小郷裕哉

小郷 裕哉
東北楽天ゴールデンイーグルス #51
2019年4月11日 ロッテ浦和球場
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 岡山県倉敷市
生年月日 (1996-08-03) 1996年8月3日(28歳)
身長
体重
178 cm
85 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手
プロ入り 2018年 ドラフト7位
初出場 2019年5月19日
年俸 6600万円(2025年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

小郷 裕哉(おごう ゆうや、1996年8月3日 - )は、岡山県倉敷市出身のプロ野球選手外野手)。右投左打。東北楽天ゴールデンイーグルス所属。

経歴

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プロ入り前

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倉敷市立庄小学校で野球を始め、倉敷市立庄中学校ではファイターズ岡山に所属した[2]

関西高校入学後、1年夏からレギュラーを掴み、1年秋には二塁手に定着、秋季中国大会優勝に貢献した。第85回記念選抜高等学校野球大会では初戦の和田恋擁する高知高校に敗れた[3]。3年になると4番としてチームを引っ張り、夏の岡山大会決勝では頓宮裕真擁する岡山理大附高校を破り[4]第96回全国高等学校野球選手権大会出場を決めた。初戦の富山商業高校森田駿哉の前に小郷は2三振、チームも1-3と敗れた[5]。甲子園通算2試合、打率.125(8打数1安打)。高校通算28本塁打[6]。プロ志望届を提出したが、指名漏れした[7]。野球部には1学年先輩に児山祐斗、1学年後輩に海野隆司がいる。

立正大学進学後、3年春に1番・右翼手でレギュラーに定着。東都大学2部リーグ優勝、専修大学との入れ替え戦にも勝ち越し、15季ぶりの1部昇格に貢献した。初の1部リーグでのプレーとなった3年秋にはリーグ2位となる打率.347を記録し、ベストナインに輝いた。4年秋には伊藤裕季也とクリーンアップを組み、打率.293、2本5打点6盗塁の成績を残し、2度目のベストナインに輝き、18季ぶりの1部リーグ優勝に貢献。第49回明治神宮野球大会では決勝の環太平洋大学戦の2点ビハインドの8回に小郷の適時打で1点差とし、伊藤の2点本塁打で逆転。そのまま全国制覇を果たした[8]。1部リーグ通算35試合、打率.308(133打数41安打)5本15打点16盗塁。

2018年10月25日に行われたドラフト会議では、東北楽天ゴールデンイーグルスから7位指名を受け[2]、契約金2700万円、年俸700万円(金額は推定)という条件で入団[9]。背番号は51

楽天時代

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2019年、5月19日に一軍に登録されその日の対千葉ロッテマリーンズ戦で代走として初出場、6月7日の対中日ドラゴンズ戦でプロ入り初安打を記録した。9月3日の対福岡ソフトバンクホークス戦の8回表にプロ入り初本塁打を記録。この直前に同じく新人の辰己涼介も本塁打を放っていたので新人による二者連続本塁打となった。新人による二者連続本塁打は1989年の大豊泰昭山口幸司が記録して以来ドラフト制度導入後2度目である。また、チームではこのシーズンで同じく新人の辰己、太田光渡邊佳明が既にプロ入り初本塁打を放っており、小郷で4人目となった。新人が4人以上本塁打を打った事例は1971年の西鉄ライオンズ以来48年ぶり、ドラフト制度導入後2度目である[10]。最終的に22試合に出場し、打率.172、1本塁打、4打点を記録したが、盗塁は0に終わった[11]。オフに、30万円増となる推定年俸730万円で契約を更改した[11]

2020年はプロ入り後初の開幕一軍入りを果たした。その後一軍登録を抹消されることもあったが、シーズン後半に打撃の状態を上げて出場機会を大幅に増やした。最終的には58試合に出場し、打率.295、4本塁打、12打点、8盗塁を記録[12]。オフに、220万円増となる推定年俸950万円で契約を更改した[12]

2021年は2年連続で開幕一軍入りを果たし、8番・指名打者として自身初の開幕スタメンを勝ち取った。しかし打撃の状態が上がらないまま5月17日に一軍登録を抹消されて、10月2日に再び一軍登録されたが最終的に38試合に出場で打率.182、2本塁打、6打点の記録にとどまった[13]。オフに、50万円減となる推定年俸900万円で契約を更改した[14]

