逆べき乗法(逆冪乗法、ぎゃくべきじょうほう)もしくは逆反復(法)とは、ある n × n {\displaystyle n\times n} の行列 A {\displaystyle \mathbf {A} } が正則行列であるときに、行列 A {\displaystyle \mathbf {A} } の固有値のうち、絶対値最小のものを求める手法である。
具体的には、適当な初期ベクトル y ( 0 ) {\displaystyle \mathbf {y} ^{(0)}} から始めて、逐次
を計算することで、 y ( k ) {\displaystyle \mathbf {y} ^{(k)}} が A {\displaystyle \mathbf {A} } の絶対値最小の固有値 λ n {\displaystyle \lambda _{n}} に属する固有ベクトルに収束していくことを利用し、
により絶対値最小の固有値を得る。
絶対値最大の固有値を求める手法としてはべき乗法が有名である。逆べき乗法は行列 A − 1 {\displaystyle \mathbf {A} ^{-1}} に対してべき乗法を適用しているため、収束の証明はべき乗法と同様である。