1973年アメリカグランプリ

アメリカ合衆国の旗 1973年アメリカグランプリ
レース詳細
日程 1973年シーズン第15戦
決勝開催日 10月7日
開催地 ワトキンズ・グレン
アメリカ合衆国、ニューヨーク州ワトキンズ・グレン
コース長 5.435km
レース距離 59周 (320.670km)
決勝日天候 晴れ
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:39.657
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ジェームス・ハント
タイム 1:41.652 (Lap 58[1])
決勝順位
優勝
2位
3位

1973年アメリカグランプリ（XVI United States Grand Prix ）は、1973年のF1世界選手権第15戦として、1973年10月7日にワトキンズ・グレン・サーキットで開催された。

概要

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イタリアGPで3度目のワールドチャンピオンを獲得したジャッキー・スチュワートは、自身の通算100戦目[2]となるこのレースで1973年シーズン限りの引退を決めていた。翌1974年のティレルのエースドライバーはスチュワートのナンバー2をつとめてきたフランソワ・セベールが昇格、チームメイトとしてマクラーレンのジョディー・シェクターが決まっていた。そのセベールはドライバーズランキングで3位に付けており、このレースの結果次第では2位となる可能性があった。

コンストラクターズランキングはロータスがティレルを1点差で上回っており、シーズン最終戦で決定という流れになった。

フリーランスの立場になっていたジャッキー・イクスがイソ・マールボロからスポット参戦。ビザの関係で土曜日からの参加となった[3]。

ロニー・ピーターソンが前年スチュワートが記録したタイムを0.8秒短縮する[4][5]1分39秒657を叩き出してポールポジションを獲得した。このタイムはコンピューターが算出したF1が記録可能なタイムである1分40秒（100秒）を切るものであった[4][5]。

セベールの事故死

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→「フランソワ・セベール § 事故死」も参照

セベール用の006は前戦カナダGPでの事故で破損していたため、オイルクーラーの位置が変更された新車の006/3に乗車していた。予選2日目の10月6日、午前のセッション終了間際の時点でセベールは予選4位に相当する[6]1分40秒444のタイムを記録し、さらなるタイム短縮のため再度コースインした。第1コーナーの先にある登り坂の高速S字コーナー、エセスに差し掛かった時、セベールの006は突然コントロールを失ってコース右側のガードレールに衝突。その衝撃で006はコース反対側に跳ね飛ばされ、逆さまになってガードレールの真上に落ちた。直後を走っていたシェクターは即座に現場に駆け寄ったが、セベールはガードレールによって鼠径部から顎にかけて切り裂かれ即死していた。

事故を受け、この日の夜ティレルはスチュワートとクリス・エイモンの決勝レースからの撤退を決定した[4]。

予選結果

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順位 No ドライバー コンストラクター タイム 差
1 2 スウェーデンの旗 ロニー・ピーターソン ロータス・フォード 1:39.657 —
2 10 アルゼンチンの旗 カルロス・ロイテマン ブラバム・フォード 1:40.013 +0.356
3 1 ブラジルの旗 エマーソン・フィッティパルディ ロータス・フォード 1:40.393 +0.636
4 27 イギリスの旗 ジェームス・ハント マーチ・フォード 1:40.520 +0.863
5 5 イギリスの旗 ジャッキー・スチュワート ティレル・フォード 1:40.635 +0.978
6 23 イギリスの旗 マイク・ヘイルウッド サーティース・フォード 1:40.844 +1.187
7 8 アメリカ合衆国の旗 ピーター・レブソン マクラーレン・フォード 1:40.895 +1.238
8 7 ニュージーランドの旗 デニス・ハルム マクラーレン・フォード 1:40.907 +1.250
9 24 ブラジルの旗 カルロス・パーチェ サーティース・フォード 1:41.125 +1.468
10 0 南アフリカの旗 ジョディー・シェクター マクラーレン・フォード 1:41.321 +1.664
11 4 イタリアの旗 アルトゥーロ・メルツァリオ フェラーリ 1:41.455 +1.798
12 29 ニュージーランドの旗 クリス・エイモン ティレル・フォード 1:41.679 +2.022
13 31 イギリスの旗 ブライアン・レッドマン シャドウ・フォード 1:42.247 +2.590
14 20 フランスの旗 ジャン＝ピエール・ベルトワーズ BRM 1:42.417 +2.760
15 19 スイスの旗 クレイ・レガツォーニ BRM 1:42.468 +2.811
16 30 ドイツの旗 ヨッヘン・マス サーティース・フォード 1:42.517 +2.860
17 18 フランスの旗 ジャン＝ピエール・ジャリエ マーチ・フォード 1:42.752 +3.095
18 12 イギリスの旗 グラハム・ヒル シャドウ・フォード 1:42.848 +3.191
19 25 ニュージーランドの旗 ハウデン・ガンレイ イソ・マールボロ・フォード 1:43.166 +3.509
20 16 アメリカ合衆国の旗 ジョージ・フォルマー シャドウ・フォード 1:43.387 +3.730
21 21 オーストリアの旗 ニキ・ラウダ BRM 1:43.543 +3.886
22 17 イギリスの旗 ジャッキー・オリバー シャドウ・フォード 1:43.650 +3.993
23 26 ベルギーの旗 ジャッキー・イクス イソ・マールボロ・フォード 1:43.885 +4.228
24 9 イギリスの旗 ジョン・ワトソン ブラバム・フォード 1:43.887 +4.230
25 11 ブラジルの旗 ウィルソン・フィッティパルディ ブラバム・フォード 1:44.478 +4.821
26 15 イギリスの旗 マイク・ボイトラー マーチ・フォード 1:45.032 +5.375
27 28 リヒテンシュタインの旗 リッキー・フォン・オペル エンサイン・フォード 1:45.441 +5.784
- 6 フランスの旗 フランソワ・セベール ティレル・フォード 1:40.444 +0.787
出典:[1]

