国花

日本を代表する花のひとつ、桜

国花(こっか、: Floral emblem)とは、その国民に最も愛好され、その国の象徴とされる花である。

各国の事例

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国の象徴とされるFloral emblemは、必ずしもとは限らず、農作物樹木隠花植物が指定されることもある。ただし国によっては国樹や国果としてそれらを制定し、国花はまた別、あるいは指定しないといった対処をしているところもある。一般にヨーロッパでは花卉が多いが、ヨーロッパ以外では花卉が指定されることは少ない。またその国の原産であったりその国に広く見られるものとも限らない(むしろ外来種が指定されることが多い)。指定範囲も単一種を指定する場合もあれば、複数種を指定することもある。園芸植物の場合は細かく花の色まで特定したり、それとは逆に大まかに属科レベルで指定する場合もある。中にはアイルランドのシャムロックのように、特定種ではなく表象的な外見の形状(三分岐の掌状複葉、いわゆる三つ葉のクローバー型の葉を有する)で指定する場合もある。

国花の選定方法は各国により異なり、法律や議会の議決、勅令や政令で定められたり国民投票で決定したもの、故事や伝説にちなんだもの、長年の慣習によるもの、王室の象徴として用いられていたものなどがある。最後のケースではイギリスバラ(テューダー・ローズ)といった、王室がエンブレムとして選定していたものが有名である。現在ある国花の多くは公的な手続き、裏付けを欠く慣習上のものであり、成文法に基づき国花を指定制定する例は実際には少数派である。日本にも法定の国花はなく、国民に広く親しまれているや皇室の家紋のモチーフであるが事実上の国花として扱われている。国花はコインや紙幣、旅券切手などの意匠としてしばしば使用されるため、濫用を避ける意味で一部国の国花は世界知的所有権機関に届け出られ、管理下に置かれている。

