1993年の読売ジャイアンツ

1993年の読売ジャイアンツ
成績
セントラル・リーグ3位
64勝66敗1分 勝率.492
本拠地
都市 東京都文京区
球場 東京ドーム
球団組織
オーナー 正力亨
経営母体 読売新聞社
監督 長嶋茂雄
選手会長 岡崎郁
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1993年の読売ジャイアンツ(1993ねんのよみうりジャイアンツ)では、1993年における読売ジャイアンツの動向についてまとめる。

この年の読売ジャイアンツは、2回目の長嶋茂雄監督体制の1年目のシーズンである。

概要

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13年ぶりに長嶋茂雄が監督に復帰し、ヘッドコーチに須藤豊、投手コーチに堀内恒夫、打撃コーチに中畑清、バッテリーコーチに山倉和博が就任した。また選手では、松井秀喜がドラフト1位で入団、現役大リーガーのジェシー・バーフィールドヤクルトから長嶋の長男・長嶋一茂を獲得するなど陣容をととのえた。しかし開幕すると、原辰徳の衰え、前年活躍したロイド・モスビーの度重なる故障、駒田徳広、バーフィールドの打撃不調の影響もありチーム打率は低迷。6月28日にモスビー、バーフィールドの不調のテコ入れとして、ミッキー・ブラントリーを緊急補強するも、モスビー、バーフィールド以上に打てず機能しなかった。主に三番だった篠塚和典は3割をマークするが、それ以外の選手は2割台半、本塁打も2ケタ到達が原とバーフィールドのみという厳しい状況で、この年はチーム打率だけでなく、巨人史上初めてチーム得点も最下位に終わり、盗塁は5位の39だった[1]。投手陣は、先発陣では槙原寛己が孤軍奮闘するも、斎藤雅樹が5月19日の横浜戦で右肩を痛めた影響で9勝止まり、桑田真澄も前年から続く不調に苦しんだ。しかしこれをカバーしたのが「勝利の方程式」を結成した橋本清石毛博史などのリリーフ陣で、チーム防御率はリーグ3位の3.22と健闘し、優勝のヤクルト、2位の中日と互角だった。チームは序盤から一進一退を繰り返し、一時は首位ヤクルトに2.5ゲーム差まで接近し自力優勝の目を残したが8月以降は大きく負け越して貯金がなくなり、最後は阪神とのAクラス争いに勝って3位でシーズンを終了。前年オフのドラフト1位で獲得した1年目の松井秀喜は11本塁打を記録するなどしたが新人王争いでは伊藤智仁に敗れた。この年は最下位広島に15勝11敗と勝ち越すも5位の横浜には10勝16敗で歯が立たず、ヤクルトとマッチレースを演じた中日にも11勝15敗と負け越し、借金生活から抜け出せなかった。オフには駒田が打撃コーチの中畑との確執もあり[2]フリーエージェントを宣言し、横浜に移籍した。外国人選手のモスビー、バーフィールド、ブラントリーも全員解雇となった。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
開幕:4/10 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1
1 モスビー モスビー 緒方耕一 緒方耕一 緒方耕一 元木大介
2 川相昌弘 川相昌弘 川相昌弘 川相昌弘 川相昌弘 川相昌弘
3 バーフィールド 吉村禎章 モスビー 篠塚和典 ブラントリー 駒田徳広
4 原辰徳 原辰徳 原辰徳 原辰徳 モスビー 原辰徳
5 駒田徳広 岡崎郁 吉村禎章 吉村禎章 篠塚和典 バーフィールド
6 長嶋一茂 駒田徳広 バーフィールド バーフィールド 長嶋一茂 岡崎郁
7 篠塚和典 松井秀喜 駒田徳広 駒田徳広 駒田徳広 松井秀喜
8 大久保博元 大久保博元 吉原孝介 村田真一 村田真一 村田真一
9 斎藤雅樹 門奈哲寛 香田勲男 木田優夫 斎藤雅樹 香田勲男

[3]

