1965年のテレビ (日本)
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1965年のテレビ(1965ねんのテレビ)では、1965年(昭和40年)の日本におけるテレビジョン放送全般の動向についてまとめる。
できごと
[編集]- 1月2日 - フジテレビ系で『第2回新春ポピュラー歌手かくし芸大会』を放送。前回は司会を置かなかったが、今回より高橋圭三が司会を担当、以後高橋は1985年の第22回まで司会を担当し、正月の顔となる。なおこの回は22:00 - 23:30の『夜の十時劇場』(翌年の第3回も)で生放送されたが、同番組の生放送は1996年の第33回まで中断する。
- 1月3日 - NHK大河ドラマ第3作『太閤記』放送開始(原作・吉川英治、出演・緒形拳、高橋幸治 - 12月26日)[1]。織田信長役の高橋幸治に「助命嘆願」の投書が殺到した[2]。
- 1月7日 - TBS系で、テレビアニメ『スーパージェッター』(丸美屋食品工業一社提供)放送開始。日本で初めてテレビ局が著作権を獲得し、それで収益を得る事が可能になった。
- 1月10日 - NHKの大相撲中継のカラー放送が、この日の蔵前国技館で行われた、初場所の初日の中継から開始[3](その後、名古屋場所での開催は同年6月27日、福岡での九州場所の開催は同年11月7日、大阪場所での開催は翌年3月13日の各々初日の中継から、カラー化された[4])。
- 3月12日 - 日本テレビ系で、演芸番組『金曜夜席』が放送開始。司会は立川談志で、2020年現在も続く『笑点』の源流である( - 1966年4月22日)。
- 3月24日 - NHK、「番組ネットについての契約書」を沖縄テレビ放送と締結。放送番組の提供をきめる[注 1]。
- 4月2日 - 日本テレビ系で、視聴者参加型番組『踊って歌って大合戦』(花王石鹸〈現:花王〉一社提供)放送開始。初代林家三平の豪快な司会で人気を集めるが、「低俗番組」と批判される様となった。[6]。
- 4月5日
- 4月9日 - TBS系、ドラマ『ザ・ガードマン』放送開始。宇津井健の代表作であり共演した中条静夫、藤巻潤、倉石功、川津祐介、神山繁らの出世作となる(〜1971.12.24[注 2]) [2]。
- 5月1日 - フジテレビ系で、NHKを退職したばかりのフリーアナウンサー小川宏を司会に迎えたワイドショー番組『奥さまスタジオ 小川宏ショー』放送開始。1982年3月31日まで続く[6]。
- 5月6日 - 毎日放送、13時から放送の番組『ママの育児日記』の生放送中に、社内で春闘ストライキ中の毎日放送労働組合員の労働歌や声が混入する事態が発生。通称「ママ育」事件が発生する[10][11]。
- 5月8日 - フジテレビ系で、竜の子プロダクション(現:タツノコプロ)制作によるテレビアニメ第1号作品『宇宙エース』(原作:吉田竜夫)が放送開始( - 1966年4月28日)
- 6月7日 - フジテレビ系の音楽番組『ミュージックフェア』(塩野義製薬一社提供)の司会者が交代(左幸子→長門裕之・南田洋子夫妻)。長門・南田夫妻は1981年12月24日まで16年司会を務め、番組の顔となる。
- 7月27日 - フジテレビ系で、日清食品一社提供による子供向け歌合戦番組『日清ちびっこのどじまん』放送開始。当初は前々番組『地上最大のクイズ』の司会者だった桂小金治が司会を担当したが、間もなく大村崑に交代、1969年9月まで継続する[1]。
- 8月13日 - NHKの「全国高等学校野球選手権大会」(於:甲子園球場)の中継が、この日の開会式からカラー化される(春の高校野球である「選抜高等学校野球大会」も、翌年3月26日の開会式の中継からカラー化)。[4]
- 8月29日 - TBS系「不二家の時間」枠で、日本最初のギャグテレビアニメ『オバケのQ太郎』(藤子不二雄原作)放送開始( - 1967年6月28日、全96回)[1]。なお前週の8月22日には前夜祭番組『オバQ誕生』を放送した。