各国の国花

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表を見るにあたっての注記について記載する。

国樹 は、公式、慣習上を問わず国樹、国木としての意味が強いものを示す。

歴史 は、現在は当該国の官民ともに国花としての意識はないのだが、歴史的経緯から対外的に国花として扱われることが多いものを示す。

アジア

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アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン なし ヒマワリ、またはブドウとする資料もある[要出典]
アフガニスタンの旗 アフガニスタン 赤いチューリップ Red tulip
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 なし マリーゴールド、ヒャクニチソウ、現在選考中とする資料などがある[要出典]
アルメニアの旗 アルメニア なし コーヒー、アネモネとする資料もある[要出典]
イエメンの旗 イエメン アラビカコーヒーノキ Coffea arabica
イスラエルの旗 イスラエル 国樹 オリーブ Olea europaea
シクラメン Cyclamen persicum
イスラエルは園芸種シクラメンの原産地。
イラクの旗 イラク 赤いバラ Red rose
イランの旗 イラン 黄色いつる性のバラ[1] Yellow rose
画像は原種バラの1種 Rosa persica
チューリップ Tulip
国章はこの花卉を外形を表している。Tulipa sylvestris に絞るとする資料[1]もあるが、イランは多数の原種チューリップ自生地なので T. sylvestris のみが国花とは考え難い。
インドの旗 インド Nelumbo nucifera
国樹 印度菩提樹 Ficus religiosa
インドネシアの旗 インドネシア メラティ(マツリカ) Jasminum sambac
ジャスミンの1種。国民の花。1990-6-5に制定されたがそれ以前から慣習的に国花とされていた。1993年に大統領令[2]にて追認。ケソケイ Jasminum multiflorum とする資料[3]もあるが、大統領令には記載がなし
コチョウラン Phalaenopsis amabilis
魅惑の花。1990-6-5に制定され1993年に追認。
ラフレシア Rafflesia arnoldii
珍奇の花。1990-6-5に制定され1993年に追認。
スマトラオオコンニャク Amorphophallus titanum
上記3種の追認以降に珍奇の花に追加された。
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン なし チューリップとする資料などがある
オマーンの旗 オマーン 赤いバラ Red rose
カザフスタンの旗 カザフスタン チューリップ Tulip
カタールの旗 カタール ナツメヤシ Phoenix dactylifera
大韓民国の旗 韓国 ムクゲ Hibiscus Syriacus
国章はこの花を基にデザインされている。国歌にもこの花の名が登場する。
カンボジアの旗 カンボジア ルムドゥアルMitrella mesnyi バンレイシ科の1種。勅令[4]により制定。
Oryza sativa
朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮[注 1] Prunus salicina
木蘭(オオヤマレンゲMagnolia sieboldii ssp. sieboldii
キルギスの旗 キルギス ワタ Gossypium arboreum
バラ Rose
チューリップ Tulip
最近はヒヤシンスも国花とする資料がある
クウェートの旗 クウェート アル・アルファジ Rhanterium epapposum
キク科の1種。
サウジアラビアの旗 サウジアラビア バラ Rose
画像の品種名はアラビア。
ジョージア (国)の旗 ジョージア ヨーロッパブドウ Vitis vinifera
ジョージアに限らず、中央アジア諸国は古くからのワインの銘醸地が多い。最近ではユリとする資料もある。
シリアの旗 シリア ダマスクローズ Rosa damascena
全く異なる名[注 2]を挙げている資料もあるが、明白な理由付けがある(ダマスクはシリアの首都ダマスカスの意)のはこれだけ。
シンガポールの旗 シンガポール バンダ・ミスジョアキム Vanda hookeriana × V. teres
ラン科バンダ属の交配種。この花がシンガポール国内で初めて作出された蘭の園芸品種であることによる。
スリランカの旗 スリランカ ニル・マーネル Nympheae stelleta syn. N. nouchali
青いネッタイスイレン
タイ王国の旗 タイ ナンバンサイカチ Cassia fistula
スイレン[5] Nymphaea
画像はアカバナスイレン N. rubra
中華民国の旗 台湾 Prunus mume
タジキスタンの旗 タジキスタン なし あるとする資料はカルミア Kalmia latifoliaヘリコニア、シクラメン、ワタなどを挙げているが、どれ1つとして植物名が一致していなし
中華人民共和国の旗 中国 中華人民共和国の旗 中国大陸 なし 現在国花選定中。候補は牡丹のほか梅も挙げられているが、過去に何度か国民投票を実施した際には牡丹と梅が常に1位、2位を占めていた。近年では、国旗の五つ星を象徴できるため、牡丹・梅・菊・蓮・蘭の五つの花を全て中国の国花にしようとの意見もある。[6]
香港の旗 香港 バウヒニア Bauhinia blakeana
マメ科の1種。英名 Hong Kong orchid tree から誤ってランの1種などと記されることがある。
マカオの旗 マカオ Nelumbo nucifera
アラゲノボタンとする資料がある
トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン なし アスター(エゾギク)とする資料がある[注 3][注 4]
トルコの旗 トルコ チューリップ Tulipa gesneriana
園芸種T. gesneriana でなく原種の1つ T. sylvestris だとする資料[7]もある。なおトルコは園芸種チューリップ発祥の地である。
日本の旗 日本[8][注 5] Cerasus
一般に国を象徴する花として語られコイン切手意匠として採用されてきたが法定のものではない。
Chrysanthemum × morifolium
菊は国より皇室の象徴としての意味が強い。
ネパールの旗 ネパール ラリグラス Rhododendron arboreum
シャクナゲの1種
パキスタンの旗 パキスタン ソケイ Jasminum officinale
ジャスミンの1種
パレスチナ国の旗 パレスチナ 国樹 オリーブ Olea europaea
バーレーンの旗 バーレーン なし
バングラデシュの旗 バングラデシュ シャープラ (ネッタイスイレン)Nymphaea pubescens
憲法[9]条文中で宣言。
東ティモールの旗 東ティモール なし
フィリピンの旗 フィリピン サンパギータ(マツリカ) Jasminum sambac
ブータンの旗 ブータン メコノプシス・ホリデュラ Meconopsis horridula
青いケシの1種。
ブルネイの旗 ブルネイ カンボクビワモドキ Dillenia suffruticosa
マレー語ではシンポーアエルsimpoh ayer)と呼ぶ。また古い属名は Wormia であり、「ウオーミヤ」の名で言及した文献も存在する[10]
 ベトナム 紅い蓮 Red lotus
国樹 Bomboo
マレーシアの旗 マレーシア ブンガラヤ(ブッソウゲ) Hibiskus rosa-sinensis
ミャンマーの旗 ミャンマー サラノキ Shorea robusta
カリン (マメ科) Pterocarpus indicus
アカバナサンタンカ[11]Ixora coccinea
アカネ科の1種。
モンゴルの旗 モンゴル セイヨウマツムシソウ Scabiosa atropurpurea
ヨルダンの旗 ヨルダン ブラックアイリス Iris nigricans
ラオスの旗 ラオス インドソケイ Plumeria rubra
単にプルメリアといった場合、通例はこの種を指す。
レバノンの旗 レバノン 国樹レバノンスギ Cedrus libani

