ティーターン

ティーターン古希: Τιτάν古代ギリシア語ラテン翻字: Tītān)は、ギリシア神話ローマ神話に登場する神々である。ウーラノス(天)の王権を簒奪したクロノスを始め、オリュンポスの神々に先行する古の神々である。巨大な体を持つとされる。

日本ではしばしばティタンティターン、あるいは英語による発音にもとづいてタイタンと表記される。

概説

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狭義には、ウーラノスガイアの間に生まれた12柱の神々の兄弟姉妹を指す。クロノスはその末弟。これにディオーネーを加える場合もある。

  • オーケアノス…海(大洋)の神
  • コイオス…女神レートー・アステリアーの父
  • クレイオス…星の神アストライオス・ペルセース・パラースの父
  • ヒュペリーオーン…テイアーの夫、太陽神ヘリオス・月女神セレーネー・曙の女神エーオースの父
  • イーアペトス…巨神アトラース・メノイティオス・プロメーテウス・エピメーテウスの父
  • クロノス…農耕の神、ティターン神族の長、ヘスティアー・デーメーテール・ヘーラー・ハーデース・ポセイドン・ゼウスの父であり先代の神々の王
  • テイアー…輝きの女神、クレイオスの妻、太陽神ヘリオス・月女神セレーネー・曙の女神エーオースの母
  • レアー…大地の女神、クロノスの妻、ヘスティア・デーメーテール・ヘーラー・ハーデース・ポセイドン・ゼウスの母
  • テミス…法と掟の女神、ゼウスの2人目の妻、ホーラー三女神・モイライ三女神の母
  • ムネーモシュネー…記憶の女神、ムーサ9柱の母
  • ポイベー…光明の女神、女神レートー・星の女神アステリアーの母
  • テーテュース…オーケアノスの妻
雷霆に撃たれたティーターン

広義には、ヘーリオスセレーネープロメーテウスなど狭義のティーターンの子孫(特にゼウスに与しない神々)も、ティーターンと呼ばれる事がある。

ゼウスが父クロノスに戦いを挑んだ時、ティーターンたちの多くもクロノス側につき、10年にわたる大戦争となった。この戦争をティーターノマキアーという。

ちなみにティーターンはバルカン半島においてゼウス信仰が確立する以前の、古い時代の自然神と思われる(ゼウスはインド・ヨーロッパ語族共通の天空神に由来する)。地底に封じ込められており、彼らが時々暴れると地震がおきると信じられていた。

ティーターンに由来する命名の例

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関連項目

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