蘇州日本人学校スクールバス襲撃事件
蘇州日本人学校スクールバス襲撃事件(そしゅうにほんじんがっこうスクールバスしゅうげきじけん)は、2024年6月24日に中華人民共和国江蘇省蘇州市虎丘区で発生した襲撃事件[1]。
事件の概要
[編集]2024年6月24日16時頃、蘇州日本人学校から帰ってくる児童をバス停で待っていた日本人の母(以下、母A)と一緒にいた子供(以下、児童B)が、52歳の男性(以下、男性C)に切り付けられた[2][3]。男性Cは下校中の日本人児童らが乗るスクールバスに乗り込もうとし、それに気付いた乗務員の胡友平が男性Cをつかみ後ろから抱きかかえて制止しようとし、複数回刺された[2][3]。母A・児童B・胡は病院に搬送された[2]。
6月25日、在上海日本国総領事館総領事赤松秀一は胡が搬送された病院を訪れて見舞った[2]。
12月27日、中国外務省報道官毛寧は記者会見において、男性Cを11月29日に起訴したことを発表した[4]。
犯行動機
[編集]中国側の報道によれば、明確な動機は明らかにされていないものの、日本人を狙った犯行ではなく、偶発的なものだったとしている[5]。
安田峰俊は、2021年頃から中国で流行しているインターネット・ミーム「献忠学」の影響を指摘している[6]。
裁判
[編集]2025年1月9日、蘇州市中級人民法院において男性Cの初公判が行われ、在上海日本国総領事の岡田勝が傍聴した。公判の内容については明かされていない[7]。
1月23日、男性Cに対して故意殺人罪による死刑判決が言い渡された。動機は「借金苦により生きているのが嫌になった」というものであり、日本人を狙った犯行かどうかは言及がなかった[8]。
脚注
[編集]- ^ “苏州警方通报2名日本公民遇袭事件,嫌疑人已被刑拘 南方Plus”. 2024年11月27日閲覧。
- ^ a b c d e 「中国蘇州 日本人学校バス襲撃 重体の中国人女性が死亡」『NHK』2024年6月28日。オリジナルの2024年6月28日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c 「子どもを守った中国人女性・胡友平さん亡くなる 蘇州の日本人母子切りつけ 日本大使館は半旗を掲揚」『東京新聞』2024年6月28日。オリジナルの2024年6月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ “中国・深圳の邦人男児刺殺事件で中国人の男を起訴 蘇州の母子切り付け事件でも男を起訴”. 産経新聞. (2024年12月27日) 2024年12月31日閲覧。
- ^ 「バス襲撃で重体の中国人女性が死亡 日本人母子かばう、大使館が半旗」『朝日新聞デジタル』2024年6月28日。オリジナルの2024年6月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ 安田峰俊 (2024年9月26日). “《深圳・日本人学校10歳男児死亡事件》中国政府発表を肯定する父親の「感動の手紙」仰天背景”. 文春オンライン 2024年10月6日閲覧。
- ^ “蘇州邦人母子襲撃で初公判=日本総領事が傍聴―中国”. 時事通信ニュース. (2025年1月9日) 2025年1月10日閲覧。
- ^ “蘇州の日本人学校バス襲撃、被告の男に死刑判決 動機は「借金苦」”. 朝日新聞. (2025年1月23日) 2025年1月23日閲覧。