、多摩線から小田原線への直通運転を実施。
- 1976年(昭和51年)
- 1977年(昭和52年)
- 1978年(昭和53年)3月31日:営団地下鉄(現・東京地下鉄)千代田線と相互直通運転を開始(当初は平日の朝夕のみ)[6]。
- 1982年(昭和57年)
- 1985年(昭和60年)3月14日:開成駅開業[6]。
- 1987年(昭和62年)3月9日:大根駅を東海大学前駅に、大秦野駅を秦野駅に改称。
- 1991年(平成3年)3月16日:土曜・休日ダイヤ導入。JR東海と新宿 - 沼津間で相互直通運転開始、「あさぎり」を連絡急行から特急に格上げ。千代田線との相互直通運転を休日にも拡大。
- 1997年(平成9年)12月28日:運賃改定に伴い相模大野駅が営業キロ上で新宿側に0.2 km移転(実際の移転・新駅舎の供用は1996年)。江ノ島線分岐位置である旧駅位置は相模大野分岐点となる。
- 2000年(平成12年)10月8日:愛甲石田駅 - 伊勢原駅間の歌川橋梁付近を高架化[6]。
- 2002年(平成14年)3月23日:湘南急行と多摩急行を新設[13]。小田原線と多摩線との直通運転を大幅に拡大[13]。
- 2004年(平成16年)12月11日:湘南急行を廃止、快速急行と区間準急を新設[14]。
- 2008年(平成20年)3月15日:60000形「MSE」によるロマンスカーの千代田線への直通運転を開始[15]。急行・準急の箱根登山鉄道鉄道線への乗り入れを廃止[注釈 3]。
- 2010年(平成22年)3月13日:小田原線を介した小田急電鉄とJR東日本との通過連絡運輸が、普通乗車券においては廃止[注釈 4]。
- 2011年(平成23年)
- 3月14日:同月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による発電所の停止に伴う電力供給逼迫のため、東京電力が輪番停電(計画停電)を実施。これに伴い、この日から千代田線との相互直通運転および特急ロマンスカーの運転が休止。
- 4月1日:千代田線との相互直通運転が平日の朝・夕ラッシュ時のみ再開。
- 4月29日:特急ロマンスカーの運転が再開。
- 7月2日:土休日の千代田線との相互直通運転が再開。
- 9月12日:平日全日の千代田線との相互直通運転が再開[16]。
- 2012年(平成24年)3月17日:特急「あさぎり」の御殿場線への直通運転区間が御殿場までに短縮、車両が60000形「MSE」に置き換えられてJR東海の車両の乗り入れがなくなり、小田急からの片方向直通運転に戻る[17]。
- 2016年(平成28年)3月26日:東京メトロ千代田線直通用4000形のJR東日本常磐緩行線への乗り入れ開始。常磐緩行線E233系2000番台の小田急への乗り入れ開始(209系1000番台は小田急には乗り入れない)。区間準急を廃止[18]。
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年)3月16日:ダイヤ改正で、新宿 - 代々木上原間での各駅停車の10両編成運転を開始[22]。また、開成駅に急行が停車開始[22]。
- 2021年(令和3年)8月6日:成城学園前 - 祖師ヶ谷大蔵間を走行中の列車内で刺傷事件が発生。
- 2023年(令和5年)2月24日:伊勢原 - 鶴巻温泉間に新駅の建設と大野総合車両所の移転の計画を検討していることが判明する。実現すれば2004年(平成16年)の多摩線はるひ野駅以来の小田急電鉄の新駅となる[23]。
運行形態[編集]
2024年3月16日ダイヤ改正時点の日中の各区間の1時間あたりの運行本数は下表のとおりである。かつては小田急箱根(旧:箱根登山鉄道)鉄道線箱根湯本駅まで直通運転をする列車も多くみられたが、2024年3月改正時点で直通運転を行う列車は特急のほか、平日朝に箱根湯本発の各駅停車新松田行きが1本設定されているのみである。
種別\駅名 | 新宿 | … | 代々木上原 | … | 向ヶ丘遊園 | … | 新百合ヶ丘 | … | 町田 | … | 相模大野 | … | 本厚木 | … | 伊勢原 | … | 秦野 | … | 新松田 | … | 小田原 | … | 箱根湯本 | 備考 | |||||
