木村次郎右衛門

きむら じろうえもん

木村 次郎右衛門
生誕 三宅 金治郎(みやけ きんじろう)
(1897-04-19) 1897年4月19日
日本の旗 日本 京都府
死没 (2013-06-12) 2013年6月12日(116歳没)
日本の旗 日本 京都府京丹後市
死因 老衰
住居 日本の旗 日本 京都府京丹後市
国籍 日本の旗 日本
職業 郵便局員
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木村 次郎右衛門(きむら じろうえもん、1897年明治30年〉4月19日[1] - 2013年平成25年〉6月12日[1])は、日本スーパーセンテナリアン。生年月日と死亡年月日が確かな男性のうち、史上最も長生きしたとされる日本人男性。また、1800年代及び19世紀生まれの男性としては世界最後であった。

2012年12月17日より死去するまで存命人物のうち男女を含めた世界最高齢者であった。また、同年12月28日にはクリスチャン・モーテンセンの115歳252日の記録を抜いて、死去した人物も含めて歴代最高齢記録の男性となった。死去した時点での年齢は116歳54日(42422日)で、男性では歴代最高齢記録となっている。

人物・来歴

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1897年4月19日[注釈 1]、三宅家の6人兄弟姉妹の3番目に生まれ、金治郎と命名される。木村家に跡取りとして婿入りし、9代目・次郎右衛門を名乗るようになった。京都郵便局通信生養成所を卒業後、20歳から65歳までの45年間、郵便局にて勤め、1920年代には日本統治時代の朝鮮において政府の通信部門に勤めた経験も持つ[3]。歌手三嶋一聲の妹、木村八重と結婚。8人の子を育てた。長男は近衛兵であったことが誇りだった。1962年に退職したが、それ以降も90歳になるまで畑仕事を続けていた[4]。生前、何歳まで生きたいかという質問に対し、「目標は120歳」と答えたという[4]

晩年は孫の妻との2人暮らしで[3]、毎日午前5時半に起床し、午後8時に就寝する生活を送っており、食生活も朝はヨーグルトサツマイモ梅干しを食し、夜は牛乳を飲むことを習慣としていたという。好き嫌いはなく、食べる量も自分で決めていた。特にジャガイモが好物であったという[5]。足腰が弱っているため外出は通院に限られた。新聞天眼鏡を使いながら1時間から2時間、長いときには3時間かけて読む[5][6]テレビ番組国会中継大相撲を欠かさず視聴するという[5][7]。また、長寿の秘訣として「食べ物に好き嫌いはない。食細くして命永かれ」「苦にするな嵐のあとに日和あり」などの言葉をモットーにしている[4][8]

2009年9月には読売新聞のインタビューに応じ、その中で存命人物のうち日本最高齢の男性になったことについて「責任の重さみたいなのを痛感している。1日でも長く元気でありたい。」と語った[5]。また、テレビ国会中継を見る理由については「時代についていけないようではいけない。」と語った[6]

2012年9月17日敬老の日京丹後市長の中山泰が自宅を訪れ、地元の小学生が作成した贈り物を届けた。これに「サンキュー」と答えた[9]

2013年4月19日、京丹後市長の中山が自宅を訪れ、安倍晋三首相(当時)のお祝いのメッセージを吹き込んだDVDなどを手渡した[3]。そのほか国内外から156通もの手紙やメールが手渡され、祝福の言葉に「はい」と応じた[10]。その後肺炎にかかり、5月11日より入院。入院から1か月後の6月12日に老衰のため死去した[11](詳細は死と葬儀の節を参照)。死去時点で7人の子(5人が存命)、さらに孫が14人、ひ孫25人、玄孫が15人いた[3]

長寿記録

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死と葬儀

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2013年6月12日午前2時8分、京丹後市内の病院で老衰のため死去。葬儀・告別式は6月14日に行われ[18]、親族ら130人が出席した。京丹後市長の中山泰が「日本と世界に元気を与えてくれました。市の輝く宝であり続けます」と弔辞を述べた後、安倍晋三首相(当時)の弔電も読み上げられた。

脚注

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注釈

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  1. ^ 実際には3月19日生まれだが、戦後、1955年に自治体合併に伴う個人データ統合の際に担当者が誤って誕生月を1か月遅く記入してしまい、以後公式な誕生日は4月19日になったとされている[2]。誕生日が3月19日として認定されていた場合、生存日数は116歳85日となり、ディーナ・マンフレディーニは世界最高齢にはなれなかったことになる。クリスチャン・モーテンセンの記録も2012年11月27日に抜いていたことになる。
  2. ^ 男性が存命人物中で日本の最高齢者となったのは、2003年(平成15年)に死去した中願寺雄吉以来のことである。