アフリカ

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アルジェリアの旗 アルジェリア バラ Rose
エチオピアの旗 エチオピア カラー(オランダカイウ) Zantedeschia aethiopica
 エジプト ロータス(ヨザキスイレン) Nymphaea lotus
ガーナの旗 ガーナ ナツメヤシ Phoenix dactylifera
ガボンの旗 ガボン カエンボク Spathodea campanulata
コートジボワールの旗 コートジボワール ヤシ Palm
 コンゴ民主共和国 [注 6] ニオイマホガニー Khaya
センダン科の1属。画像は7種あるうちの1種 Khaya senegalensis
シエラレオネの旗 シエラレオネ ギネアアブラヤシ Elaeis guineensis
ジンバブエの旗 ジンバブエ グロリオサ・ロスチャイルディアナ Gloriosa rothschildiana
スーダンの旗 スーダン ブッソウゲ Hibiskus rosa-sinensis
赤道ギニアの旗 赤道ギニア カポック(パンヤ) Ceiba pentandra
セネガルの旗 セネガル 国樹 バオバブ Adansonia sp.
チュニジアの旗 チュニジア ミモザ Mimosa 正式に制定された国花。種としてはフサアカシア Acacia dealbataギンヨウアカシア Acacia baileyana など。
オオバナソケイ Jasminum grandiflorum
ジャスミンの1種。公認の国花ではないが国民に人気があり、2010-11年の革命もこの花の名を冠して呼ばれる。
ナイジェリアの旗 ナイジェリア コスタス・スペクタビリス Costus spectabilis
ショウガ目オオホザキアヤメ科の1種。東南アジア原産の外来種。
ナミビアの旗 ナミビア ウェルウィッチア(奇想天外、砂漠万年青)Welwitschia mirabilis
ボツワナの旗 ボツワナ モロコシ Sorghum bicolor
マダガスカルの旗 マダガスカル ポインセチア Euphorbia pulcherrima
国樹タビビトノキ Ravenala madagascariensis
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 キングプロテア Protea cynaroide
モーリシャスの旗 モーリシャス トロチェティア Trochetia boutoniana 画像募集中 アオイ科の1種。マスカレン諸島固有種。
モロッコの旗 モロッコ バラ Rose
リビアの旗 リビア ザクロ Punica granatum
リベリアの旗 リベリア コショウ Piper nigrum

ヨーロッパ

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アイスランドの旗 アイスランド チョウノスケソウ Dryas octopetala
アイルランドの旗 アイルランド シャムロック Shamrock
形状からの指定で特に種を定めない。具体例はカタバミ(左)、シロツメクサ(右)等。
アルバニアの旗 アルバニア 赤と黒のケシRed and black poppy
赤と黒は国旗の配色に基づく。
国樹 ヨーロッパナラ Quercus robur
アンドラの旗 アンドラ クチベニスイセン Narcissus poeticus
国を象徴する花として切手や硬貨によく描かれている。[12]
イギリスの旗 イギリス イングランドの旗 イングランド テューダー・ローズ Tudor rose
元はテューダー朝の紋章で紅白のバラを統合した架空の花(現在は右画像のような品種もある)。赤は Rosa gallica(左)、白は Rosa×alba (右)で学者の意見は一致。
ウェールズの旗 ウェールズ ラッパスイセン Narcissus pseudonarcissus
リーキ Allium ampeloprasum var. porrum
国の象徴に扱われるのは茎と葉のみで、花は対象となっていない。
北アイルランドの旗 北アイルランド シャムロック Shamrock アイルランドに同じ。
アイルランドに同じ。
スコットランドの旗 スコットランド アザミ Thistle
どの種が紋章のモデルになったかは諸説あり定まっていない。画像は候補の一つ Cirsium vulgare
イギリスの旗 連合王国 バラ Rose
画像の品種はクィーン・エリザベスII
イタリアの旗 イタリア 歴史 デージー [注 7]Bellis perennis
政府が公式に認めた国花は存在していない。