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運行本数 | |||||||||||||||||||||||||||||
特急 | 平日2本 土休日2-3本 | 一部、東京メトロ千代田線直通 | |||||||||||||||||||||||||||
土休日0-1本 | |||||||||||||||||||||||||||||
0-1本 | 渋沢 - 新松田間で分岐する連絡線経由でJR御殿場駅直通 | ||||||||||||||||||||||||||||
快速急行 | 3本 | 3本 | 新松田駅 - 小田原駅間は急行として運転 | ||||||||||||||||||||||||||
3本 | 江ノ島線藤沢駅まで直通 | ||||||||||||||||||||||||||||
急行 | 3本 | 東京メトロ千代田線直通 | |||||||||||||||||||||||||||
1-3本 | 3本 | 3本 | 新松田駅 - 小田原駅間は各駅停車として6両編成で運転 | ||||||||||||||||||||||||||
3本 | 多摩線唐木田駅まで直通 一部列車を除き多摩線内各駅停車として運転 | ||||||||||||||||||||||||||||
土休日0-3本(上りのみ) | 上りのみ(土休日の町田発9時台 - 11時台のみ運転) | ||||||||||||||||||||||||||||
各駅停車 | 6本 | ||||||||||||||||||||||||||||
0-2本 | |||||||||||||||||||||||||||||
0-2本 | |||||||||||||||||||||||||||||
0-2本 | 江ノ島線藤沢駅まで直通(主に土休日に運転) | ||||||||||||||||||||||||||||
3本 |
下りの東北沢 - 登戸間、上りの向ヶ丘遊園 - 東北沢間の急行線・緩行線は原則として以下の通り使い分けられている。
- 急行線
- 特急ロマンスカー・快速急行・通勤急行・急行が使用する。成城学園前駅 - 経堂駅間のみ通勤準急も使用するほか、平日朝ラッシュ時間帯の向ヶ丘遊園駅始発の千代田線直通の各駅停車と向ヶ丘遊園駅始発の準急は原則として向ヶ丘遊園駅 - 登戸駅間に限り急行線を使用する。
- 緩行線
- 準急・各駅停車が使用する。通勤準急も上記以外の区間で使用する。
- ただし、千代田線直通の上り急行は、経堂駅以東で緩行線を使用する。
- また、多摩線からの急行新宿行きは向ヶ丘遊園駅 - 登戸駅間で緩行線を使用する。
列車種別[編集]
基本種別色が設定されているが、車両や駅により、異なる色を使っている場合もある。
特急ロマンスカー[編集]
有料・全席指定の特急列車で、「ロマンスカー」の愛称があり、新宿駅から次の各方面に運転されている。単に「特急」と表現されることもあるが「特急ロマンスカー」が正式な種別名である。
- 小田原・箱根方面:「スーパーはこね」・「はこね」(小田急箱根鉄道線箱根湯本駅発着)・「さがみ」(小田原線内発着)
- 湘南(藤沢・江の島)方面:江ノ島線直通の「えのしま」
- 御殿場方面:「ふじさん」(東海旅客鉄道〈JR東海〉御殿場線直通)
なお、新宿駅発17時以降の下り列車は行先にかかわらず(江ノ島線直通を含め)すべて「ホームウェイ」となる[注釈 5]。また、9時30分までに新宿駅および東京メトロ千代田線大手町駅に到着する上り列車はすべて「モーニングウェイ」となる。
また、毎年12月31日の深夜から翌年1月1日の早朝にかけて、終夜運転として臨時列車の「ニューイヤーエクスプレス」(略称:NYE、旧名称:初詣号)が新宿駅 - 片瀬江ノ島駅間などで運行される。
2008年3月15日より、東京メトロ千代田線北千住駅・大手町駅に直通する列車を60000形「MSE」で運転している。列車の愛称は頭に「メトロ」が付く。また、2011年9月までは一部の土曜・休日に臨時で東京地下鉄有楽町線新木場駅にも直通する「ベイリゾート」も運転されていた。「小田急ロマンスカー#地下鉄直通」も参照。
停車駅は列車によって異なるので、それぞれの列車の項目を参照。
快速急行[編集]