- 10月1日 TBS、Aタイム(ゴールデンタイムとよばれる19時から21時)の5秒スポットCM中止を決定。5秒スポットは1962年に登場し、費用面で難しかった中小企業のテレビCM参加を容易にはしたがやがて大手に波及。「おめぇヘソねぇじゃねえか」「いっぱいやっか」など、内容も意味のないキャッチフレーズが氾濫する結果となった。[12][13]
- 10月4日 - NHK放送センター(東京都渋谷区神南)に全長600mの見学コース(後のNHKスタジオパーク)がオープン[14] [15]
- 10月6日 - フジテレビ系で、日本最初のカラーテレビアニメ『ジャングル大帝』(手塚治虫原作、三洋電機一社提供)放送開始(1966年10月より『ジャングル大帝 進めレオ!』と改題、1967年3月まで放送)。日本PTA全国協議会が少年・家庭向け優良番組として推薦。[13]
- 10月24日
- 11月8日 - 日本テレビ・よみうりテレビ系で深夜番組の草分け『11PM』放送開始。日本テレビ制作分の初代司会者は山崎英祐(当時週刊読売編集長)が務め、よみうりテレビ制作分は長年にわたって作家の藤本義一が司会を務めた( - 1990年3月30日)。また同日、朝の子供向け番組『おはよう!こどもショー』が放送開始( - 1980年9月)。
- 11月18日 - 毎日放送・NET系、テレビ時代劇『源氏物語』放送開始。同番組は翌年、エミー賞国際賞のフィクション部門に入賞する。[17]
- 12月25日 - TBS系で『第7回日本レコード大賞』生中継。大賞は美空ひばりの「柔」。
- 12月31日 - 第16回NHK紅白歌合戦放送。歴代紅白のカラー放送による現存するVTR映像では、この回が最古となる。また同日、『紅白』真裏のNET系で演芸特別番組『笑って笑って大合戦』を開始、1968年まで継続する。
既存局のカラー放送開始
[編集]視聴率
[編集]- 第16回NHK紅白歌合戦(NHK総合、12月31日)78.1%
- 世界バンタム級タイトルマッチ「ファイティング原田×アラン・ラドキン」(フジテレビ、11月30日)60.4%
- ついに帰らなかった吉展ちゃん(NHK総合、7月5日)59.0%
- ニュース(NHK総合、12月31日 21:00-21:05)58.8%
- 世界バンタム級タイトルマッチ「ファイティング原田×エデル・ジョフレ」(フジテレビ、5月18日)54.9%
- ニュース(NHK総合、7月5日 8:00-8:15)53.6%
- プロレスリング「WWA世界選手権・豊登×ザ・デストロイヤー」(日本テレビ、2月26日)51.2%
- 連続テレビ小説 うず潮(NHK総合、2月12日)47.8%
- スタジオ102(NHK総合、9月17日)47.4%
- ニュース(NHK総合、9月17日 7:00-7:21)46.7%
- 連続テレビ小説 たまゆら(NHK総合、7月5日)44.7%
- そっくりショー(日本テレビ、3月30日)43.0%
- ゆく年くる年(NHK総合、12月31日)42.1%
- てなもんや三度笠(TBS、11月21日)41.6%
- 大河ドラマ 太閤記(NHK総合、10月17日)39.7%
- アベック歌合戦(日本テレビ、1月25日)38.6%
- 奥様劇場・愛染かつら(フジテレビ、8月20日)38.5%
-
- ただいま11人(TBS、6月10日)38.4%
- 7時のニュース(NHK総合、9月17日)38.4%
- プロ野球日本シリーズ・第2戦「南海×巨人」(日本テレビ、10月31日)38.3%
テレビ番組
[編集]テレビドラマ
[編集]- NHK
- 日本テレビ系
- チコといっしょに(カラー)(主演:本間千代子)[21]
- 男ごごろ(カラー)(主演:渥美清、八千草薫)[21]
- ママとおふくろ(主演:西郷輝彦、淡島千景、清川虹子)
- 0011ナポレオン・ソロ
- 河内カルメン(読売テレビ、主演:山田五十鈴)
- TBS系
- フジテレビ系
- NETテレビ系
- 源氏物語(毎日放送)[17]
子供向けドラマ
[編集]- 日本テレビ系
- 009!!大あばれ、とんま天狗(読売テレビ、主演:大村崑)
- TBS系
- チャコちゃんハーイ!(主演:四方晴美) - 『チャコちゃんシリーズ』初の木曜19時30分枠
- 青春をぶっつけろ!