決勝

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スタート直後ピーターソンがクラッチの操作をミスしながらも首位を走行、2位にロイテマン、予選4位のジェームス・ハントがエマーソン・フィッティパルディを抜いて3位に。この後4周目にハントが2位に浮上。以降は首位を独走するピーターソンとそれを追走するハントという展開となった。

ハントはマシンのアンダーステアに悩まされながらも終始ピーターソンを追走するが、最終的に0.668秒[7]という僅差でピーターソンが逃げ切り、ハントは2位に終わった。これによりロータスのコンストラクターズ・チャンピオンが決定、ピーターソンはセベールを抜いてドライバーズランキング3位となった[8]。スポット参戦のイクスは1周遅れの7位で完走した。

決勝結果

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順位 No ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 2 スウェーデンの旗 ロニー・ピーターソン ロータス・フォード 59 1:41:15.779 1 9
2 27 イギリスの旗 ジェームス・ハント マーチ・フォード 59 + 0.668 4 6
3 10 アルゼンチンの旗 カルロス・ロイテマン ブラバム・フォード 59 + 22.930 2 4
4 7 ニュージーランドの旗 デニス・ハルム マクラーレン・フォード 59 + 50.226 8 3
5 8 アメリカ合衆国の旗 ピーター・レブソン マクラーレン・フォード 59 + 1:20.367 7 2
6 1 ブラジルの旗 エマーソン・フィッティパルディ ロータス・フォード 59 + 1:47.945 3 1
7 26 ベルギーの旗 ジャッキー・イクス イソ・マールボロ・フォード 58 + 1 Lap 23  
8 19 スイスの旗 クレイ・レガツォーニ BRM 58 + 1 Lap 15  
9 20 フランスの旗 ジャン＝ピエール・ベルトワーズ BRM 58 + 1 Lap 14  
10 15 イギリスの旗 マイク・ボイトラー マーチ・フォード 58 + 1 Lap 26  
11 18 フランスの旗 ジャン＝ピエール・ジャリエ マーチ・フォード 57 アクシデント 17  
12 25 ニュージーランドの旗 ハウデン・ガンレイ イソ・マールボロ・フォード 57 + 2 Laps 19  
13 12 イギリスの旗 グラハム・ヒル シャドウ・フォード 57 + 2 Laps 18  
14 16 アメリカ合衆国の旗 ジョージ・フォルマー シャドウ・フォード 57 + 2 laps 20  
15 17 イギリスの旗 ジャッキー・オリバー シャドウ・フォード 55 + 4 laps 22  
16 4 イタリアの旗 アルトゥーロ・メルツァリオ フェラーリ 55 + 4 Laps 11  
NC 11 ブラジルの旗 ウィルソン・フィッティパルディ ブラバム・フォード 52 周回数不足 25  
Ret 0 南アフリカの旗 ジョディー・シェクター マクラーレン・フォード 39 サスペンション 10  
Ret 30 ドイツの旗 ヨッヘン・マス サーティース・フォード 35 エンジン 16  
Ret 21 オーストリアの旗 ニキ・ラウダ BRM 35 燃料ポンプ 21  
Ret 23 イギリスの旗 マイク・ヘイルウッド サーティース・フォード 34 サスペンション 6  
Ret 24 ブラジルの旗 カルロス・パーチェ サーティース・フォード 32 サスペンション 9  
Ret 9 イギリスの旗 ジョン・ワトソン ブラバム・フォード 7 エンジン 24  
DSQ 31 イギリスの旗 ブライアン・レッドマン シャドウ・フォード 5 Received outside assistance 13  
Ret 28 リヒテンシュタインの旗 リッキー・フォン・オペル エンサイン・フォード 0 スロットル 27  
WD 5 イギリスの旗 ジャッキー・スチュワート ティレル・フォード 0 撤退 5  
WD 29 ニュージーランドの旗 クリス・エイモン ティレル・フォード 0 撤退 12  
DNS 6 フランスの旗 フランソワ・セベール ティレル・フォード   予選中の事故死    

第15戦終了後のランキング

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  • 注：ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。チャンピオンシップには前半8戦中ベスト7戦、後半7戦中ベスト6戦がカウントされる。ポイントはチャンピオンシップにカウントされるポイント、括弧内は総獲得ポイント。

脚注

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[脚注の使い方]
  1. ^ a b 『F1全史 1971 - 1975』 ニューズ出版、1993年、125頁。
  2. ^ 『世界の有名な50レース』、153頁。
  3. ^ カーグラフィック、194頁。
  4. ^ a b c オートスポーツ、45頁。
  5. ^ a b カーグラフィック、193頁。
  6. ^ 『世界の有名な50レース』、154頁。
  7. ^ “1973 United States GP Classification”. ChicaneF1.com. 2015年11月2日閲覧。
  8. ^ カーグラフィック、197頁。

出典

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  • 『オートスポーツ』 三栄書房、1973. 12/1号、44 - 47頁。
  • 『カーグラフィック』 二玄社、1973年12月号、193 - 197頁。
  • アラン・ヘンリー著、高斎正訳 『世界の有名な50レース』 グランプリ出版、1991年、ISBN 4-87687-109-4

外部リンク

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前戦
1973年カナダグランプリ 		FIA F1世界選手権
1973年シーズン
前回開催
1972年アメリカグランプリ 		アメリカ合衆国の旗 アメリカグランプリ 次回開催
1974年アメリカグランプリ
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
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