2022年は3年連続で開幕一軍入りを果たしたが、3月28日に登録抹消。8月26日に再び一軍登録されて9月2日の対日本ハム戦(楽天生命パーク)では伊藤大海から先制のソロ本塁打を放つも9月7日に登録抹消され、自己最少の10試合の出場で打率.167、1本塁打、2打点の成績に終わった。オフには50万円減の推定年俸850万円で契約を更改した[15]

2023年は4年連続で開幕一軍入りを果たし6月頃からは「3番・右翼手」に定着、一度も登録を抹消されることなくプロ入り後初の一軍完走を果たした。規定打席には2打席だけ届かなかったものの、OPSは.700を超え、また10本塁打・13盗塁を記録した。特に2桁本塁打と2桁盗塁を同時に記録した選手は、このシーズンでは両リーグを含めて外崎修汰と小郷の2人のみ(セ・リーグには該当者なし)であった[16]。最終的には120試合の出場で打率.262、10本塁打、49打点、13盗塁という成績を残した。オフには2250万円増の3100万円で契約を更改した[17]

2024年は5月10日の対埼玉西武ライオンズ戦(ベルーナドーム)で自身初、及び球団タイ記録となる1試合5安打を放った[18]セ・パ交流戦では6月5日の対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)で1点を追う9回二死二塁の打席で岩崎優から逆転2点本塁打[19]、同月8日の対中日戦(バンテリンドーム ナゴヤ)では2回一死満塁の打席でウンベルト・メヒアからプロ野球通算2500本目の満塁本塁打となる自身初の満塁本塁打[20]、同月11日の対読売ジャイアンツ戦(楽天モバイルパーク)では1点を追う9回二死満塁の打席でアルベルト・バルドナードから自身初のサヨナラ打となる逆転サヨナラ2点適時二塁打を放つ[21]など、2本塁打、13打点を記録し、球団の交流戦初優勝に貢献した[22]。7月12日に6月度の「月間スカパーサヨナラ賞」に選出された[23]。最終的に盗塁は周東佑京に次ぐリーグ2位、自己最多の32を記録、打点は49で前年と同じながら、打率.257、7本塁打[注 1]、OPS.694などの数値は前年より落ちたものの、球団として初めて、かつ同シーズン12球団唯一の全試合フルイニング出場を達成した[27]

選手としての特徴

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  • 50メートル5.8秒の俊足と、パンチ力も持つ走攻守三拍子揃った外野手[6]

人物

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  • 愛称は「おごちゃん[28]
  • 2歳年下の実弟・賢人は裕哉と同じ関西高校に進学し、東海大学に入学した。2018年夏に行われた日米大学野球選手権大会の日本代表選考合宿では紅白戦で兄弟対決が実現した[29]。2020年秋にはプロ志望届を提出するがドラフト会議で指名漏れとなった[30]。大学卒業後は社会人野球のJFE東日本でプレーを継続していたが、2023年限りで勇退した[31][32]
  • 2021年12月26日、一般女性との結婚が発表された[13]
  • 楽天入団後は自身の打席で流れる「応援歌が欲しい」と夢見ており、応援団に作成をリクエスト[33]。程なくしてかつて枡田慎太郎に使用されていた『栄光掴むために』の歌い出しで始まる曲を継承することとなった(2023年6月19日より)[33]。夢を叶えた小郷は「めっちゃうれしいです。打席に入るときにモチベーションが上がります。枡田さんの応援歌ということは知っていました。使わせていただくからにはしっかり活躍して、いつかファンのみなさんに“小郷の応援歌”と言ってもらえるよう頑張ります」と語っている[33]。なお、2024年からは枡田の流用曲に変わり、新たに小郷オリジナルの曲が使用されるようになった[34][35]。この曲の歌詞にも『栄光を掴む』というフレーズが使われている[34]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2019 楽天 22 34 29 7 5 2 0 1 10 4 0 0 1 0 4 0 0 11 0 .172 .273 .345 .618
2020 58 129 105 23 31 3 0 4 46 12 8 2 3 1 19 0 1 34 0 .295 .405 .438 .843
2021 38 88 77 6 14 3 1 2 25 6 1 1 3 0 6 0 2 23 0 .182 .259 .325 .583
2022 10 23 18 2 3 1 0 1 7 2 0 0 3 0 2 0 0 4 0 .167 .250 .389 .639
2023 120 441 390 53 102 16 3 10 154 49 13 8 8 6 36 0 1 85 3 .262 .321 .395 .716
2024 143 642 565 64 145 24 6 7 202 49 32 5 1 5 68 3 3 120 6 .257 .337 .358 .694
通算:6年 391 1357 1184 155 300 49 10 25 444 122 54 16 19 12 135 3 7 277 9 .253 .330 .375 .705
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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外野