- 新・名犬ラッシー
- 新・隠密剣士(主演:林真一郎)
- いとはんと丁稚どん(朝日放送、主演:大村崑)
- バックナンバー333(朝日放送、主演:大瀬康一)
- NETテレビ系
- 東京12チャンネル
特撮番組
[編集]- スパイキャッチャーJ3(NETテレビ)(主演:川津祐介)
テレビアニメ
[編集]- スーパージェッター(TBS)
- 宇宙パトロールホッパ → パトロールホッパ・宇宙っ子ジュン(NETテレビ)
- ドルフィン王子(カラー)(フジテレビ) - カラー実験アニメ
- 宇宙人ピピ(NHK総合)
- 宇宙少年ソラン(TBS)
- 科学少年J.Q(TBS)
- 宇宙エース(フジテレビ)- タツノコプロ第1回作品
- 怪盗プライド(フジテレビ)
- 遊星少年パピイ(フジテレビ)
- W3(フジテレビ)
- オバケのQ太郎(第1作)(TBS)
- ジャングル大帝(第1作)(カラー)(フジテレビ)- 日本初のカラーアニメ作品
- ヘッケルとマイティ(フジテレビ) - 『ちびっこのどじまん』開始までのつなぎ番組
- ハッスルパンチ(NETテレビ)
- 戦え!オスパー(日本テレビ) - 日本テレビ初のアニメ
ワイドショー番組
[編集]バラエティ番組
[編集]- おはよう!こどもショー(日本テレビ)
- 九ちゃん!(日本テレビ)
- 金曜夜席(3月12日開始、11月5日よりカラー[23])(日本テレビ)[注 3]
- 踊って歌って大合戦(日本テレビ)
- 日立ファミリーステージ 圭三ミュージカルプレゼント(日本テレビ)
- クレージーキャッツの重大ニュース(日本テレビ、毎年12月) - 1969年まで放送。
- アキレスてんてこゲーム(読売テレビ)
- プロポーズ作戦(読売テレビ)
- サンデーわいわいワイドショー(TBS)
- ゲーム・ゲーム・ショー(TBS)
- スターの広場(フジテレビ)
- 待ッテマシタ!(フジテレビ)
- 爆笑ダイヤモンドショー(フジテレビ)
- すきっと笑いまショー(毎日放送)
- 土曜(→木曜)寄席(毎日放送)
- 笑って笑って大合戦(NETテレビ、12月31日) - 1968年まで放送。
クイズ番組
[編集]- ジェット・ジェット・ショー(カラー)(日本テレビ)[24]
- これがクイズだ(カラー)(日本テレビ)[24]
- クイズ ホップ・ステップ・ジャンプ(毎日放送)
音楽番組
[編集]- 音楽は世界をめぐる(カラー)(NHK総合)[25]
- 若さとリズム(カラー)(NHK総合)
- ビートNo.1(日本テレビ)
- 世界へとび出せ ニューエレキサウンド(日本テレビ)
- ジャニーズナインショー(カラー)(日本テレビ)[24]
- ビッグヒットショー(カラー)(日本テレビ)[21][24]
- 勝ち抜きしりとり歌合戦(カラー)(日本テレビ)[24]
- 青春歌謡ショー(読売テレビ)
- 春の歌まつり(TBS) - 『チエミ大いに』開始までのつなぎ番組
- チエミ大いに歌う(TBS)
- ヤングショー(TBS) - 『いとはん』開始までのつなぎ番組
- 歌え!太陽(TBS)
- TBS歌謡曲ベストテン(TBS)
- ビクター夢のスタジオ(TBS)
- 歌の祭典(TBS)
- 舟木一夫ショー(TBS) - 『わいわいワイドショー』開始までのつなぎ番組
- 東芝 歌うプレゼントショー(TBS)
- 歌え!一億(フジテレビ)
- リズム歌合戦(フジテレビ)
- ラップ・ラップ・ショー(フジテレビ)
- 歌う青春カーニバル(フジテレビ) - 『エレキ合戦』開始までのつなぎ番組
- 勝ち抜きエレキ合戦(フジテレビ)
- テレビ電話リクエスト(フジテレビ)
- ゴールデン歌まつり(フジテレビ)
- 日清ちびっこのどじまん(フジテレビ)
- キャロン歌の三冠王(NETテレビ)
トーク番組
[編集]- おやじバンザイ(朝日放送)
- テレビ銀婚式 すてきな夫婦(カラー)(日本テレビ)[24]
- スター登場(日本テレビ)
教養・ドキュメンタリー番組
[編集]スポーツ番組
[編集]- がんばれ巨人軍(日本テレビ)
既存番組のカラー化
[編集]- 大相撲本場所中継(NHK総合)- 初場所で初のカラー放送[3]。次の大阪場所はモノクロ。その次の5月場所から、毎場所カラー放送となる[4]。
- NHKのど自慢全国コンクール優勝大会(NHK総合)- この年(第18回)から(この年は3月21日放送)[26]