1993年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 広島 -- ヤクルト -- ヤクルト -- ヤクルト -- ヤクルト -- ヤクルト -- ヤクルト --
2位 中日 1.5 巨人 1.5 巨人 3.5 巨人 3.5 中日 1.0 中日 2.0 中日 7.0
3位 巨人 3.5 広島 2.0 広島 広島 4.0 広島 8.0 阪神 12.0 巨人 16.0
4位 阪神 中日 横浜 4.0 中日 巨人 8.5 巨人 12.5 阪神 17.0
5位 ヤクルト 4.5 阪神 中日 4.0 阪神 5.0 阪神 9.0 横浜 17.5 横浜 23.0
6位 横浜 8.0 横浜 4.5 阪神 6.0 横浜 7.5 横浜 12.5 広島 19.0 広島 27.0
期間
成績
8勝8敗
勝率.500
12勝11敗
勝率.522
10勝11敗
勝率.476
10勝9敗
勝率.526
7勝12敗1分
勝率.368
10勝10敗
勝率.500
7勝5敗
勝率.583


1993年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 ヤクルトスワローズ 80 50 2 .615 優勝
2位 中日ドラゴンズ 73 57 2 .562 7.0
3位 読売ジャイアンツ 64 66 1 .492 16.0
4位 阪神タイガース 63 67 2 .485 17.0
5位 横浜ベイスターズ 57 73 0 .438 23.0
6位 広島東洋カープ 53 77 1 .408 27.0

オールスターゲーム1993

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  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
コーチ 長嶋茂雄
投手 桑田真澄 6
石毛博史
内野手 川相昌弘 2
外野手 吉村禎章 5
  • 太字はファン投票による選出、▲は出場辞退選手発生による補充。

個人成績

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投手成績

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  • 色付きは規定投球回数(131イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/桑田真澄 26 26 8 1 0 8 15 0 745 178.0 162 15 61 6 158 5 0 85 79 3.99 1.25
/槙原寛己 28 24 5 3 0 13 5 0 715 173.2 149 17 53 4 175 12 0 54 44 2.28 1.16
/斎藤雅樹 23 22 3 1 1 9 11 0 609 149.2 135 10 40 4 105 3 0 56 53 3.19 1.17
/木田優夫 35 17 1 1 1 7 7 2 538 131.2 129 11 40 1 97 6 0 50 49 3.35 1.28
/宮本和知 26 20 2 0 0 5 8 0 513 116.1 118 17 50 7 109 2 0 50 44 3.40 1.44
/香田勲男 22 16 2 0 0 8 7 0 411 100.0 87 7 30 5 59 3 0 42 39 3.51 1.17
/橋本清 52 0 0 0 0 6 4 3 357 88.1 63 8 30 2 91 1 0 23 18 1.83 1.05
/石毛博史 48 0 0 0 0 6 5 30 279 67.0 43 4 37 0 85 2 0 23 22 2.96 1.19
/水野雄仁 43 0 0 0 0 1 1 0 239 60.2 53 1 14 0 36 3 0 22 19 2.82 1.10
/門奈哲寛 33 5 0 0 0 1 2 0 246 60.0 46 4 27 1 57 0 2 20 18 2.70 1.22
/木村龍治 16 0 0 0 0 0 0 0 97 24.0 18 1 10 2 17 0 0 12 8 3.00 1.17
/小島圭市 5 1 0 0 0 0 1 0 53 9.0 22 3 4 1 8 0 0 15 12 12.00 2.89
/谷口功一 3 0 0 0 0 0 0 0 22 4.0 4 2 5 0 5 0 0 5 4 9.00 2.25
/西山一宇 2 0 0 0 0 0 0 0 13 3.0 3 1 1 0 3 0 0 2 2 6.00 1.33
/岡田展和 1 0 0 0 0 0 0 0 7 1.0 4 2 0 0 1 0 0 4 4 36.00 4.00
/松谷竜二郎 1 0 0 0 0 0 0 0 8 1.0 3 0 2 0 0 0 0 2 2 18.00 5.00