イタリア王国国王ウンベルト1世の后の名マルゲリータ[注 8]にちなむ。王政終焉(1946)まで慣習上の国花に扱われた。

 ウクライナ セイヨウカンボク Viburnum opulus
最近ではヒマワリも国花とする資料がある
スミミザクラ Prunus cerasus
 エストニア ヤグルマギク Centaurea cyanus
 オーストリア エーデルワイス Leontopodium alpinum
オランダの旗 オランダ チューリップ Tulipa gesneriana
キプロスの旗 キプロス キプロスシクラメン Cyclamen cyprium
国樹 オリーブ Olea europaea
ギリシャの旗 ギリシャ アカンサス(葉アザミ) Acanthus mollis
ニオイスミレ[13] Viola odorata
国樹 オリーブ[13] Olea europaea
クロアチアの旗 クロアチア ペルニカ Iris croatica
アイリスの1種
デゲニア・ヴェルビティカ Degenia velebitica
アブラナ科の1種。
サンマリノの旗 サンマリノ アキザキシクラメン Cyclamen neapolylanum[14]
学名は Cyclamen hederifolium のシノニム。
スイスの旗 スイス エーデルワイス Leontopodium alpinum
アルペンローゼ Rhododendron ferrugineum
アルペンエンツィアン Gentiana alpina
リンドウの1種。
 スウェーデン 国樹 セイヨウトネリコ Fraxinus excelsior
ドイツスズラン Convallaria majalis var. majalis
スペインの旗 スペイン カーネーション Dianthus caryophyllus
ザクロ[15] Punica granatum
オレンジ[15] Citrus sinensis
スロバキアの旗 スロバキア ジャガイモ Solanum tuberosum
スロベニアの旗 スロベニア コムギ Triticum
セルビアの旗 セルビア セイヨウスモモ Prunus domestica
旧ユーゴスラビア[16]から引き継いでいる。
 チェコ 国樹 菩提樹 Tilia × europaea
 デンマーク[17] ムラサキツメクサ Trifolium pratense
1936年アルゼンチンからの問い合わせに対する当局の回答による。国内各所に自生し、農業上重要な牧草である点を考慮されたようだが、これ以外に公的裏付けはなく国民もほとんど知らない。
マーガレットArgyranthemum frutescens
現女王マルグレーテ2世の名にちなむ。国民投票による国花選出で1位に輝いたが、カナリア諸島原産の外来種なので公式の制定は見送られた。
ドイツの旗 ドイツ 歴史 ヤグルマギク Centaurea cyanus
ヴィルヘルム1世ドイツ皇帝に即位した際帝室の象徴に採用[注 9]され、帝政終焉(1918)まで慣習上の国花に扱われた。
国樹 オウシュウナラ Quercus robur
 ノルウェー ギョリュウモドキCalluna Vulgaris
1976年、ラジオ番組 Nitimen にてリスナーの投票により決定。英名 Purple heather の誤訳から、しばしばヒースと紹介される。
サキフラガ・コティレドン Saxifraga cotyledon
ユキノシタ属の1種。1935年、アムステルダムの植物学会において決定。
バチカンの旗 バチカン マドンナリリー(ニワシロユリ)Lilium candidum
 ハンガリー ゼラニウムPelargonium
チューリップ Tulipa gesneriana
 フィンランド スズランConvallaria majalis
 ブルガリア バラ Rose
カザンラシュカという香料向けドッグローズの1品種が盛んに栽培されているが、それ以外のバラも含め国花として扱われている。
フランスの旗 フランス アイリス
政府が公式に認めた国花は存在していない。

一般的にはフランス共和国の象徴であるトリコロール(フランス国旗)の青・白・赤を表すとされる、ヤグルマギク、マーガレット、ヒナゲシ(この三つの中でも特にヤグルマギクが親しまれている。)と、フルール・ド・リスが表しているアイリスが国花として扱われる事が多い。

なおフルール・ド・リスは王家の象徴であったため、現在共和国となったフランス政府が王国を連想するアイリスを公の場で掲げる事はない。

ヤグルマギク[注 10]

Cyanus segetum

マーガレット[注 11]

