第55回ベルリン国際映画祭
第55回ベルリン国際映画祭は2005年2月10日から20日まで開催された。
概要
[編集]コンペティション部門には長編映画22本、短編映画8本が出品され、オペラの『カルメン』を映画化した南アフリカ映画『U-Carmen eKhayelitsha』が金熊賞を受賞した。
日本映画
[編集]コンペティション部門に山田洋次監督の『隠し剣 鬼の爪』が出品されたが、受賞はならなかった。加えて、ロシア映画ではあるが、昭和天皇を扱ったアレクサンドル・ソクーロフの『太陽』もコンペ部門で上映された。
また、ベルリン・スペシャルでは山本寛斎の『アボルダージュ』と木下惠介の『二十四の瞳』、パノラマ部門では大林宣彦の『理由』、フォーラム部門で内田吐夢の『恋や恋なすな恋』と中川陽介の『真昼ノ星空』、風間志織の『せかいのおわり』、羽田澄子の『山中常盤 牛若丸と常盤御前 母と子の物語』、青少年映画部門に岩井俊二の『花とアリス』と瀬木直貴の『千年火』、レトロスペクティブで市川崑の『雪之丞変化』がそれぞれ上映された。また、Berlinale Talent Campusでは浅野忠信が監督したオムニバス映画『トーリ』が上映された。
受賞
[編集]- 金熊賞:『U-Carmen eKhayelitsha』(マーク・ドーンフォード=メイ)
- 銀熊賞
- 審査員グランプリ:『孔雀 我が家の風景』(クー・チャンウェイ)
- 監督賞:マルク・ローテムント (『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』)
- 男優賞:ルー・テイラー・プッチ (『サムサッカー』)
- 女優賞:ユリア・イェンチ (『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』)
- 音楽賞:アレクサンドル・デプラ (『真夜中のピアニスト』)
- 芸術貢献賞:『西瓜』 (ツァイ・ミンリャン)
上映作品
[編集]コンペティション部門
[編集]長編映画のみ記載。アルファベット順。邦題がついていない場合は原題の下に英題。
題名 原題 | 監督 | 製作国 |
---|---|---|
Anklaget (Accused) | ヤコブ・トゥーセン | デンマーク |
アサイラム/閉鎖病棟 Asylum | デヴィッド・マッケンジー | イギリス アイルランド |
真夜中のピアニスト De battre mon coeur s'est arrêté | ジャック・オーディアール | フランス |
幻影 Gespenster | クリスティアン・ペツォルト | ドイツ フランス |
イン・グッド・カンパニー In Good Company | ポール・ワイツ | アメリカ合衆国 |
隠し剣 鬼の爪 | 山田洋次 | 日本 |
孔雀 我が家の風景 孔雀 | クー・チャンウェイ | 中国 |
シャン・デ・マルスの散策者 Le promeneur du Champ de Mars | ロベール・ゲディギャン | フランス |
ワーズ・イン・ブルー Les mots bleus | アラン・コルノー | フランス |
移り行く時 Les temps qui changent | アンドレ・テシネ | フランス |
一対一 Man To Man | レジス・ヴァルニエ | フランス イギリス 南アフリカ共和国 |
ワン・デイ・イン・ヨーロッパ One Day in Europe | ハンネス・シュテーア | ドイツ スペイン |
パラダイス・ナウ Paradise Now | ハニ・アブ・アサド | パレスチナ フランス ドイツ 他 |
Provincia meccanica | ステファノ・モルディーニ | イタリア |
太陽 Solntse | アレクサンドル・ソクーロフ | ロシア イタリア フランス スイス |
ルワンダ 流血の4月 Sometimes in April | ラウル・ペック | フランス アメリカ合衆国 |
白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 Sophie Scholl - Die letzten Tage | マルク・ローテムント | ドイツ |
フェイトレス ~運命ではなく~ Sorstalanság | ラホス・コルタイ | ハンガリー ドイツ イギリス |
ライフ・アクアティック The Life Aquatic with Steve Zissou | ウェス・アンダーソン | アメリカ合衆国 |
サムサッカー Thumbsucker | マイク・ミルズ | アメリカ合衆国 |
西瓜 天邊一朵雲 | ツァイ・ミンリャン | 台湾 フランス |
U-Carmen eKhayelitsha | マーク・ドーンフォード=メイ | 南アフリカ共和国 |
コンペティション外
[編集]- 『愛についてのキンゼイ・レポート』 – ビル・コンドン (アメリカ)
- 『明日へのチケット』 – エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチ (イタリア・イギリス)
- 『最後の恋のはじめ方』 – アンディ・テナント (アメリカ)
- 『ホテル・ルワンダ』 – テリー・ジョージ (イギリス・アメリカ・イタリア)
審査員
[編集]- ローランド・エメリッヒ (ドイツ/監督)
- ワウター・バレンドレヒト (オランダ/プロデューサー)
- バイ・リン (中国/女優)
- フランカ・ポテンテ (ドイツ/女優)
- インゲボルガ・ダクネイト (リトアニア/女優)
- アンドレイ・クルコフ (ウクライナ/作家)
- ニーノ・セルッティ (イタリア/デザイナー)
外部リンク
[編集]- 公式サイト (ドイツ語・英語)