2004年12月11日のダイヤ改正で定期列車として初めて登場した速達種別である。種別色はオレンジ色。全列車全区間を10両編成で運転する。
現行ダイヤにおいて、日中は新宿駅 - 小田原駅間の列車と新宿駅 - 江ノ島線藤沢駅間の列車がそれぞれ1時間に3本運転されており、新宿駅 - 相模大野駅間では両者を合わせて1時間に6本となる。多摩線発着の列車も設定されており、下り方面は平日ダイヤのみで朝に3本と夜に1本[24]、上り方面は土休日ダイヤのみで朝に2本[25]が運転される。新宿駅 - 小田原駅間は新宿発また小田原発のすべての列車が新松田駅 - 小田原駅で急行に種別変更して運転する。なお平日朝上りに、江ノ島線内を急行で運転し、相模大野駅から快速急行に種別変更する列車が、片瀬江ノ島駅・藤沢駅・大和駅発として設定されている。
小田急電鉄によると、快速急行は、速達列車利用旅客を長距離と近距離に分離することによる長距離旅客の速達性向上と近郊区間における急行の混雑緩和を目的に設定したとしている[26]。
代々木上原駅 - 登戸駅間の複々線区間を活用し、この区間を含む下北沢駅 - 登戸駅間をノンストップで運行することが最大の特徴となっている。日中帯について、小田原駅発着列車は、下りは代々木上原駅で東京メトロ千代田線からの急行向ヶ丘遊園駅行きに、上りは新百合ヶ丘駅で多摩線唐木田駅発の急行新宿駅行きに接続する。江ノ島線藤沢発着の列車は、相模大野駅で町田駅・相模大野駅 - 小田原駅間(新松田駅 - 小田原駅間各停)で運行する急行に接続し、登戸駅で向ヶ丘遊園駅発の東京メトロ千代田線方面に直通する急行に接続する。これらによって、快速急行の停車しない急行停車駅などへの利便性が確保されている。
快速急行の登場当時からしばらくの間、日中に乗り換えなしで新宿駅から藤沢駅へ行ける列車は湘南新宿ライン・快速急行ともに1時間に2本運行されており、それぞれ所要時間(昼間)はJRが48 - 50分(当時の現金運賃で970円)、小田急の快速急行が53 - 54分(当時の現金運賃で590円)と伯仲していた。2016年3月26日のダイヤ改正で、小田急側は快速急行の本数が1時間に3本に増加し、利便性は向上した一方で、所要時間はJRが49 - 51分、小田急の快速急行が56 - 58分と、少々延びている。
後述の急行と同様、本厚木駅 - 新松田駅(早朝の下り1本を除き、新松田駅の隣駅にあたる開成駅まで)間では各駅に停車し、日中時間帯に同区間での設定がない各駅停車の役割を果たしている。
2016年3月26日のダイヤ改正より、小田原線内で下りは伊勢原駅(日中3本に2本程度)、上りは海老名駅(一部相模大野駅・秦野駅)で特急ロマンスカーの待ち合わせや通過待ちを行うようになったが、登場時は江ノ島線系統も併せて原則下り1本(夜の小田原駅行き)を除き特急ロマンスカーの待ち合わせや通過待ちをしなかった。2019年3月16日以降、土曜・休日ダイヤの片瀬江ノ島行きについては、2本が大和駅で特急「メトロえのしま」号に追い抜かれる。2022年3月12日以降は平日ダイヤは全列車、土休日も午前中を除いて特急ロマンスカーの待ち合わせや通過待ちはなくなった。なお土休日午前中のダイヤでは、江ノ島線系統の藤沢行き快速急行が大和駅で、小田原線系統の新宿行き快速急行が海老名駅(一部列車は相模大野駅)で特急ロマンスカーの通過待ちを行う[27]。
列車番号は、小田原線内の列車には3000番台、江ノ島線直通列車には3500番台、多摩線直通列車には3700番台がそれぞれ割り当てられている[28]。
2018年3月17日のダイヤ改正より、以下のように運行形態が変化した[20][21]。
- 登戸駅が停車駅に追加。
- 平日の朝夕ラッシュ時間帯に増発。
- 多摩線への乗り入れを開始。
- 平日のみ、新松田駅行きと江ノ島線片瀬江ノ島駅行きが廃止。
- 日中時間帯の新松田行きが小田原行きに変更。
- 土休日における日中時間帯の江ノ島線直通列車が、藤沢駅発着から片瀬江ノ島駅発着に変更。
- 平日の片瀬江ノ島駅発と、平日夜下りに2本設定されていた相模大野駅行きが廃止。
- 平日夜下りに本厚木駅行きが1本設定。
- 平日朝上りにおいて江ノ島線を急行として運転し、相模大野駅で快速急行に種別変更する列車を設定。
