筥崎宮
筥崎宮 | |
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境内 | |
所在地 | 福岡県福岡市東区箱崎一丁目22-1 |
位置 | 北緯33度36分52.9秒 東経130度25分23.3秒 / 北緯33.614694度 東経130.423139度座標: 北緯33度36分52.9秒 東経130度25分23.3秒 / 北緯33.614694度 東経130.423139度 |
主祭神 | |
社格等 | |
創建 | 延喜21年(921年) |
本殿の様式 | 流造 |
例祭 | 9月15日(放生会) |
主な神事 |
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地図 |
筥崎宮(はこざきぐう)は福岡県福岡市東区箱崎に在る神社。式内社(名神大社)、筑前国一宮[注釈 1]。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。
筥崎八幡宮(はこざきはちまんぐう)とも呼ばれる。大分県宇佐市の宇佐神宮、京都府八幡市の石清水八幡宮とあわせて三大八幡宮と呼ばれる[注釈 2]。
社名
[編集]「はこ」の字は円筒状の容器を意味する「筥」が正字であり「箱」ではない。ただし筥崎宮の所在地・駅名など地名「はこざき」は筥崎宮の「筥崎」では筥崎八幡神に対して畏れ多いとして「箱崎」と表記する。[要出典]
祭神
[編集]歴史
[編集]創建に関しては複数の説がある[5][6] が、公式サイトでは延喜21年に建立された説が紹介されている[5]。延喜21年(921年)6月21日に八幡神の託宣があり、応神天皇・神功皇后・玉依姫命を祭神として筑前国穂波郡の大分宮を玄界灘に面した土地に移したのに始まる[5]。延長元年(923年)に現在地に遷座[5]。『延喜式神名帳』には「八幡大菩薩筥崎宮一座」と記載され、名神大社に列している。
元寇の際に亀山上皇が敵国降伏を祈願し、神門に「敵國降伏」の扁額が掲げられた[5]。以来、海上交通・海外防護の神として信仰されている。
近代社格制度のもと明治4年(1871年)に県社に列格した。明治18年(1885年)に官幣中社に、大正3年(1914年)に官幣大社に昇格した[5]。
境内
[編集]境内の主要な建築物等の施設は次のとおりである。
また、博多湾に面する一之鳥居から本殿まで約850メートルの長大な参道が続く。参道の手前の箱崎浜一帯は、以前は白砂青松とうたわれた美しい海岸線を誇っていたが、博多港修築により1936年には護岸整備され、現在では北側に箱崎ふ頭、南側に東浜(東浜ふ頭)と博多港の倉庫などの施設が並び姿を一変させている。参道の先の海岸は清めの
- 大鳥居(2018年4月撤去)と石灯籠
- 鳥居とお潮井浜
- 筥崎宮の二之鳥居
- 神苑花庭園
- 高燈籠
- 浜宮(はまみや)
主な祭事
[編集]- 1月3日:玉せせり(玉取祭)[13]
- 締め込み姿の男たちが(幸運を授けると言われる)木製の宝珠を奪い合いながら本殿に納める。
- 1月11日:承天寺一山報賽式[14]
- 春分に近い戊の日:春の社日祭(お汐井とり)[15]
- 清めの真砂を箱崎浜で貰い受ける。家や田畑にまいて家内安全や豊作を祈願する。
- 6月末:池島殿大祭[16]
- 7月1日、9日:お汐井とり
- 博多祇園山笠の舁き手が身の清めのための真砂を箱崎浜で取る。
- 7月7日:七夕祭[17]
- 7月末:夏越祭[18]
- 9月12日 - 18日:
放生会 ()[19] - 秋分に近い戊の日:秋の社日祭(お汐井とり)[20]
- 12月31日:御胞衣祭(大祓式・なまこ餅つき)[21]
文化財
[編集]重要文化財(国指定)
[編集]- 本殿 - 室町時代後期(1545年)の建立。九間社流造、檜皮葺。明治40年(1907)05月27日指定。
- 拝殿 - 室町時代後期(1545年)頃の建立。桁行四間、梁間一間、一重、切妻造、檜皮葺。明治40年(1907)05月27日指定。
- 楼門 - 安土桃山時代(1573年-1614年)の建立。三間一戸楼門、入母屋造、檜皮葺。明治35年(1902)04月17日指定。
- 一の鳥居 - 安土桃山時代(1609年)の建立。石造明神鳥居。柱に慶長第十四太歳舎己酉季秋中旬の刻銘がある。昭和30年(1955)06月22日指定。
- 楼門正面
- 石造一ノ鳥居
- 楼門の扁額
- 筥松
福岡県指定文化財
[編集]- 筥崎宮の禁断碑
- 筥崎宮秋祭遷幸之図
- 亀山上皇御尊像(木彫像) - 銅像は東公園に建立。
福岡市指定文化財
[編集]- 御油座文書写
- 建徳銘梵字板碑
- 筥崎宮出土瓦経
- 南懐仁の大砲
- 筥崎宮神幸行事
- 南懐仁の大砲
筥崎宮の勅額切手
[編集]前述のように元寇の際に亀山上皇が「敵國降伏」を祈願し、その時の勅額が楼門に掛けられている。大東亜戦争(第二次世界大戦)末期の1945年(昭和20年)、逓信院(現・日本郵便)は戦意発揚と戦勝祈願のため、この勅額をデザインした普通切手を発行した。物資不足に伴い、印刷は黒一色で、目打が省略されたものも製造された。しかし、全国の郵便局に行き届く前に終戦を迎え、1947年(昭和22年)、「意匠が軍国主義、神道等の象徴に関係ある郵便切手及び郵便葉書使用禁止に関する省令」(昭和22年逓信省令第24号[22]。別名追放切手に関する省令)によって郵便に使うことが禁止となった。なおこの切手は2021年(令和3年)現在でも、東京都千代田区の東京中央郵便局で現行の切手や葉書と交換することが出来る。
登場作品
[編集]- 謡曲『唐船』
- 謡曲『箱崎』
交通手段
[編集]所在地
[編集]交通機関等
[編集]- 鉄道
- バス
- 車
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 博多区住吉の住吉神社とともに。
- ^ 俗に三大八幡とは「大分の宇佐神宮、京都の石清水八幡宮」に当社または鶴岡八幡宮のいずれかを合わせた三社を指す。幕末から明治期の資料では、1868年(慶応4年)4月24日付け太政官達に示す八幡宮の例示3社[1][2]として官幣大社に列せられている3社は「宇佐・石清水・筥崎」であるが、近年発行された書籍中では「宇佐・石清水・鶴岡」を八幡神社の代表例としている[3][4]。