Argyranthemum frutescens

ヒナゲシ

Papaver rhoeas

 ベラルーシ アマ Linum usitatissimum セントポーリアも国花とする資料がある
ベルギーの旗 ベルギー チューリップ Tulipa gesneriana いずれも外国人による誤解に基づくため画像略 かつてオランダの1地方だったところから、国花もオランダと同じと誤解されている。
赤いヒナゲシ Papaver rohaes ベルギーは第一次大戦の西部戦線で、その戦死者を悼んだフランダースの野にという詩に頻出する赤いヒナゲシが英語圏でベルギー国花と勘違いされることがある。現実には同地のケシは現地の農民から嫌われ畑の雑草として駆除される。
ボスニア・ヘルツェゴビナの旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ ボスニアゴールデンリリー Lilium bosniacum
ポーランドの旗 ポーランド パンジー Viola × wittrockiana
赤いヒナゲシ Papaver rohaes
ポルトガルの旗 ポルトガル ラベンダー Lavandula
ただし政府が公式に認めているわけではない
カーネーション Dianthus caryophyllus
1974年4月25日の「カーネーション革命」にちなむ
国樹 コルクガシQuercus suber
北マケドニア共和国の旗 北マケドニア ケシPapaver
マルタの旗 マルタ マルタヤグルマギク Cheirolophus crassifolius
モナコの旗 モナコ カーネーションDianthus caryophyllus
モルドバの旗 モルドバ なし クロッカスとする資料がある
モンテネグロの旗 モンテネグロ ミモザ Mimosa 種としてはフサアカシア Acacia dealbataギンヨウアカシア Acacia baileyana など
 ラトビア フランスギクLeucanthemum vulgare
マーガレットとする資料もある
 リトアニア ヘンルーダRuta graveolens
ヤグルマギクとする資料もある
リヒテンシュタインの旗 リヒテンシュタイン オレンジリリーLilium bulbiferum
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク バラ Rose
 ルーマニア ドッグローズRosa canina
ブルガリアに同じく香料向けドッグローズの栽培が盛んであるが、ブルガリアと異なりこちらはドッグローズを指定。
ロシアの旗 ロシア ヒマワリHelianthus annuus
ロシア帝国ソビエト連邦[16]から引き継いでいる。
カミツレMatricaria recutita

北アメリカ

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アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 バラ Rose
1985年、アメリカ合衆国上院は大統領に対しバラを国花とする決議を可決し1986年11月20日にロナルド・レーガン大統領がホワイトハウスのローズガーデンでその法律に署名し公布された[18]。画像の品種はプレジデント・ハーバート・フーバー
セイヨウオダマキ Aquilegia vulgarii
アメリカでは各州の州花が重視されるためほとんど知られていない。
アメリカ領ヴァージン諸島の旗 アメリカ領ヴァージン諸島 キンレイジュ Tecoma stans
ノウゼンカズラ科の1種。
アンティグア・バーブーダの旗 アンティグア・バーブーダ アグレイヴ・カラット Agave karatto
リュウゼツランの1種。
エルサルバドルの旗 エルサルバドル メキシコチモラン Yucca gigantea
ユッカの1種。
アラビカコーヒーノキ[19]Coffea arabica
カナダの旗 カナダ サトウカエデ Acer saccharum
 キューバ ホワイトジンジャーHedychium coronarium
新大陸諸国の国花は当該国の固有種から選ばれることが多いのだが、これはインド原産の外来種。標準和名はハナシュクシャ。
グアテマラの旗 グアテマラ モンハ・ブランカ Lycaste skinneri var alba
Monja Blancaスペイン語で白いシスターの意で、白変種のみそう呼ぶ。ランの1種で園芸名はシロバナミツビシラン。
グリーンランドの旗 グリーンランド ニヴィアルシアク Chamerion latifolium
Niviarsiaq現地イヌイットの言葉で女児を意味する。
グレナダの旗 グレナダ ブーゲンビリア Bougainvillea
ケイマン諸島の旗 ケイマン諸島 ワイルドバナナオーキッド Myrmecophilia thomsoniana
Wild banana orchidカトレヤの近縁種の1つ。ケイマン諸島固有種。
コスタリカの旗 コスタリカ グアリアンセ・スキネリ Guarianthe skinneri
カトレヤの1種だが現在ではグアリアンセ属に分類される。
セントクリストファー・ネイビスの旗 セントクリストファー・ネイビス ホウオウボク Delonix regia
オオゴチョウCaesalpinia pulcherrima
マメ科の1種。
セントビンセント・グレナディーンの旗 セントビンセント・グレナディーン[20] スーフリツリー Spachea perforatais
画像募集中
画像募集中
Soufriere treeキンノトラノオ科の1種。学名はSpachea elegansのシノニム[21]
セントルシアの旗 セントルシア[22] バラ Rose
マルグリット Gomphrena globosa
Marguerite園芸名はセンニチコウヒユ科の春撒き一年草。
ジャマイカの旗 ジャマイカ 国樹 ユソウボクGuaiacum officinale
ハマビシ科の1種。
ドミニカ国の旗 ドミニカ国 カリブウッドPoitea carinalis
画像募集中
画像募集中
マメ科の1種。真っ赤な花を咲かす。
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国 国樹 マホガニー Swietenia mahagoni
国花 バヤイベ・ローズBayahibe Rose
東部バヤイベ地方原産の、ダーク・ピンクの花弁。
トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ ヘリコニア(チャコニア)Warszewiczia coccinea
アカネ科の1種。
ニカラグアの旗 ニカラグア サクアンホーチェPlumeria alba
Sacuanjoche現地のナワトル語できれいなオレンジ色の花の意。プルメリアの1種。
国樹 商業名: デガメレモンウッドランスウッド Calycophyllum candidissimum
アカネ科の木本。木材が得られる[23]。ニカラグアのスペイン語ではマドロニョ(madroño)と呼ばれ、1971年8月23日に国樹として制定された[24]
ハイチの旗 ハイチ 国樹 ダイオウヤシRoystonea regia
カリブ海の島々と沿岸域に広く分布するヤシの1種。
パナマの旗 パナマ ペリステリア・エラタ Peristeria elata
ラン科セッコク亜科の1種。標準和名はハトラン。
バハマの旗 バハマ キンレイジュ Tecoma stans
バミューダ諸島の旗 バミューダ シシリンチウム・バミューディアナ Sisyrinchium bermudiana
ニワゼキショウの1種。
バルバドスの旗 バルバドス オオゴチョウ Caesalpinia pulcherrima
プエルトリコの旗 プエルトリコ セスペシア・グランディフローラ Thespesia grandiflora
画像募集中
画像募集中
フヨウ科の1種。
ベリーズの旗 ベリーズ プロステケア・コクレアタ Prosthechea cochleata
Encyclia cochleata, Anacheilium cochleatum, Epidendrum cochleatumシノニム。中国名は章魚蘭(タコラン)。
ホンジュラスの旗 ホンジュラス リンコレリア・ディグビアナ Rhyncholaelia digbyana
かつてブラッサボラ属に分類されていたので、現在もブラッサボラ・ディグビアナの方が通りが良い。1969年11月25日の政令第95号でそれまで国花だったバラに取って変わった。
メキシコの旗 メキシコ ダリア Dahlia

