国鉄タム2400形貨車
国鉄タム2400形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 日本国有鉄道 日本貨物鉄道 |
所有者 | 大日本セルロイド→ダイセル→ダイセル化学工業、電気化学工業 |
製造所 | 汽車製造、新潟鐵工所、日立製作所、富士重工業 |
製造年 | 1951年(昭和26年) - 1964年(昭和39年) |
製造数 | 7両 |
消滅 | 1991年(平成3年) |
常備駅 | 新井駅、青海駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 酢酸、無水酢酸 |
化成品分類番号 | 燃侵38 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 8,200 mm |
全幅 | 2,320 mm |
全高 | 3,697 mm |
タンク材質 | 純アルミニウム、ステンレス鋼 |
荷重 | 15 t |
実容積 | 18.3 m3 |
自重 | 14.2 t |
換算両数 積車 | 2.4 |
換算両数 空車 | 1.0 |
走り装置 | 一段リンク式→二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 4,200 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タム2400形貨車(こくてつタム2400がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
[編集]本形式は、酢酸、無水酢酸専用の15t 積タンク車として1951年(昭和26年)3月16日から1964年(昭和39年)11月30日にかけて5ロット7両(タム2400 - タム2406)が、汽車製造、新潟鐵工所、日立製作所、富士重工業の4社で製作された。3両(タム2400 - タム2402)が無水酢酸専用車、4両(タム2403 - タム2406)が酢酸専用車である。
落成時の所有者は、大日本セルロイド(社名はその後ダイセルを経てダイセル化学工業となった。現在では再度ダイセル。)、電気化学工業の2社であった。夫々の常備駅は、信越本線の新井駅、北陸本線の青海駅であった。
電気化学工業所有車の内1両(タム2406)は、チッソへ名義変更された。
タンク体材質は、所有者により違いがあり大日本セルロイド所有車5両(アタム2400 - アタム2404)はアルミニウム製、電気化学工業所有車2両(タム2405 - タム2406)はステンレス鋼製であった。アルミニウム製の車両の記号番号表記は、破損防止の注意喚起のため副記号「ア」を冠し、「アタム」と称し、タンク体には「純アルミ」と標記された。
荷役方式は全車ともマンホールからの上入れ、空気管と液出管を用いた空気圧による上出し方式である。両管はタム2406を除く全車がS字管を装備している。
貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、一段リンク式として落成した6両(タム2400 - タム2405)の軸ばね支持方式が二段リンク式に改造された。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃侵38」(燃焼性の物質、侵食性の物質、引火性液体、腐食性のあるもの)が標記された。車両によっては「燃侵83」、「侵燃83」と標記されていることもあるが、意味は同じである。
全長は8,200mm、全幅は2,320mm、全高は3,697mm、軸距は4,200mm、自重は9.4t - 11.7t、換算両数は積車2.4、空車1.0である。
1987年4月の国鉄分割民営化時には2両(アタム2403 ,アタム2404)がJR貨物に継承されたが、1991年(平成3年)6月に最後まで在籍した1両(アタム2403)が廃車となり形式消滅した。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和25年度 - 3両
- 汽車製造 3両 大日本セルロイド(アタム2400 - アタム2402)
- 昭和29年度 - 2両
- 新潟鐵工所 1両 大日本セルロイド(アタム2403)
- 新潟鐵工所 1両 大日本セルロイド(アタム2404)
- 昭和30年度 - 1両
- 日立製作所 1両 電気化学工業(タム2405)
- 昭和39年度 - 1両
- 富士重工業 1両 電気化学工業(タム2406)
参考文献
[編集]- 植松昌「酢酸・無水酢酸タンク車」、『鉄道ピクトリアル』 No. 606、1995年6月
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)