出典

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  1. ^ a b “世界最高齢116歳 木村次郎右衛門さん死去”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2013年6月12日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1200U_S3A610C1CC0000/ 2013年6月12日閲覧。 
  2. ^ “京都の木村さん男性長寿世界一に-長生きの秘訣は「前向き」”. bloomberg.co.jp (ブルームバーグ). (2012年12月28日). オリジナルの2013年4月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130422214348/https://www.bloomberg.co.jp/news/123-MF7TOT6TTDSI01.html 2012年12月28日閲覧。 
  3. ^ a b c d e “長寿世界一 116歳の木村次郎右衛門氏死去”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2013年6月12日). オリジナルの2016年6月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130616061643/http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/06/12/kiji/K20130612005995560.html 
  4. ^ a b c “長寿世界一の秘密は「腹六分目」と「自己流体操」…116歳・木村次郎右衛門さんが語り残した「食細くして命永かれ」(1/3ページ)”. MSN産経ニュース. (2013年6月29日). オリジナルの2013年7月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130703161357/http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130629/wlf13062918000021-n1.htm 2022年8月2日閲覧。 
  5. ^ a b c d “男性長寿日本一は113歳の木村次郎右衛門さん 秘訣は「何でも食べる」”. MSN産経ニュース. (2010年9月14日). オリジナルの2010年9月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100915045312/http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100914/trd1009141049000-n1.htm 2022年8月2日閲覧。 
  6. ^ a b “112歳「時代についていかないと」…京丹後・木村さん”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2009年9月11日). オリジナルの2009年9月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090918022634/http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090911-OYO1T00788.htm 2009年9月11日閲覧。 
  7. ^ “京都の112歳男性が国内最高齢 宮崎の田鍋さん死去で”. 京都新聞 (京都新聞社). (2009年6月19日). オリジナルの2009年6月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090626032031/http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009061900211&genre=O1&area=K00 2009年6月19日閲覧。 
  8. ^ “新・男性最高齢112歳木村さん 新聞を朝1〜2時間”. asahi.com (朝日新聞社). (2009年6月20日). オリジナルの2009年6月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090623062847/http://www.asahi.com/national/update/0620/TKY200906200143.html 2009年6月20日閲覧。 
  9. ^ “男性長寿世界一、115歳木村さん祝福”. デイリースポーツ. (2012年9月18日). https://www.daily.co.jp/gossip/2012/09/18/0005387213.shtml 2012年9月23日閲覧。 
  10. ^ “木村次郎右衛門さん116歳に 最高齢、言葉もはっきり”. 朝日新聞. オリジナルの2013年4月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130422071553/http://www.asahi.com/national/update/0419/OSK201304190032.html 2014年8月6日閲覧。 
  11. ^ “世界最高齢116歳、木村次郎右衛門さん死去”. 読売新聞. (2013年6月12日). オリジナルの2013年6月17日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20130617193850/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130612-OYT1T00199.htm 2013年6月12日閲覧。 
  12. ^ Oldest Validated Living Supercentenarians”. ジェロントロジー・リサーチ・グループ. 2016年11月17日閲覧。
  13. ^ “世界最高齢男性が死去、113歳日本人が男性最長寿に”. ロイター (ロイター). (2011年4月17日). https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-20658020110416 2013年1月1日閲覧。 
  14. ^ “長寿日本一 基山町の長谷川チヨノさん死去”. 佐賀新聞. (2011年12月2日). オリジナルの2011年12月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111204085730/http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2095479.article.html 2013年1月1日閲覧。 
  15. ^ World's oldest person Dina Manfredini dies in Iowa at 115” (英語). news.com.au (2012年12月18日). 2012年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月12日閲覧。
  16. ^ “長寿世界一の木村次郎右衛門さん死去 116歳「サンキュー・ベリー・マッチ」”. MSN産経ニュース. (2013年6月12日). オリジナルの2013年6月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130612140904/http://sankei.jp.msn.com/life/news/130612/trd13061208310003-n1.htm 2022年6月9日閲覧。 
  17. ^ “Oldest-ever person dies aged 116”. The Times of India. (2013年6月13日). オリジナルの2013年6月17日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20130617193823/http://articles.timesofindia.indiatimes.com/2013-06-13/science/39950523_1_jiroemon-kimura-oldest-man-christian-mortensen 2013年6月13日閲覧。 
  18. ^ “いつまでも「輝く宝」で 木村次郎右衛門さん告別式 : 京都新聞”. (2013年6月14日). オリジナルの2013年6月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130626194835/http://kyoto-np.co.jp/politics/article/20130614000084 

関連項目

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記録
先代
ディーナ・マンフレディーニ
存命人物のうち世界最高齢
2012年12月17日 - 2013年6月12日
次代
大川ミサヲ
先代
ウォルター・ブルーニング
存命男性のうち世界最高齢
2011年4月14日 - 2013年6月12日
次代
サルスティアーノ・サンチェス
先代
長谷川チヨノ
日本の旗 存命人物のうち日本最高齢
2011年12月2日 - 2013年6月12日
次代
大川ミサヲ
先代
田鍋友時
日本の旗 存命男性のうち日本最高齢
2009年6月19日 - 2013年6月12日
次代
五十嵐丈吉
先代
中願寺雄吉
日本の旗 歴代の男性日本最高齢
2011年10月25日 -
次代
(記録保持者)
先代
クリスチャン・モーテンセン
歴代の男性世界最高齢
2012年12月28日 -
次代
(記録保持者)