- テレビ演芸館(NHK総合)- 4月7日から[27]
- 全国高等学校野球選手権大会(NHK総合)- この年(8月13日の開会式から)よりカラー放送開始。[4]
- 国民体育大会(NHK総合)- 10月24日から開催された第20回大会からカラー化。[16]
参考文献
[編集]- 日本放送協会 編『NHK年鑑'65』日本放送出版協会、1965年10月25日 。[28]
- 日本放送協会 編『NHK年鑑'66』日本放送出版協会、1966年9月30日 。[29]
- 日本放送協会 編『放送五十年史』日本放送出版協会、1977年3月10日 。
- 日本放送協会 編『放送五十年史 資料編』日本放送出版協会、1977年3月10日 。
- NHK 編『放送の五十年 昭和とともに』日本放送出版協会、1977年3月30日 。
- 「NHK大河ドラマ大全」(NHK出版、2011年)
- NHKアーカイブス
など
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d 放送五十年史資料編 788頁 日本放送協会編
- ^ a b c 増補新版現代世相風俗史年表 世相風俗観察会編 132頁 河出書房新社
- ^ a b 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'65』日本放送出版協会、1965年、216頁。
- ^ a b c d 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'66』日本放送出版協会、1966年、172頁。
- ^ 書籍「放送五十年史」 828頁、および「放送五十年史資料編」 788頁(共に日本放送協会編)
- ^ a b 増補新版現代世相風俗史年表 世相風俗観察会編 131頁 河出書房新社
- ^ 『放送の五十年 資料編』, p. 634.
- ^ 『放送の五十年 資料編』, p. 789.
- ^ 増補新版現代世相風俗史年表 世相風俗観察会編 131、293頁 河出書房新社
- ^ 毎日放送50年史編纂委員会事務局『毎日放送50年史』株式会社 毎日放送、2001年9月1日、480頁。
- ^ 中央労働委員会 命令書(中央労働委員会 昭和44年7月2日付)(厚生労働省のサイト)(2024年8月13日閲覧)
- ^ 『放送の五十年』, p. 530、531.
- ^ a b 『放送の五十年 資料編』, p. 793.
- ^ スタジオパーク 思い出写真館 | NHKスタジオパーク
- ^ 『放送の五十年 資料編』, p. 792.
- ^ a b 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'66』日本放送出版協会、1966年、36,172頁。
- ^ a b 毎日放送50年史編纂委員会事務局『毎日放送50年史』株式会社 毎日放送、2001年9月1日、481頁。
- ^ NHK年鑑'66 P.30
- ^ NHK年鑑'66 P.42
- ^ あの時の視聴率 1965年 ビデオリサーチ
- ^ a b c 日本テレビ放送網株式会社 社史編纂室『大衆とともに25年 沿革史』日本テレビ放送網、1978年8月、463頁。NDLJP:11954641/247。
- ^ 朝日新聞 1965年12月5日 朝刊9ページ テレビ欄(朝日新聞クロスサーチで閲覧)
- ^ 朝日新聞 1965年11月5日 朝刊 P.9 テレビ欄(朝日新聞クロスサーチで閲覧)
- ^ a b c d e f 日本テレビ放送網株式会社 社史編纂室『大衆とともに25年 沿革史』日本テレビ放送網、1978年8月、465頁。NDLJP:11954641/248。
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部『NHK年鑑'67』日本放送出版協会、1967年、145頁。
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部『NHK年鑑'65』日本放送出版協会、1965年、178,187頁。
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部『NHK年鑑'67』日本放送出版協会、1967年、129頁。
- ^ NHK nenkan - Google Books
- ^ NHK nenkan - Google Books