1996年ウィンブルドン選手権
1996年 ウィンブルドン選手権(1996ねんウィンブルドンせんしゅけん、The Championships, Wimbledon 1996)は、イギリス・ロンドン郊外にある「オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ」にて、1996年6月24日から7月7日にかけて開催された。
シード選手
[編集]男子シングルス
[編集]ピート・サンプラス (ベスト8)
ボリス・ベッカー (3回戦)
アンドレ・アガシ (1回戦)
ゴラン・イワニセビッチ (ベスト8)
エフゲニー・カフェルニコフ (1回戦)
マイケル・チャン (1回戦)
- (大会開始前に棄権)
ジム・クーリエ (1回戦)
トーマス・エンクビスト (2回戦)
ミヒャエル・シュティヒ (4回戦)
ウェイン・フェレイラ (3回戦)
ステファン・エドベリ (2回戦)
トッド・マーティン (ベスト4)
マルク・ロセ (3回戦)
アルノー・ブッチ (1回戦)
セドリック・ピオリーン (4回戦)
女子シングルス
[編集]シュテフィ・グラフ (優勝、2年連続7度目)
モニカ・セレシュ (2回戦)
コンチタ・マルティネス (4回戦)
アランチャ・サンチェス・ビカリオ (準優勝)
アンケ・フーバー (3回戦)
ヤナ・ノボトナ (ベスト8)
チャンダ・ルビン (大会開始前に棄権)
リンゼイ・ダベンポート (2回戦)
メアリー・ジョー・フェルナンデス (ベスト8)
マグダレナ・マレーバ (2回戦)
ブレンダ・シュルツ=マッカーシー (3回戦)
伊達公子 (ベスト4)
マリー・ピエルス (ベスト8)
アマンダ・クッツァー (2回戦)
イリナ・スピールリア (2回戦)
マルチナ・ヒンギス (4回戦)
カリナ・ハブスドバ (1回戦) [第7シード・ルビンが棄権のため繰り上げ]
大会経過
[編集]男子シングルス
[編集]準々決勝
リカルト・クライチェク vs.
ピート・サンプラス 7-5, 7-6, 6-4
ジェイソン・ストルテンバーグ vs.
ゴラン・イワニセビッチ 6-3, 7-6, 6-7, 7-6
トッド・マーティン vs.
ティム・ヘンマン 7-6, 7-6, 6-4
マラビーヤ・ワシントン vs.
アレックス・ラドゥレスク 6-7, 7-6, 5-7, 7-6, 6-2
準決勝
リカルト・クライチェク vs.
ジェイソン・ストルテンバーグ 7-5, 6-2, 6-1
マラビーヤ・ワシントン vs.
トッド・マーティン 5-7, 6-4, 6-7, 6-3, 10-8
女子シングルス
[編集]準々決勝
シュテフィ・グラフ vs.
ヤナ・ノボトナ 6-3, 6-2
伊達公子 vs.
マリー・ピエルス 3-6, 6-3, 6-1
アランチャ・サンチェス・ビカリオ vs.
ジュディス・ヴィースナー 6-4, 6-0
メレディス・マグラス vs.
メアリー・ジョー・フェルナンデス 6-3, 6-1
準決勝
シュテフィ・グラフ vs.
伊達公子 6-2, 2-6, 6-3
アランチャ・サンチェス・ビカリオ vs.
メレディス・マグラス 6-2, 6-1
決勝戦の結果
[編集]- 男子シングルス
リカルト・クライチェク vs.
マラビーヤ・ワシントン 6-3, 6-4, 6-3
- 女子シングルス
シュテフィ・グラフ vs.
アランチャ・サンチェス・ビカリオ 6-3, 7-5
- 男子ダブルス
マーク・ウッドフォード&
トッド・ウッドブリッジ vs.
バイロン・ブラック&
グラント・コネル 4-6, 6-1, 6-3, 6-2
- 女子ダブルス
マルチナ・ヒンギス&
ヘレナ・スコバ vs.
メレディス・マグラス&
ラリサ・ネーランド 5-7, 7-5, 6-1
- 混合ダブルス
シリル・スーク&
ヘレナ・スコバ vs.
マーク・ウッドフォード&
ラリサ・ネーランド 1-6, 6-3, 6-2
みどころ
[編集]- 7月4日の女子シングルス準決勝で、伊達公子とシュテフィ・グラフの対戦が世界中のテニスファンを沸かせた。第1セットをグラフが 6-2 で先取した後、第2セットを伊達が 6-2 で奪い返して1セット・オールになったところで試合が日没順延となり、最終第3セットは7月5日の(現地時間)午前11時に持ち越された。再開された第3セットをグラフが 6-3 で奪い、伊達は4大大会女子シングルスで1994年全豪オープン、1995年全仏オープンに続く3度のベスト4進出の成績を残した。この第3セットの模様は、日本には午後7時のNHKニュースの時間を返上して生中継された。第2セット・第7ゲームの途中で観客の1人がグラフに“呼びかける”ハプニングもあり、この試合は海外のテニス・ジャーナリズムにも今なお語り継がれている。
- 女子シングルス決勝は、2年連続でグラフとサンチェスの対戦になった。伊達との準決勝を乗り切ったグラフは、これで4大大会通算「20勝」の大台に乗り(全豪オープン4勝+全仏オープン5勝+ウィンブルドン7勝+全米オープン4勝=20勝)、マーガレット・コート夫人の「24勝」に続く女子歴代2位に躍進した。ウィンブルドン7勝は、ドロテア・ダグラス・チェンバース(1878年 - 1960年)と並ぶ女子歴代3位タイ記録。
- 男子シングルス決勝は、大会史上初めてリカルト・クライチェク(オランダ)とマラビーヤ・ワシントン(アメリカ)による「ノーシード選手同士の対決」となった。優勝したクライチェクは、オランダ人の男子テニス選手として最初の4大大会シングルス優勝者に輝いた。(彼は当時世界ランキング13位であったが、「過去に芝生の大会で実績がない」という理由でノーシード選手にされた。)準優勝者のワシントンは、黒人の男子テニス選手として1975年のアーサー・アッシュ(1943年 - 1993年)以来となるウィンブルドン優勝のチャンスを逃した。
- 男子シングルス準々決勝で、大会3連覇中だった第1シードのピート・サンプラスがクライチェクに 5-7, 6-7, 4-6 でストレート負けする波乱があった。地元イギリスのヒーローとして、ティム・ヘンマンがこの年から活躍を開始する。ヘンマンは男子シングルス1回戦で、先の全仏オープン優勝者エフゲニー・カフェルニコフを 7-6, 6-3, 6-7, 4-6, 7-5 のフルセットで破り、一躍脚光を浴びた。この年のヘンマンは、準々決勝でトッド・マーティン(アメリカ)に敗れた。
- 女子ダブルスでは、マルチナ・ヒンギスが15歳9ヶ月で初めての4大大会タイトルを獲得した。ヘレナ・スコバは女子ダブルス・混合ダブルスの2部門制覇を達成。女子ダブルス準優勝ペアの1人、メレディス・マグラス(アメリカ)は女子シングルス準決勝でサンチェスに敗れた“もう1人のベスト4進出者”であった。
外部リンク
[編集]先代 1996年全仏オープン | テニス4大大会 1996年 | 次代 1996年全米オープン (テニス) |
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