2019年3月16日のダイヤ改正より、新松田駅 - 小田原駅間を急行として運転し、同改正で再び急行停車駅となった開成駅に停車する列車が設定された[22]。また、夜の本厚木行きが廃止された。
2021年3月のダイヤ改正より、海老名駅5時7分発の快速急行小田原行きが毎日運転として設定された。この列車は新松田駅で同駅5時41発の各駅停車小田原行きに乗り換えられる[注釈 6]。
2022年3月12日のダイヤ変更より、江ノ島線の藤沢駅での運用分割により藤沢駅 - 片瀬江ノ島駅間の運転がなくなった。また、前述の海老名始発の列車を除き、新松田駅 - 小田原駅間は全ての列車が急行として運転するようになる。
停車駅の変遷[編集]
- 2004年12月11日(快速急行の運行開始時):新宿駅・代々木上原駅・下北沢駅・新百合ヶ丘駅・町田駅・相模大野駅・海老名駅・本厚木駅 - 新松田駅間の各駅・小田原駅。
- 2018年3月17日:登戸駅が停車駅に追加される[20][21]。江ノ島線の片瀬江ノ島駅は土休日ダイヤのみ停車となる(平日は藤沢駅止まり)。
- 2022年3月12日:藤沢駅で運用分割をすることから藤沢駅 - 片瀬江ノ島駅間での運転がなくなり、片瀬江ノ島駅の停車がなくなる。
通勤急行(2代)[編集]
2018年3月17日のダイヤ改正で設定された種別(運転開始は3月19日)[20][21]。平日朝ラッシュ時間帯に多摩線発新宿行きのみ運転される。唐木田駅 - 新宿駅間の途中停車駅は小田急多摩センター駅・小田急永山駅・栗平駅・新百合ヶ丘駅・向ヶ丘遊園駅・成城学園前駅・下北沢駅・代々木上原駅。快速急行の停車しない向ヶ丘遊園駅・成城学園前駅に停車するが、登戸駅は通過するという千鳥停車の形をとる。6本が小田急多摩センター駅始発、3本が唐木田駅始発となる。
設定当初は8両編成での運転が1本のみ存在したが、2019年3月16日のダイヤ改正より、全列車が10両編成で運転されている[22]。
列車番号は3800番台が割り当てられている[28]。
急行[編集]
1927年10月15日の小田原線全線複線化により登場した。1944年11月には太平洋戦争の戦況悪化に伴い運行が中止されたが、1949年10月1日に運行が再開され、現在に至っている。種別色は赤色。
現行ダイヤでは小田急内系統とJR東日本常磐線・東京メトロ千代田線直通系統の2つが存在する。それぞれの概要を2つに分けて記す。
- 小田急内列車
- 日中は新宿駅 - 多摩線唐木田駅間の列車と町田駅・相模大野駅 - 小田原駅間の列車がそれぞれ1時間に3本運転されており、前者は新百合ヶ丘駅 - 唐木田駅間、後者は新松田駅 - 小田原駅間で各駅停車に種別変更する。平日朝ラッシュ時の上りの相模大野駅 - 新宿駅間は通勤急行および快速急行に置き換えられたため、数本を除き設定がない。区間運転として毎日朝に新宿駅発新松田駅行き、海老名駅発小田原駅行き、平日朝に新宿駅発本厚木駅行き、登戸駅発多摩線唐木田駅行き、町田駅発江ノ島線藤沢駅行き、深夜に新宿駅発相模大野駅行き、土休日に新宿駅発相模大野駅行き、小田原駅発本厚木駅・本厚木駅発小田原駅行き、町田駅発新宿駅行きがそれぞれ設定されている。基本的に10両編成で運転されるが、新松田駅で種別変更をする列車は6両編成で運転される。また、平日朝に新松田駅 - 相模大野駅間で8両編成で運転される列車が1往復運行されていたが[20][21][29]、2022年3月12日のダイヤ改正により前日限りで当該列車の運行が廃止された。
- 2022年3月12日のダイヤ改正からは、海老名発の1本を除いた全ての快速急行が、新松田駅 - 小田原駅間で急行に種別変更されるようになった。
- 常磐線・東京メトロ千代田線直通列車
- 平日朝・夕ラッシュ時を除く全時間帯で運転される。2022年3月12日以降の常磐線・千代田線の発着駅は我孫子駅・柏駅(到着のみ)・松戸駅(到着のみ)・北綾瀬駅・綾瀬駅が、小田急の発着駅は向ヶ丘遊園駅・町田駅(土休日のみに発車のみ)・相模大野駅(到着のみ)・海老名駅(発車のみ)・本厚木駅・伊勢原駅(到着のみ)が設定されている[30]。本厚木駅始発の千代田線方面行きの列車の一部は、新百合ヶ丘駅で快速急行の待ち合わせをする。2022年3月12日のダイヤ改正以前は朝夕のみの運転であったが、ダイヤ改正後は今まであった準急を置き換える形で向ヶ丘遊園駅 - 我孫子駅間の列車が一部を除いて20分おきで運転されている。
