黒島 (長崎県五島市)
地理 | |
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場所 | 東シナ海(五島灘) |
座標 | 北緯32度36分1秒 東経128度50分5秒 / 北緯32.60028度 東経128.83472度座標: 北緯32度36分1秒 東経128度50分5秒 / 北緯32.60028度 東経128.83472度 |
諸島 | 五島列島 |
面積 | 1.12 km2 (0.43 sq mi)[1][2] |
海岸線 | 5.0 km (3.11 mi)[1][2] |
最高標高 | 99 m (325 ft)[1] |
行政 | |
都道府県 | 長崎県 |
市町村 | 五島市 |
字 | 富江町黒島 |
人口統計 | |
人口 | 0(2022年時点)[3] |
追加情報 | |
時間帯 |
黒島(くろしま)は、長崎県五島市富江町に属する無人島である[3]。2022年(令和4年)までは有人島であったが、同年に最後の島民が死去し無人島となった[3]。五島市域で有人島が無人島化するのは、1973年(昭和48年)に集団離島があった葛島以来、49年振りであった[注釈 1][3]。
概要
[編集]五島列島福江島南端の富江港の東約7.2kmの海上に浮かぶ島[1]。島の周囲は対馬海流の影響を受けた好漁場であり、黒島近海でイセエビなどが水揚げされている[4]。
1507年(永正4年)に発生した玉之浦納の反乱で、反乱を起こされた宇久氏第16代当主の宇久囲(五島囲)は、最終的にこの黒島で死去している[5]。
1960年(昭和35年)には人口190人を抱える島であり[6]、漁業で栄えていた[7]。その後の人口は漸減していき、1965年(昭和40年)に109名、1975年(昭和50年)に89名と記録されている[8]。平成に入るとこの人口減が更に加速し、1995年(平成7年)には26名、2013年(平成25年)に3名となり、2014年(平成26年)に1世帯2名となった[9]。
また、2017年(平成29年)時点で電気は通っていたが、上水道・ガスは整備されておらず、水については雨水を濾過して使用する生活であった[10]。
人口が多かった時代に使用されていた家屋が集落に残されており、その棟数は約40程度ある[7]。それなりの人口を抱えていたこともあり、島内には1883年(明治16年)から小学校が設置されていたが、人口減のため1979年(昭和54年)には休校となり、1998年(平成10年)4月に閉校された[5]。
島内には別雷命を祀る鴨神社があり[1]、富江神楽奉納が行われていたが1987年(昭和62年)を最後に行われなくなった[11]。
2022年(令和4年)7月、唯一の島民が死去したため、無人島になった[3]。
2019年(平成31年)に発表された、村田喜代子の小説『飛族』の舞台である架空の島「養生島」のモデルとされる[5]。
交通
[編集]定期船はなく、交通手段は福江島から海上タクシーを利用する[12]。
かつては、1947年(昭和22年)から旧富江町の町営船が福江島・富江港と黒島港の間の定期航路として就航していた[12][13]。富江町が五島市に合併された後の2016年10月、市は航路維持のため週1日1便とし他は予約制の「デマンド運航」に変更している[12]。
しかし、2015年(平成27年)の国勢調査時点で人口が2名となっていた黒島航路の収支改善のめどは立たず、国の補助航路としての認定が難しくなり、五島市単独の運航も困難となったことから市営定期航路は2021年9月30日をもって廃止された[12]。市営航路運営時は、約15分の行程であったという[1]。
注釈
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f 公益財団法人日本離島センター 編『新版SHIMADAS』公益財団法人日本離島センター、2019年、1178頁。ISBN 978-4-931230-38-5。
- ^ a b 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、54頁。ISBN 978-4-309-29035-5。
- ^ a b c d e “唯一の島民が亡くなり無人に 五島・黒島 元島民「墓は気になるが、もう行くことはない」”. 長崎新聞 (2022年12月29日). 2022年12月29日閲覧。
- ^ 公益財団法人日本離島センター 編『新版SHIMADAS』公益財団法人日本離島センター、2019年、1178-9頁。ISBN 978-4-931230-38-5。
- ^ a b c 公益財団法人日本離島センター 編『新版SHIMADAS』公益財団法人日本離島センター、2019年、1179頁。ISBN 978-4-931230-38-5。
- ^ 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、231頁。ISBN 978-4-309-29035-5。
- ^ a b 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、227-8頁。ISBN 978-4-309-29035-5。
- ^ 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、231-2頁。ISBN 978-4-309-29035-5。
- ^ 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、232頁。ISBN 978-4-309-29035-5。
- ^ 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、230頁。ISBN 978-4-309-29035-5。
- ^ 五島神楽調査報告書 p.16-17(文化庁)
- ^ a b c d 五島・富江-黒島の定期航路が廃止 黒島唯一の島民、最後の便に乗船(長崎新聞 2021年10月1日)
- ^ 日本の島へ行こう - 黒島
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 黒島/長崎(五島市)の情報|ritokei(離島経済新聞)
- 【長崎県富江町、玉之浦町(現五島市)】畑作と漁業にたくましく生きる老人 - YouTube 1970年代の黒島の様子(全国過疎地域連盟)