南アメリカ

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アルゼンチンの旗 アルゼンチン セイボErythrina crista-galli
ceibo標準和名はアメリカデイゴ。
ウルグアイの旗 ウルグアイ
エクアドルの旗 エクアドル バラ Rose
チュキラグア Chuquiraga jussieui
キク科の1種。
リカステ・スキンネリ Lycaste skinneri
国樹 アカキナノキ Cinchona pubescens
マラリヤの特効薬キニーネの原料。
ガイアナの旗 ガイアナ オオオニバス Victoria amazonica
 コロンビア カトレヤ・トリアナエ Cattleya trianae
カトレヤの1種。
アラビカコーヒーノキ[25]Coffea arabica
スリナムの旗 スリナム ファヤロビIxora macrothyrsa
画像募集中
画像募集中
Faja lobi現地の言葉で激しい愛を意味する。アカネ科サンタンカ属の1種。
 チリ コピウエ(ラパゲリア[26]) Lapageria rosea
標準和名ツバキカズラユリ目ツバキカズラ科。
セイボ(アメリカデイゴ[26])Erythrina crista-galli
パラグアイの旗 パラグアイ バンマツリ[27]Brunfelsia hopeana
ナス科の1種。
タベブイア・アルゲンテア[27]Tabebuia aureaシノニム: Tabebuia argentea; 和名: ギンヨウノウゼン
トケイソウ Passiflora
果実はパッションフルーツの名で取引されている。
ブラジルの旗 ブラジル 国樹ブラジルボクCaesalpinia echinata
ブラジルという国名の由来となった染料、蘇芳(ブラジリン)を産する木。1978年12月7日成立した第6607号法により国樹に制定された。
歴史イペー・アマレーロ Yellow ipe
Ipe-amarelo ポルトガル語で黄色いイペーの意。ノウゼンカズラ科タベブイア属英語版中で黄色の花を咲かせる7種ほどを指す。これらを国花とする法案が1950年代に国会に提出されたが結局成立しなかった。画像はコガネノウゼンHandroanthus chrysotrichus; シノニム: Tabebuia chrysotricha)。
イペー(Ipê[25][28]) Handroanthus impetiginosus
桃色の花を咲かすことから、近縁種と区別してIpê-rozo、Ipê-rosa(モモイロイペー)とも[28]タヒボの名で薬用植物としても知られる。
カトレヤ Cattleya, Laelia purpurata など
ブラジル産のカトレヤ属とその近縁種で、種小名まで定めない。画像は Laelia purpurata
フランスの旗 フランス領ギアナ セイヨウスイレン Nymphaea alba
盾章の下部に3花が描かれている。
ベネズエラの旗 ベネズエラ 国樹イエロー・トランペットツリー[29] Handroanthus chrysanthus(シノニム: Tabebuia chrysantha; 和名: キバナノウゼン
タベブイア・パリダ[25] Tabebuia pallida
フロール・デ・マヨCattleya mossiae
Flor de Mayo スペイン語で5月の花(メイフラワー)の意。カトレヤの1種。
カタセツム・ピレアヌムCatasetum pileatum
ペルーの旗 ペルー ヒマワリ[27]Helianthus annuus
カンツータCantua buxifolia
ハナシノブ科の1種。現地では「魔法の花」「インカの聖なる花」などと呼ばれる。
ボリビアの旗 ボリビア