2004年12月13日から2022年3月11日まで、平日の一部時間帯で経堂駅を通過していた(一部通過扱い)。2018年3月16日までは、常磐線・千代田線直通の列車は平日朝上り列車のみ通過とされていた。2022年3月12日のダイヤ変更から平日・土休日ともに全ての急行が終日経堂駅に停車するようになった。
日中は経堂駅[31](千代田線からの向ヶ丘遊園行きを除く)・成城学園前駅[32](千代田線からの向ヶ丘遊園行きのみ)・海老名駅[33]で各駅停車に接続する。特急ロマンスカーの通過待ち・待ち合わせについては、多摩線直通の急行唐木田行きは向ヶ丘遊園駅で、町田・相模大野駅始発の急行小田原行きは伊勢原駅もしくは秦野駅で、小田原駅始発の急行相模大野・町田行きは伊勢原駅もしくは本厚木駅で、多摩線からの急行新宿行きは登戸駅で行う。
途中駅で種別を急行から各駅停車に(または各駅停車から急行に)変更する列車は俗に「化け急」と呼ばれ[34]、上りは途中駅まで各駅停車で、下りは途中駅から各駅停車で運転される。2022年3月12日のダイヤ改正以降、種別変更を行う駅は定期ダイヤでは新百合ヶ丘駅と新松田駅の2つのみである。新百合ヶ丘駅から種別変更する列車は新宿駅 - 多摩線唐木田駅間の列車を中心として、早朝と深夜帯に限り相模大野駅・海老名駅発着と本厚木駅行きが設定されている。新松田駅から種別変更する列車は町田駅・相模大野駅 - 小田原駅間にそれぞれ設定されている。従来は相模大野駅で種別を変更する列車もあったが、2022年3月12月のダイヤ改正以降は定期ダイヤでは設定されていない(ただし、あつぎ鮎まつり花火大会が行われる日のみ、急行相模大野行きを延長する形で設定されている)。2018年3月16日までは種別変更を行う駅は相模大野駅のみで、新宿駅から相模大野駅までは「急行相模大野行」、相模大野駅から全車両「各停○○行」と種別と行先の両方を変更していた。かつては江ノ島線にも設定されていたが現在は定期ダイヤでは設定されていない(マイアミビーチショー“夏”花火が行われる日のみ設定されているが列車番号管理の都合上、旧来の案内方法である、片瀬江ノ島駅から藤沢駅までは「臨時各駅停車藤沢行」、藤沢駅から全車両「臨時急行町田行」と案内する)。
列車番号は、小田原線内の列車には1000番台(新宿駅発着の急行は1200番台)、江ノ島線直通列車には1500番台(新宿駅発着の急行は1700番台)、千代田線直通列車には2200番台、多摩線直通列車には2700番台がそれぞれ割り当てられているが、2018年3月16日までは6両編成の「赤丸急行」(後述)にも2000番台が割り当てられていた[28]。
2018年3月16日まで、6両編成で運行される急行については、開成駅 - 足柄駅間の各駅に停車していた。該当する列車は駅に掲示されている時刻表や新松田駅・小田原駅の発車標で「赤い丸」が付けられ区別されていた[要出典]。2008年3月15日のダイヤ改正以降、6両編成の急行はほぼ日中の町田駅・相模大野駅 - 小田原駅間を運転する列車に限定され、2012年3月17日のダイヤ改正よりすべて町田駅以西での運転となった。この改正で新宿駅発着の急行に関しては、すべて開成駅 - 足柄駅間の各駅が通過となった。さらに2016年3月26日のダイヤ改正で、日中の町田駅・相模大野駅 - 小田原駅間運転の急行が全廃され、「赤丸急行」の本数は平日下り3本、平日上り6本、土休日下り1本、土休日上り3本と大幅に本数削減された。そして2018年3月17日のダイヤ改正で、開成駅 - 足柄駅間の各駅に停車する6両編成の急行はいったん全廃された[注釈 7]。2022年3月12日のダイヤ変更で、日中に新松田駅 - 小田原駅間で各駅停車に種別変更する町田駅・相模大野駅発着列車が設定され、開成駅 - 足柄駅間の各駅に停車していた急行と同様の運行形態となった[35]。
なお、開成駅についてはホームの10両編成対応工事が完了したことから、2019年3月16日のダイヤ改正より急行の全列車停車駅となっている[22]。
途中駅での分割・併合[編集]
かつて、ラッシュ時を中心に相模大野駅・海老名駅・新松田駅・小田原駅で分割・併合を行い、分割・併合駅 - 小田原駅・箱根湯本駅間を6両編成で運転して