国鉄タム400形貨車
国鉄タム400形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 日本貨物鉄道 |
所有者 | 保土谷化学工業、日産化学工業、宇部興産等 |
製造所 | 新潟鐵工所、三菱重工業、日立製作所、日本車輌製造等 |
製造年 | 1926年(大正15年) - 1968年(昭和43年) |
種車 | リ2510形、ア2560形 |
改造年 | 1928年(昭和3年) |
消滅 | 1989年(平成元年) |
常備駅 | 郡山駅、速星駅、宇部港駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 濃硫酸及び発煙硫酸 |
化成品分類番号 | 侵(禁水)84 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 5,380 mm - 8,000 mm |
全幅 | 2,004 mm - 2,388 mm |
全高 | 3,135 mm - 3,425 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 15 t |
実容積 | 8.0 m3 - 9.3 m3 |
自重 | 8.0 t - 10.3 t |
換算両数 積車 | 2.4 |
換算両数 空車 | 1.0 |
走り装置 | 一段リンク式→二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 2,743 mm - 4,000 mm |
最高速度 | 65 km/h→75 km/h |
国鉄タム400形貨車(こくてつタム400がたかしゃ)は、かつて鉄道省、運輸通信省、運輸省、日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
本形式より改造され別形式となったタム20400形についても本項目で解説する。
タム400形
[編集]タム400形は、1928年(昭和3年)の車両称号規程改正によりリ2510形(リ2510、リ2511→タム400、タム401)、ア2560形(ア2560、ア2561→タム402、タム403)の合計4両を改番し誕生した形式である。種車となったリ2510形は1926年(大正15年)に新潟鐵工所にて製造された車両である。
タム400形となった後も1968年(昭和43年)9月10日までの40年間に渡り417両(タム400 - タム499、タム1400 - タム1698、タム10400 - タム10417)が新潟鐵工所、三菱重工業、日立製作所、日本車輌製造等にて製造または改造編入された。またその後本形式より多数の車両が改造され他形式車となった。
本形式の他に「濃硫酸」又は「濃硫酸及び発煙硫酸」を専用種別とする貨車は、タキ300形(469両)、タキ4000形(351両)、タキ5750形(500両)、タキ29300形(62両)、タキ46000形(71両)等実に21形式が存在した。
貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、軸距3,500mm未満の車両は強制廃車された。軸距3,500mm以上の大半の車両は軸ばね支持方式が二段リンク式に改造され、最高運転速度は65km/hから75km/hへ引き上げられた。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。
長年にわたり増備されたためロットによる寸法の幅が広い。全長は5,380mm - 8,000mm、全幅は2,004mm - 2,388mm、全高は3,135mm - 3,425mm、軸距は2,743mm - 4,000mm、実容積は8.0m3 - 9.3m3、自重は8.0t - 10.3t、換算両数は積車2.4、空車1.0、車軸は12t長軸であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には9両(タム1556、タム1557、タム10402 - タム10407、タム10410)の車籍がJR貨物に継承されたが、1989年(平成元年)11月に最後まで在籍した1両(タム10410)が廃車となり同時に形式消滅となった。
タム20400形
[編集]国鉄タム20400形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 東酸商事、日曹金属、チッソ、三井東圧化学 |
種車 | タム400形 |
改造年 | 1968年(昭和43年) |
改造数 | 15両 |
消滅 | 1973年(昭和48年) |
常備駅 | 南延岡駅、磐梯町駅、水俣駅、豊沼駅、東室蘭駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒+黄1号の帯 |
専用種別 | 濃硫酸及び発煙硫酸 |
化成品分類番号 | 制定前に形式消滅 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,500 mm 8,000 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 15 t |
実容積 | 8.9 m3 |
自重 | 9.3 t |
換算両数 積車 | 2.4 |
換算両数 空車 | 1.0 |
走り装置 | 一段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 3,500 mm、4,000 mm |
最高速度 | 65 km/h |
タム20400形は濃硫酸及び発煙硫酸専用の15 t 積み私有貨車(タンク車)である。
当初タム400形の軸ばね支持装置は一段リンク式であったが、貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、大半の車は二段リンク式に改造したが、二段リンク化の対象外となった車両が15両(ロタム20424 - ロタム20426、ロタム20429、ロタム20430、ロタム20435 - ロタム20437、ロタム20488 - ロタム20489、ロタム21419、ロタム21493、ロタム21526、ロタム21570 - ロタム21571)残り、区別のため別形式(タム20400形)とした。車番は現番号に「20000」を加える形となった。改造内容は標記類の書き換え以外何もなく、むしろ本形式の方が本来のタム400形ともいえる。
識別のため記号に「ロ」が追加され「ロタム」となり黄色(黄1号)の帯を巻いている。更に北海道内を常備駅とした車両は識別の「ロ」を丸で囲んだ通称マルロが使用され、タンク体には同色で「道外禁止」と標記された。
全長は7,500 mm - 8,000 mm、実容積は8.9 m3、自重は9.3 t、換算両数は積車2.4、空車1.0、最高運転速度は65 km/h、車軸は12 t長軸であった。
1973年(昭和48年)9月12日に最後まで在籍した3両(ロタム21419、ロタム21570、ロタム21571)が廃車となり、同時に形式消滅となった。
参考文献
[編集]- 『レイルマガジン』通巻140号(1995年5月・ネコ・パブリッシング)
- 吉岡心平「私有貨車セミナー」 pp. 74-77
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)