1962年イギリスグランプリ
レース詳細 | |||
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1962年F1世界選手権全9戦の第5戦 | |||
日程 | 1962年7月21日 | ||
正式名称 | XV RAC British Grand Prix | ||
開催地 | エイントリー・モーターレーシング・サーキット イギリス ( イングランド) エイントリー | ||
コース | 恒久的レース施設 | ||
コース長 | 4.828 km (3.000 mi) | ||
レース距離 | 75周 362.100 km (225.000 mi) | ||
決勝日天候 | 晴 (ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | ロータス-クライマックス | ||
タイム | 1:53.6 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | ジム・クラーク | ロータス-クライマックス | |
タイム | 1:55.0 (36周目) | ||
決勝順位 | |||
優勝 | ロータス-クライマックス | ||
2位 | ローラ-クライマックス | ||
3位 | クーパー-クライマックス |
1962年イギリスグランプリ (1962 British Grand Prix) は、1962年のF1世界選手権第5戦として、1962年7月21日にエイントリー・モーターレーシング・サーキットで開催された。
エイントリーでイギリスGPが開催されたのは本年が最後で、翌年から1986年までシルバーストン・サーキットとブランズ・ハッチの交互開催となった。ロータス・25を駆るスコットランド出身のジム・クラークがレースを支配した。フェラーリはイタリア国内での労働ストライキの影響で、フィル・ヒル1台のみの参加となった[1]。
レース概要
[編集]クラークが最後までトップを譲らず、大差を付けて優勝した[1]。開幕戦からBRM、クーパー、ロータス、ポルシェと一戦ごとに優勝車が変わる展開だったが、ロータスがいち早く2勝目を達成した。1周ごとに後続との差を開いていくクラークの優勝パターンはここから始まった[2]。
決勝に出走した21台のうち6台が依然直列4気筒エンジンを使用していたが、最上位はジャッキー・ルイスの10位だった[3]。ジョン・サーティースのローラは10周目に2速を失ったが、2位でフィニッシュした。前戦フランスGPとその翌週に行われた非選手権レースのソリチュードGPを制したダン・ガーニーはスタートで3位に浮上したが、クラッチの滑りにより順位を落とし9位に終わった[4]。ガーニーのチームメイトのヨアキム・ボニエは、ディファレンシャルのトラブルでリタイアとなった。ブルース・マクラーレン(クーパー)は12周目にガーニーを抜いて3位表彰台を獲得した[4]。グラハム・ヒル(BRM)はレース終盤にジャック・ブラバムの追走を受け、4位をキープするためにプッシュしたが、ブラバムは40周目以降右足の火傷による痛みが増したことで後退する。ブラバムはトニー・マグス(クーパー)の前の5位でフィニッシュした[1]。ブラバムは本レースから自製マシンのブラバム・BT3を投入する予定だったが、レース前の午前3時に間違った排気システムが供給されていたことが判明し、昼夜の作業も実らず投入を断念した。BT3のデビューは2週間後の次戦ドイツGPに持ち越された[5]。
イネス・アイルランド(UDT・レイストール・レーシングチーム(BRP))はおそらく最大の失意の日となったであろう。彼のロータス・24-クライマックスは予選3位でフロントローを獲得したが[6]、1周目にギアシフトが曲がり3速しか使えなくなったためピットインしなければならず、修理のために時間を要したことにより最下位の16位フィニッシュに終わった[1]。トレバー・テイラーはいくつかの接触の後、いいレースになることを期待してスタートした。しかし、すぐにキャブレターの緩みによりピットインしなければならず、彼のロータス・24は8位に終わった。フィル・ヒルのフェラーリは新しい6速ギアボックスを使用したにもかかわらず、イギリス勢に歯が立たなかった。彼は10位を上回るのが精一杯で、イグニッションのトラブルによりリタイアとなった[1]。
エントリーリスト
[編集]フェラーリは3台をエントリーしていたが、1台のみの参加となったため、カーナンバー4と6は使用されなかった。
- 追記
- タイヤは全車ダンロップ
- ^1 - マシンが準備できず
- ^2 - 負傷のため欠場
- ^3 - 練習走行のみ、No.48のロータスをドライブした
- ^4 - スターティングマネーが十分に支払われなかったため、出場を取りやめた
結果
[編集]予選
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | タイム | 差 | グリッド |
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1 | 20 | ジム・クラーク | ロータス-クライマックス | 1:53.6 | — | 1 |
2 | 24 | ジョン・サーティース | ローラ-クライマックス | 1:54.2 | +0.6 | 2 |
3 | 32 | イネス・アイルランド | ロータス-クライマックス | 1:54.4 | +0.8 | 3 |
4 | 16 | ブルース・マクラーレン | クーパー-クライマックス | 1:54.6 | +1.0 | 4 |
5 | 12 | グラハム・ヒル | BRM | 1:54.6 | +1.0 | 5 |
6 | 8 | ダン・ガーニー | ポルシェ | 1:54.8 | +1.2 | 6 |
7 | 10 | ヨアキム・ボニエ | ポルシェ | 1:55.2 | +1.6 | 7 |
8 | 14 | リッチー・ギンサー | BRM | 1:55.2 | +1.6 | 8 |
9 | 30 | ジャック・ブラバム | ロータス-クライマックス | 1:55.4 | +1.8 | 9 |
10 | 22 | トレバー・テイラー | ロータス-クライマックス | 1:56.0 | +2.4 | 10 |
11 | 26 | ロイ・サルヴァドーリ | ローラ-クライマックス | 1:56.2 | +2.6 | 11 |
12 | 2 | フィル・ヒル | フェラーリ | 1:56.2 | +2.6 | 12 |
13 | 18 | トニー・マグス | クーパー-クライマックス | 1:57.0 | +3.4 | 13 |
14 | 34 | マステン・グレゴリー | ロータス-クライマックス | 1:57.2 | +3.6 | 14 |