2019 楽天 15 13 0 1 0 .929
2020 50 62 3 2 1 .970
2021 18 28 1 0 0 1.000
2022 9 13 1 0 0 1.000
2023 115 214 7 5 2 .978
2024 143 316 6 3 1 .991
通算 350 646 18 11 4 .984
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

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記録

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初記録

背番号

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  • 51(2019年 - )

登場曲

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脚注

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注釈

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  1. ^ うち3本が初回先頭打者本塁打で、いずれも対日本ハム戦(楽天モバイルパーク)から。4月25日は鈴木健矢から[24]、5月24日と9月16日は金村尚真から2本の初回先頭打者本塁打を放っている[25][26]

出典

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  1. ^ 楽天 - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2024年12月17日閲覧
  2. ^ a b 【楽天】ドラ7立正大・小郷、同じ大卒外野手のドラ1辰己に「衝撃を受けた」」『スポーツ報知』2018年11月2日。2021年9月15日閲覧
  3. ^ 高知 対 関西」『日刊スポーツ』2013年3月25日。2021年9月15日閲覧
  4. ^ 関西 9-4 岡山理大付」『バーチャル高校野球』2014年7月27日。2021年9月15日閲覧
  5. ^ 富山商 3-1 関西」『スポーツブル』2014年8月17日。2021年9月15日閲覧
  6. ^ a b 小郷裕哉 プロフィール」『週刊ベースボール』。2021年9月15日閲覧
  7. ^ 立正大の小郷裕哉、指名漏れからの4年間」『4years.』2018年10月26日。2022年1月2日閲覧
  8. ^ 立正大・小郷、4番・伊藤裕の逆転弾呼び込む「信頼関係があった」/神宮大会」『サンケイスポーツ』2018年11月14日。2019年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月15日閲覧
  9. ^ 楽天D7位・小郷、快足で1軍入り目指す」『サンケイスポーツ』2018年11月18日。2021年9月15日閲覧
  10. ^ 楽天辰己&小郷 新人連発は89年以来2度目」『日刊スポーツ』2019年9月4日。2021年9月15日閲覧
  11. ^ a b 楽天小郷30万円増、俊足生かせず盗塁0に悔しさ」『日刊スポーツ』2019年11月19日。2021年9月15日閲覧
  12. ^ a b 楽天・小郷、220万円増の年俸950万円で更改「もっと稼ぎたい欲がでた」」『サンケイスポーツ』2020年12月2日。2021年9月15日閲覧
  13. ^ a b 楽天小郷裕哉が一般女性と結婚を発表「芯の強い心で成長させてくれる存在」」『日刊スポーツ』2021年12月26日。2022年1月2日閲覧
  14. ^ 楽天小郷裕哉50万円ダウンでサイン「体と心の状態が整っていなかった」」『日刊スポーツ』2021年11月20日。2022年1月2日閲覧
  15. ^ 【楽天】小郷裕哉は50万減「この1年の悔しさを来年再来年に」自身最少10試合にとどまる」『日刊スポーツ』2022年11月12日。2024年4月29日閲覧