- ^ 所在地:馬出四丁目、外部リンク:[10]
- ^ 所在地:箱崎二丁目55番北緯33度37分1.86秒 東経130度25分0.17秒 / 北緯33.6171833度 東経130.4167139度、現地説明板の概略:「高さが約6メートルで、石造り燈籠。最初は1817年(文化14年)に箱崎浦の漁師が博多湾に出漁するため、帰船の目印として造ったものである。1882年(明治15年)に当時は波打ち際であった現在地に移され、上部が木製から石造に変えられた。その後、1968年(昭和43年)に修築されている。」[11]、外部リンク:[12]
- ^ 所在地:箱崎二丁目55番北緯33度37分2.06秒 東経130度25分2.01秒 / 北緯33.6172389度 東経130.4172250度、別名:交通安全祈願殿(大型車専用)
- ^ 箱崎船だまりは漁港漁場整備法に基づく指定を受けた漁港ではなく、港湾法第2条第5項第1号で定義される水域施設のひとつである「船だまり」に該当する。一角には福岡市漁業協同組合の箱崎支所もある。
出典
[編集]- ^ 田中恆清『謎多き神 八幡神のすべて 石清水八幡宮の宮司が語る』新人物往来社、2010年3月、198頁。ISBN 4404038291。
- ^ “神仏分離令”. 神仏分離 あるいは 廃仏毀釈. 2008年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月25日閲覧。[信頼性要検証]
- ^ 『全国八幡神社名鑑』新人物往来社〈別冊歴史読本 99 神社シリーズ 3〉、2004年11月。ISBN 4404030991。
- ^ 白井永二、土岐昌訓『神社辞典』(新装普及版)東京堂出版、1997年9月。ISBN 449010474X。
- ^ a b c d e f “筥崎宮の歴史”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ a b c 土田充義「筥崎八幡宮本殿の建築について」『日本建築学会論文報告集』第195巻、日本建築学会、1972年、69-74,98、CRID 1390001205537700736、doi:10.3130/aijsaxx.195.0_69。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “境内のご案内”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “「関ケ原」巡り黒田長政へ恩返し 国重文「筥崎鳥居」、鍋島氏が寄贈か | 行政・社会 | 佐賀新聞ニュース”. 佐賀新聞 (2024年5月8日). 2024年5月8日閲覧。
- ^ 森力松. “鷹島の伝統として続く石工業“阿翁石(あおういし)””. 旅する長崎学. 長崎県文化振興課. 2021年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月6日閲覧。
- ^ “参道花めぐり”. 筥崎宮. 2022年11月21日閲覧。
- ^ 福岡市東区役所・箱崎校区自治協議会. 高燈籠 (Report). 箱崎二丁目55番. 説明板(現地設置).
- ^ “福岡市の文化財”. 福岡市経済観光文化局文化財活用部文化財活用課. 2022年11月22日閲覧。 →文化財情報検索→キーワード検索
- ^ “玉せせり”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “承天寺一山報賽式”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “春季社日祭/お潮井取り”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “池島殿祭”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “七夕祭”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “夏越祭/茅の輪くぐり”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ a b c d “放生会”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “秋季社日祭/お潮井取り”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “お祭り”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “意匠が軍国主義、神道等の象徴に関係ある郵便切手及び郵便葉書使用禁止に関する省令”. e-gov法令検索. 2021年4月21日閲覧。
- ^ a b c d e “交通のご案内”. 筥崎宮. 2017年9月9日閲覧。
関連図書
[編集]- 安津素彦、梅田義彦 編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年、46-47頁。全国書誌番号:68014140。
- 白井永二、土岐昌訓 編『c』東京堂出版、1979年12月、275頁。全国書誌番号:80010321。
- 上山春平 他『日本「神社」総覧』新人物往来社、1992年10月、258-259頁。ISBN 4-404-01957-2。
- 『神道の本 八百万の神々がつどう秘教的祭祀の世界』学研〈New sight mook〉、1992年、225頁。国立国会図書館サーチ:R100000001-I2611B10195198。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 筥崎宮 - 公式ウェブサイト
- 筥崎宮 (@hakozakigu.official) - Instagram
- 筥崎宮 (@hakozakigu_offi) - X(旧Twitter)