オセアニア

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オーストラリアの旗 オーストラリア[30] ゴールデン・ワトル英語版 [注 12] Acacia pycnantha
アカシアの1種。
キリバスの旗 キリバス なし
クック諸島の旗 クック諸島 タヒチアン・ガーデニア Gardenia taitensis
サモアの旗 サモア レッドジンジャー Alpinia purpurata
ソロモン諸島の旗 ソロモン諸島 なし
ツバルの旗 ツバル なし
ただし国章はバナナの葉で囲われている。
トンガの旗 トンガ ヘイララ Garcinia sessilis
Heilala オトギリソウ科フクギ属の1種。マンゴスチンの仲間。トンガでは国王の誕生日にあわせヘイララ・フェスティバルが開催される。
ナウルの旗 ナウル なし インドソケイ Purumeria frangipani だとする資料もあるが根拠が示されていなし
ニュージーランドの旗 ニュージーランド コーファイ Sophora microphylla
kowhaiマオリ語で黄色を意味する。マメ科の1種で標準和名はハナミエンジュ
国樹 シルバー・ファーン Cyathea dealbata
英名 Silver Fern Tree, マオリ語名 Ponga(ポンガ)。
レプトスペルマム 和名はギョリュウバイ(御柳梅/魚柳梅)。
コル koru
未だ展開しきらない渦巻状のシダの新芽を指すマオリの言葉。種指定をしない、外見形状からの指定。
バヌアツの旗 バヌアツ なし
パプアニューギニアの旗 パプアニューギニア ラン Orchidaceae
ファレノプシス、デンドロビューム、バンダ、パフィオペディラム、など多くのランはパプアニューギニアが原産。画像はファノレプシスのタイプ種 Phalaenopsis amabilis
スイレン Nymphaea
画像はニューギニア原産の N. gigantea
ハイビスカスHibiskus rosa-sinensis
パラオの旗 パラオ ルー Bikkia palauensis
画像募集中
画像募集中
Rueアカネ科の1種。左は近縁の Bikkia philippinensis
フィジーの旗 フィジー タンギモウジア Medinilla waterhousei
画像募集中
画像募集中
tahng-ee-mow-theea ノボタン科の1種。フィジー国内でもタベウニ島の山中標高800〜1,000m辺りにしか産しない稀少固有種。
カトレア Cattleya
画像はカトレヤのタイプ種 Cattleya labiata
フランス領ポリネシアの旗 フランス領ポリネシア ティアレ Gardenia Taitensis
Tiareクック諸島のそれと同じ。
マーシャル諸島の旗 マーシャル諸島 ハテルマギリ Guettarda speciosa
アカネ科の1種。日本でも八重山諸島に自生。
ミクロネシア連邦の旗 ミクロネシア連邦 国花に関する定めはない [31]