15 | 42 | ジャッキー・ルイス | クーパー-クライマックス | 1:59.4 | +5.8 | 15 |
16 | 36 | イアン・バージェス | クーパー-クライマックス | 2:00.6 | +7.0 | 16 |
17 | 54 | カレル・ゴダン・ド・ボーフォール | ポルシェ | 2:01.4 | +7.8 | 17 |
18 | 48 | トニー・シェリー | ロータス-クライマックス | 2:02.4 | +8.8 | 18 |
19 | 40 | トニー・セッテンバー | エメリソン-クライマックス | 2:02.4 | +8.8 | 19 |
20 | 46 | ジェイ・チャンバーレイン | ロータス-クライマックス | 2:03.4 | +9.8 | 20 |
21 | 44 | ヴォルフガング・ザイデル | ロータス-BRM | 2:11.6 | +18.0 | 21 |
ソース:[8] |
決勝
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | グリッド | ポイント |
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1 | 20 | ジム・クラーク | ロータス-クライマックス | 75 | 2:26:20.8 | 1 | 9 |
2 | 24 | ジョン・サーティース | ローラ-クライマックス | 75 | +49.2 | 2 | 6 |
3 | 16 | ブルース・マクラーレン | クーパー-クライマックス | 75 | +1:44.8 | 4 | 4 |
4 | 12 | グラハム・ヒル | BRM | 75 | +1:56.8 | 5 | 3 |
5 | 30 | ジャック・ブラバム | ロータス-クライマックス | 74 | +1 Lap | 9 | 2 |
6 | 18 | トニー・マグス | クーパー-クライマックス | 74 | +1 Lap | 13 | 1 |
7 | 34 | マステン・グレゴリー | ロータス-クライマックス | 74 | +1 Lap | 14 | |
8 | 22 | トレバー・テイラー | ロータス-クライマックス | 74 | +1 Lap | 10 | |
9 | 8 | ダン・ガーニー | ポルシェ | 73 | +2 Laps | 6 | |
10 | 42 | ジャッキー・ルイス | クーパー-クライマックス | 72 | +3 Laps | 15 | |
11 | 40 | トニー・セッテンバー | エメリソン-クライマックス | 71 | +4 Laps | 19 | |
12 | 36 | イアン・バージェス | クーパー-クライマックス | 71 | +4 Laps | 16 | |
13 | 14 | リッチー・ギンサー | BRM | 70 | +5 Laps | 8 | |
14 | 54 | カレル・ゴダン・ド・ボーフォール | ポルシェ | 69 | +6 Laps | 17 | |
15 | 46 | ジェイ・チャンバーレイン | ロータス-クライマックス | 64 | +11 Laps | 20 | |
16 | 32 | イネス・アイルランド | ロータス-クライマックス | 61 | +14 Laps | 3 | |
Ret | 2 | フィル・ヒル | フェラーリ | 47 | エンジン | 12 | |
Ret | 26 | ロイ・サルヴァドーリ | ローラ-クライマックス | 35 | バッテリー | 11 | |
Ret | 10 | ヨアキム・ボニエ | ポルシェ | 27 | ディファレンシャル | 7 | |
Ret | 44 | ヴォルフガング・ザイデル | ロータス-BRM | 11 | ブレーキ | 21 | |
Ret | 48 | トニー・シェリー | ロータス-クライマックス | 6 | エンジン | 18 | |
DNS | 48 | キース・グリーン | ロータス-クライマックス | 練習走行のみ(シェリーのマシン) | |||
ソース:[9] |
- ラップリーダー[10]
- 1-75=ジム・クラーク
第5戦終了時点のランキング
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- 注: トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。
脚注
[編集]- ^ a b c d e Blunsden, John (September 1962). "Brittiska Grand Prix - tråkigt på Aintree!" [British Grand Prix: boring at Aintree!]. Illustrerad Motor Sport (Swedish). No. 9. Lerum, Sweden. p. 19.
- ^ (林信次 1997, p. 37)
- ^ Blunsden, p. 32
- ^ a b Blunsden, p. 18
- ^ Blunsden, p. 33
- ^ 本レースのスターティンググリッドは3-2-3。 “Britain 1962 - Starting grid”. statsf1.com. 2018年6月18日閲覧。
- ^ “Britain 1962 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年6月18日閲覧。
- ^ “Britain 1962 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年6月17日閲覧。
- ^ “1962 British Grand Prix”. formula1.com. 2 December 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。20 September 2015閲覧。
- ^ “Britain 1962 - Laps led”. statsf1.com. 2018年6月18日閲覧。
参照文献
[編集]- en:1962 British Grand Prix (16:52, 27 November 2017 UTC) を翻訳
- 林信次『F1全史 1961-1965』ニューズ出版、1997年。ISBN 4-938495-09-0。
外部リンク
[編集]前戦 1962年フランスグランプリ | FIA F1世界選手権 1962年シーズン | 次戦 1962年ドイツグランプリ |
前回開催 1961年イギリスグランプリ | イギリスグランプリ | 次回開催 1963年イギリスグランプリ |