主な打撃成績

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  • 色付きは規定打席(406打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/川相昌弘 131 553 462 58 134 23 2 5 176 35 2 10 45 2 43 0 1 64 9 .290 .350 .381 .731
/駒田徳広 122 482 437 35 109 18 0 7 148 39 1 2 2 4 39 1 0 89 18 .249 .308 .339 .647
/バーフィールド 104 420 344 52 74 8 2 26 164 53 1 2 0 0 70 1 6 127 7 .215 .357 .477 .834
/原辰徳 98 387 336 28 77 14 0 11 124 44 3 2 0 3 44 1 4 62 9 .229 .323 .369 .692
/緒方耕一 108 372 338 40 79 11 2 2 100 17 24 5 8 1 25 0 0 44 3 .234 .286 .296 .582
/吉村禎章 94 351 311 26 84 14 1 8 124 43 0 1 1 6 28 1 5 46 6 .270 .334 .399 .733
/村田真一 88 283 258 23 61 13 0 6 92 28 0 3 2 0 21 6 2 61 10 .236 .299 .357 .656
/篠塚和典 66 226 208 27 70 8 0 4 90 23 0 0 2 1 13 0 2 21 4 .337 .379 .433 .812
/元木大介 80 222 186 25 44 7 1 4 65 15 1 3 3 0 32 0 1 25 7 .237 .352 .349 .701
/松井秀喜 57 203 184 27 41 9 0 11 83 27 1 0 0 0 17 0 2 50 1 .223 .296 .451 .747
/岡崎郁 70 183 165 14 35 3 0 3 47 19 1 1 0 2 15 0 1 30 5 .212 .279 .285 .564
/長嶋一茂 56 153 134 12 29 6 1 1 40 12 3 5 0 2 17 0 0 42 7 .216 .301 .299 .599
/モスビー 37 151 126 21 31 3 0 4 46 13 0 0 0 2 18 0 5 27 0 .246 .358 .365 .723
/大久保博元 40 121 110 14 24 2 0 10 56 16 1 0 0 0 9 3 2 29 3 .218 .289 .509 .798
/吉原孝介 39 92 85 5 19 6 0 1 28 7 0 0 5 0 2 0 0 20 1 .224 .241 .329 .571
/西岡良洋 69 71 62 8 9 1 0 1 13 4 1 0 2 1 6 0 0 5 3 .145 .217 .210 .427
/福王昭仁 50 66 57 7 11 3 0 1 17 3 0 0 0 0 8 0 1 3 0 .193 .303 .298 .601
/四條稔 31 59 53 2 15 2 0 0 17 1 0 0 0 1 5 0 0 15 0 .283 .339 .321 .660
/ブラントリー 13 47 44 3 8 1 1 0 11 4 0 0 0 0 2 0 1 5 1 .182 .234 .250 .484
/吉岡雄二 10 33 30 1 8 0 0 0 8 2 0 0 0 1 2 0 0 7 1 .267 .303 .267 .570
/杉山直輝 12 13 13 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 .077 .077 .077 .154
/大森剛 4 10 9 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 .000 .100 .000 .100
/井上真二 10 9 7 0 3 1 0 0 4 0 0 0 0 0 2 0 0 0 1 .429 .556 .571 1.12
/藤田浩雅 7 8 8 0 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .125 .125 .250 .375
/熊野輝光 8 5 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .000 .000 .000 .000
/後藤孝志 4 5 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 .000 .250 .000 .250
/上田和明 7 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/大野雄次 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
/小沢浩一 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

できごと

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  • 1月18日 - この年から着用される新ユニフォームがお披露目される。1946年~1950年にかけて使用されていたデザインに似たものになった。


選手・スタッフ

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[4][5]

表彰選手

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桑田真澄(投手、2年ぶり4度目)
駒田徳広(一塁手、2年ぶり4度目)
川相昌弘(遊撃手、2年ぶり4度目)

ドラフト

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  • 網掛けの選手は逆指名による入団
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 三野勝大 投手 東北福祉大学 入団
2位 柳沢裕一 捕手 明治大学 入団
3位 岡島秀樹 投手 東山高 入団
4位 大畑裕勝 内野手 柳川高 入団
5位 佐藤誠 投手 駒澤大学附属岩見沢高 入団

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ HOT TOPICチーム打率最下位は過去9回。巨人打線が“最弱”だったのはいつ?”. 週刊ベースボール (2021年4月19日). 2023年4月9日閲覧。
  2. ^ ハダカの長嶋巨人(5)”. 東京スポーツ (2014年3月3日). 2014年3月3日閲覧。
  3. ^ 『1994 ベースボール・レコード・ブック』ベースボール・マガジン社、1993年。ISBN 4-583-03093-2 
  4. ^ 読売巨人軍公式HP 背番号変遷”. 読売ジャイアンツ. 2015年10月5日閲覧。
  5. ^ 『日本プロ野球80年史 1934-2014』 【記録編】、ベースボール・マガジン社、2014年12月24日。ISBN 978-4-583-10668-7