KMバイオロジクス
本社屋 | |
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 | 日本 〒860-8568 熊本県熊本市北区大窪一丁目6番1号 |
設立 | 2018年7月2日 |
業種 | 医薬品 |
法人番号 | 6330001025098 |
事業内容 |
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代表者 | 代表取締役社長 永里敏秋 |
資本金 | 100億円 |
従業員数 | 2,018人(2024年6月現在) |
主要株主 |
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主要子会社 | 明治アニマルヘルス 50.3% |
外部リンク | https://www.kmbiologics.com/ |
特記事項:化学及血清療法研究所の製薬事業を継承し、発足 |
KMバイオロジクス株式会社は、日本に存在する医薬品製造業。明治ホールディングスの連結子会社[1]。化学及血清療法研究所(化血研)のワクチン不正製造・出荷停止問題に関連し、化血研の製薬事業を継承するために発足した[2]。
化血研が扱っていたヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿分画製剤の研究・開発・製造・供給を主力とする。熊本県熊本市北区に本社を置く。
概要
[編集]2015年(平成27年)に発覚した一連の不正製造・出荷停止問題を受け、化血研は[3][4]厚生労働省[5][4][6]、並びに農林水産省より幾度もの業務停止命令や販売自粛を受けていた。一方で化血研の製造する製品には、日本では同社のみが製造、もしくは同社の国内シェアが最大で、代替品がない「シングルサプライ製品」(例としてヒト用A型肝炎ワクチンは日本唯一の製造メーカーであり、その他ワクチンの多くのシェアを持っていた[7])が多数あり、先述の出荷停止で供給がストップ、予防接種が行えない事態も発生し、社会問題となっていた[7]。
厚生労働大臣塩崎恭久は「本来は医薬品製造販売業の許可の取り消し処分とすべき事案。化血研という組織のままで製造販売を再開することはない」として、事業譲渡も含めた組織の見直しを求めたため、2016年(平成28年)4月7日にアステラス製薬へワクチンや血液製剤の製造事業を譲渡する交渉に入ったが[8]、アステラス製薬との交渉は決裂した。
2017年(平成29年)12月、明治ホールディングスは化血研の主要事業(製薬事業・臨床検査事業)を譲受することを決議した。感染症領域に強いMeiji Seikaファルマと組むことで明治グループの製薬事業を強化できると判断された。同日、化血研も理事会で明治グループなどで構成する新会社に翌年7月2日に株式譲渡を予定する契約書を締結することを決議した[9]。その際、化血研で行われていた新生児マススクリーニング事業も譲渡することとなった。
2018年(平成30年)7月2日、化血研は明治グループ・熊本県・熊本県企業グループ(えがおホールディングス、学校法人君が淵学園(崇城大学)、熊本放送、再春館製薬所、テレビ熊本、富田薬品、肥後銀行)が出資[10]する新会社である「KMバイオロジクス」に事業譲渡し、製造に関与する従業員を同社に移籍させた[10]。化血研はKMバイオロジクスの経営に関与せず、製薬事業・臨床検査事業から撤退し、研究機関への研究支援等の公益事業に専念することとなった[10]。
社名の「KMバイオロジクス」は、熊本から海外へ進出していくことを見据え、“熊本”と、”明治グループ”に由来する「KM」を冠したグローバルかつバイオテクノロジー領域に特化した企業をイメージしたものである[11]。
沿革
[編集]一部は一次資料[11]による。化血研時代の歴史については化血研の記事を参照。
- 2017年(平成29年)12月 - 化血研及び明治グループが、化血研の製薬・臨床検査事業を明治グループに譲渡することを決定[9]。
- 2018年(平成30年)
- 2020年(令和2年)4月1日 - 化血研時代に設立された「臨床検査センター」を「新生児スクリーニングセンター」に改組[13]。
- 2021年(令和3年)4月1日 - 当社とMeiji Seika ファルマの動物薬事業の統合を目指し、両社の合弁による準備会社となるKMAH株式会社を設立[14]。
- 2022年(令和4年)4月1日 - 動物用医薬品事業(動物用医薬品の生産事業を除く)を明治アニマルヘルスへ移管[15]。
- 2024年(令和6年)11月19日 - 世界保健機関(WHO)が、コンゴ民主共和国などで広がっているエムポックス(サル痘)の予防薬として、KMバイオロジクス製ワクチンの緊急使用を認める[16]。
主要事業
[編集]一次情報による[11]
ヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿分画製剤の研究・開発・製造・供給
[編集]化血研の製品製造を受け継いだため、多くのシングルサプライ製品をもち、日本市場を独占している商品が多数ある[11]。また、特定疾患に対する治療薬「オーファンドラッグ」の指定を8商品で受けている[11]。
新生児マススクリーニング検査
[編集]新生児スクリーニングセンターでは、化血研時代の1977(昭和52)年から実施主体である各自治体から新生児マススクリーニングを受託し、39年間で300万人を超える新生児の検査を行ってきた[17]。現在は熊本県、熊本市、福岡県、福岡市、北九州市、佐賀県の6自治体より、合わせて年間約7万人の検査を委託されている[17]。
事業所
[編集]- 本社 / 熊本事業所 - 熊本市北区大窪一丁目6番1号
- 合志事業所 - 熊本県合志市栄3766番1号
- 菊池研究所 - 熊本県菊池市旭志川辺1314番地1
- 阿蘇事業所 - 熊本県阿蘇市永草2091番地
- 配送センター - 熊本県菊池郡大津町杉水705番地1
- 東京営業所 - 東京都北区王子1-12-1 TIC王子ビル4F
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “熊本にワクチン生産設備が完成 KMバイオ、来年4月稼働”. 産経ニュース (2021年12月16日). 2021年12月16日閲覧。
- ^ “KMバイオロジクスが事業開始‐化血研の主要3事業を承継”. 薬事日報 (2018年7月6日). 2019年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月1日閲覧。
- ^ “農水省も化血研に業務停止命令 動物ワクチン問題、30日間”. 日本経済新聞. (2016年1月19日) 2016年1月19日閲覧。
- ^ a b “動物用も業務停止 化血研に30日間命令 農水省”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 夕刊 10. (2016年1月19日)
- ^ “化血研、また不正製造 日本脳炎ワクチン”. 日本経済新聞. (2016年10月4日) 2016年10月21日閲覧。
- ^ 竹野内崇宏、福宮智代 (2016年1月9日). “化血研に業務停止命令 過去最長110日間 対象は8製品のみ”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 37
- ^ a b 竹野内崇宏、福宮智代 (2015年12月19日). “B型肝炎ワクチン、足りない 化血研、不正受け出荷ストップ 小児科、接種中止の例も”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 37
- ^ “化血研、事業譲渡交渉 アステラス製薬に 血液製剤不正”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 34. (2016年4月8日)
- ^ a b “化血研の新会社 7月に明治HD連結子会社に 社名は「KMバイオロジクス」”. ミクスonline (2018年3月14日). 2019年2月1日閲覧。
- ^ a b c “KMバイオロジクスが事業開始 化血研の主要事業を引き継ぐ”. 鶏鳴新聞. (2018年7月14日). オリジナルの2019年2月1日時点におけるアーカイブ。 2019年2月1日閲覧。
- ^ a b c d e f “KMバイオロジクスについて”. KMバイオロジクス. 2019年2月1日閲覧。
- ^ “『ビームゲン注0.25mL/0.5mL』の供給について”. m3.com (2018年8月). 2022年8月19日閲覧。
- ^ 「臨床検査センター」組織名称変更のお知らせ - KMバイオロジクス(2020年3月2日)
- ^ 『合弁会社「KMAH株式会社」設立に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)KMバイオロジクス、Meiji Seika ファルマ(2社連名)、2021年4月1日 。2021年7月8日閲覧。
- ^ 『明治アニマルヘルス株式会社の設立と営業開始に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)明治アニマルヘルス、2022年4月1日 。2022年4月28日閲覧。
- ^ “WHO、日本のワクチン承認 エムポックスで2例目”. 時事ドットコム (2024年11月20日). 2024年12月14日閲覧。
- ^ a b “新生児マススクリーニングへの取り組み”. KMバイオロジクス. 2019年2月1日閲覧。
外部リンク
[編集]- KMバイオロジクス - 公式サイト