  16. ^ 本塁打も盗塁も二桁の「10-10」は外崎修汰と小郷裕哉の2人。昨年は8人、外崎は2年連続5度目(宇根夏樹) - エキスパート」『Yahoo!ニュース』2023年11月11日。2024年4月28日閲覧
  17. ^ 鎌田良美「【楽天】小郷裕哉が2250万円増「トリプル2ケタ」掲げた「ファン増やす活動も力を入れたい」」『日刊スポーツ』2023年11月26日。2024年4月28日閲覧
  18. ^ 楽天・小郷 球団最多タイ「生涯初」5安打 今季最多18安打13得点呼んだ」『スポーツニッポン』2024年5月11日。2024年10月21日閲覧
  19. ^ 【楽天】「あと1人」から虎党静まり返らせた“阪神ファン”小郷裕哉「力に変えて」逆転2ラン」『日刊スポーツ』2024年6月5日。2024年10月21日閲覧
  20. ^ 【楽天】小郷裕哉プロ初満塁弾「96年世代がみんなつないでくれた」5日阪神戦でも9回逆転2ラン」『日刊スポーツ』2024年6月8日。2024年10月21日閲覧
  21. ^ 楽天が交流戦堅首!初VへGOGO 小郷がプロ初の逆転サヨナラ打 9回あと1人から巨人も撃破」『スポーツニッポン』2024年6月12日。2024年10月21日閲覧
  22. ^ なぜ? 交流戦優勝球団の楽天から表彰選手ゼロの〝怪〟」『サンスポ』2024年6月19日。2024年6月19日閲覧
  23. ^ a b 【楽天】小郷裕哉、6月度「スカパー!サヨナラ賞」を受賞「すごく光栄」9回2死から逆転打」『日刊スポーツ』2024年7月12日。2024年10月21日閲覧
  24. ^ 楽天・小郷裕哉 12球団今季初の初回初球弾!「頑張ります。謙虚に」サブマリン鈴木撃ち今季1号」『スポーツニッポン』2024年4月25日。2024年10月21日閲覧
  25. ^ 【楽天】小郷裕哉の初回先頭打者アーチで20イニングぶり得点」『スポーツ報知』2024年5月24日。2024年10月21日閲覧
  26. ^ 【楽天】小郷裕哉、今季3本目の先頭打者本塁打「勝つことができるように」2カ月ぶり7号ソロ」『日刊スポーツ』2024年9月16日。2024年10月21日閲覧
  27. ^ 【楽天】小郷裕哉が12球団唯一の全試合フルイニング出場達成」『スポーツ報知』 報知新聞社、2024年10月10日。2024年10月10日閲覧
  28. ^ 51 小郷 裕哉 選手名鑑2023」『東北楽天ゴールデンイーグルス』。2023年7月15日閲覧
  29. ^ 侍紅白戦で兄弟対決!弟賢人、兄に155キロも四球」『日刊スポーツ』2018年6月22日。2021年9月15日閲覧
  30. ^ 田沢純一のほかにも…早大・今西拓弥、東海大・小郷賢人、セガサミー森井絃斗ら【主な指名漏れ選手】」『中スポ』2020年10月26日。2020年11月15日閲覧
  31. ^ 東海大の155キロ右腕・小郷 JFE東日本入りへ今秋ドラフト指名漏れの元上位候補」『スポニチ』2020年11月17日。2020年11月17日閲覧
  32. ^ 最速155キロ、かつてのドラフト候補右腕が引退 JFE東日本・小郷、兄は楽天外野手 マネジャーに転身」『スポニチ』2023年12月20日。2023年12月20日閲覧
  33. ^ a b c ファンから愛された名曲を自分のものに…“枡田の応援歌”受け継ぐ楽天・小郷が誓う「活躍」」『スポニチ Sponichi Annex』2023年6月24日。2023年7月15日閲覧
  34. ^ a b 2024 応援歌動画 51 小郷裕哉選手, YouTube, https://www.youtube.com/watch?v=lDW4Rk3z7PY 2024年3月15日閲覧。 東北楽天ゴールデンイーグルス 公式YouTubeチャンネル
  35. ^ 選手応援歌・応援テーマ・球団歌」『東北楽天ゴールデンイーグルス』。2024年3月15日閲覧
  36. ^ 2024年6月度「スカパー!サヨナラ賞」受賞選手 | 2024年 表彰選手」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年7月16日閲覧

関連項目

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外部リンク

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