注釈

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  1. ^ 北朝鮮には国花以上の政治的な意味を持つ花として指導者の名を冠した金日成花金正日花という花卉がある。
  2. ^ プルーンアンズアーモンドジャスミンなど。
  3. ^ 8月の第2日曜日は「メロンの日」と定められているが、メロンは国花とはみなされていない模様。
  4. ^ トルクメニスタンの国旗にはオリーブの枝が記されているが、これは同国が国際連合から「永世中立国」に認定されたのを記念する形で設けられたものであり、同国の国花には定められていない。
  5. ^ これらの他に日本国政府を表す意味で花とを図案化した桐花紋を用いる政府機関があるが、の花そのものを国花として扱うことはない。
  6. ^ 1997年ザイールの旗 ザイールから現国名に変更。
  7. ^ その他バラ Rose、アザレア Rhododendron simsii cv、シクラメン Cyclamen persicumなども国花とされるがどれもデージーのような根拠がない。
  8. ^ イタリア語のMargherita(マルゲリータ)はマーガレットも指すが、むしろヨーロッパに自生し古くから馴染みのあるデージーを指す。余談だがイタリア国旗と同じ配色を特徴とするピッツァ、マルゲリータも彼女に因む。
  9. ^ 巷説によると、即位の直前ヴィルヘルムはナポレオン3世を戦いで破っており、その際幼少の頃若くして亡くなった母后ルイーゼとの思い出(ナポレオン軍にベルリンを追われ、そこからの逃亡の途上ルイーゼがヴィルヘルムの頭にこの花で編んだ冠を被せ、この花が咲き乱れる畑に静かに隠れるように諭したことがあったとされる)を追憶したので選ばれたこととされている。しかし公的には、花色が当時のプロシア軍服と同じ色だったから、と、なっている。また当時の作家テオドール・フォンターネは、単にヴィルヘルムの個人的嗜好によるものとしている。
  10. ^ 矢車菊がシンボルになったのは大量に犠牲者がでた第一次世界大戦の後であり、退役軍人や戦争の犠牲者や孤児を象徴するものだった。2次大戦戦勝記念日の祭日のときは、フランス語版Googleのトップページには矢車菊の花がついている。矢車菊の花がフランスを表していることがあり、スポーツでも国を代表する選手たちは矢車菊のマークを付けていることが多い。
  11. ^ フランスではフランス菊の事をマーガレットと呼ぶ。
  12. ^ 妻鹿(1990) p.146 ではフサアカシア Acacia dealbata としているが誤記のようである。同資料では他にユーカリ Eucalyptus、プロテア・スペキオパ Protea speciopaも国花としているが、それらをオーストラリア国花とする資料は他に見当たらなし。

出典

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  1. ^ a b 妻鹿(1990) p.34
  2. ^ Keputusan Presiden No. 4 Tahun 1993 Tentang:Satwa Dan Bunga Nasional”. 2012年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月7日閲覧。
  3. ^ 妻鹿(1990) p.18
  4. ^ ROYAL DECREE on Designation of Animals and Plants as National Symbols of the Kingdom of Cambodia”. Forestry Administration of Cambodia. 2012年12月19日閲覧。
  5. ^ 妻鹿(1990) p.23
  6. ^ 中國的國花是牡丹?告訴你這是一個錯誤的認識”. 2012年12月11日閲覧。
  7. ^ 妻鹿(1990) p.36
  8. ^ 小学館デジタル大辞泉「国花」”. 2012年12月22日閲覧。
  9. ^ Constitution of Bangladesh – Chapter I”. 2008年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月19日閲覧。
  10. ^ コーナー, E. J . H.渡辺, 清彦『図説熱帯植物集成』廣川書店、1969年。 
  11. ^ 妻鹿(1990) p.26
  12. ^ https://es.ucoin.net/coin/andorra-2-centims-2002/?tid=52059
  13. ^ a b 妻鹿(1990) p.70
  14. ^ 妻鹿(1990) p.74
  15. ^ a b 妻鹿(1990) p.79
  16. ^ a b 妻鹿(1990) p.81
  17. ^ Danish Nature Agency Archived 2012年9月12日, at Archive.is (デンマーク語)
  18. ^ National Rose Garden (英語)
  19. ^ 妻鹿(1990) p.110
  20. ^ National Flower
  21. ^ Facts about the Soufriere Tree
  22. ^ the national flowers
  23. ^ エイダン・ウォーカー 編『世界木材図鑑』乙須敏紀 訳、産調出版、2006年、65頁。ISBN 4-88282-470-1(原書: The Encyclopedia of Wood, Quarto, 1989 & 2005.)
  24. ^ El Madroño, Arbol Nacional - Nicaragua Educa. 2019年5月23日閲覧。
  25. ^ a b c 妻鹿(1990) p.115
  26. ^ a b 妻鹿(1990) p.117
  27. ^ a b c 妻鹿(1990) p.116
  28. ^ a b 坂崎信之著『トロピカル・ガーデニング・マニュアル 日本で育つ熱帯花木植栽事典』アボック社、1998年5月10日、987-988頁、ISBN 4-900358-44-4
  29. ^ コリン・リズデイルスペイン語版、ジョン・ホワイト、キャロル・アッシャー 著、杉山明子、清水晶子 訳『知の遊びコレクション 樹木』新樹社、2007年、333頁。ISBN 978-4-7875-8556-1(原書: Eyewitness Companions: Trees, Dorling Kindersley, London, 2005.)
  30. ^ Australia's Floral Emblem”. Australian National Botanic Gardens. 2012年12月19日閲覧。
  31. ^ 在日本ミクロネシア連邦大使館 ミクロネシア連邦概況 3ページから。

参考文献

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関連項目

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