将棋の日

将棋の日(しょうぎのひ)は、日本将棋連盟が定めた将棋記念日11月17日)。また、その前後の日程で毎年開催されている将棋イベントの名称。

起源

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江戸時代将棋好きであった徳川家康は、将棋(本将棋)を囲碁とともに幕府の公認とした。延宝八年(1680年)頃からは公務として将軍御前で指す「御城将棋」が行われるようになった。そして家康と並んで将棋を好んだといわれる、八代将軍徳川吉宗の享保元年(1716年)から、年に1度、旧暦11月17日に「御城将棋の日」として御城将棋を行うようになった(なお、御城碁も同じ日に行われていた)。

このことを由来として、1975年に日本将棋連盟が11月17日(新暦)を「将棋の日」と制定した。

なお、囲碁については、2013年12月に日本棋院関西棋院日本ペア碁協会が1月5日を「囲碁の日」と定めており、同日に打ち初め式が日本棋院本院・関西総本部で行われている。

イベント

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毎年11月、将棋の日が近づくと全国各地で将棋にまつわるさまざまなイベントが行われる[注 1]

第1回の将棋の日イベントは芹沢博文の企画により1975年11月17日に蔵前国技館で行われ、このときはメインとして第14期十段戦七番勝負第2局(中原誠十段対大山康晴棋聖)の1日目午後の対局が土俵上で指され、封じ手の模様も披露された。この時、芹沢は解説用に4メートル以上の大盤を作成、大きすぎてそのままでは駒を動かすことができず、「ギリシャの戦車」のような台が準備され、その上に乗った奨励会員が駒を操作した[1]

日本将棋連盟が主催するイベントとしては、日本放送協会 (NHK) が協力し、年末にNHK教育テレビジョンNHK杯枠で放送されるイベント[注 2]がもっとも規模が大きなものである。その他、関西将棋会館でも将棋の日のイベントが開催されることがある。

いずれのイベントも、プロの棋士女流棋士が参加し、将棋の普及に貢献するものである。棋士・女流棋士と来場者との指導対局のほか、「次の一手」名人戦[注 3]やプロ同士の公開対局[注 4]などが行われている。

日本将棋連盟主催「将棋の日」
回数 開催日 開催場所 放送日 司会者 参加棋士
01 1975年11月17日 蔵前国技館 [2]
02 1976年11月17日 将棋会館・関西本部 [3]
03 1977年11月17日 将棋会館・関西本部 [4]
04 1978年11月17日 将棋会館・
関西本部(大阪・北畠)
[5]
05 1979年11月17日 将棋会館・
関西本部(大阪・北畠)
-- [6]
06 1980年11月17日 将棋会館・
関西本部(大阪・北畠)
-- [7]
07 1981年11月17日 よみうりホール
関西将棋会館(杮落し)
[8]
08 1982年11月17日 愛知厚生年金ホール ほか [9]
09 1983年11月17日 将棋会館・
関西将棋会館
-- [10]
10 1984年 NHKホール 11月23日 吉川精一 米長邦雄加藤一二三谷川浩司田中寅彦大山康晴中原誠内藤国雄 [11][12][13]
11 1985年 NHKホール 吉川精一 脇謙二塚田泰明森安秀光石田和雄大内延介・中原誠・谷川浩司・米長邦雄
12 1986年
11月16日
NHKホール 米長邦雄・谷川浩司他
13 1987年
11月15日
NHKホール 秋山隆
藤森奈津子
大山康晴・中原誠・高橋道雄・加藤一二三
14 1988年 天童市 11月23日 大沢肇 羽生善治・大山康晴
15 1989年 11月23日 立子山博恒
藤森奈津子
大山康晴
16 1990年 川崎市 中原誠・羽生善治・田中寅彦
17 1991年 名古屋市 12月23日
18 1992年 青森県百石町 11月23日
19 1993年 よみうりホール 11月23日
20 1994年 釧路市 11月23日
21 1995年 大分県大分市 11月23日
22 1996年 東京体育館 12月23日
23 1997年 岡崎市 11月24日
24 1998年 山形県
天童市
25 1999年 神奈川県
箱根町
26 2000年 島根県
出雲市
27 2001年
11月10・11日
新潟県
上越市
丸山忠久藤井猛・羽生善治・郷田真隆・谷川浩司・桜井昇土佐浩司近藤正和斎田晴子矢内理絵子石橋幸緒中倉宏美中倉彰子
28 2002年
11月16・17日
広島県
呉市
羽生善治・森内俊之佐藤康光・谷川浩司・神吉宏充松尾歩山崎隆之中井広恵山田久美碓井涼子早水千紗上川香織
29 2003年
11月8・9日
山形県
天童市
羽生善治・佐藤康光・谷川浩司・丸山忠久・青野照市・中井広恵・蛸島彰子・山田久美・本田小百合島井咲緒里
30 2004年
11月6・7日
愛媛県
今治市
森内俊之・羽生善治・佐藤康光・谷川浩司棋王・安用寺孝功村田智弘・中井広恵・高橋和鹿野圭生村田智穂岩根忍
31 2005年
11月12・13日
静岡県
伊豆の国市
比留間亮司 米長邦雄・渡辺明・森内俊之・佐藤康光・羽生善治・谷川浩司・青野照市島朗神谷広志中尾敏之・藤森奈津子・中井広恵・千葉涼子・早水千紗・鈴木環那伊藤明日香
32 2006年
11月17日-19日
佐賀県
佐賀市
比留間亮司
中倉彰子
森内俊之・羽生善治・谷川浩司九段・森下卓・深浦康市・中田功杉本昌隆高崎一生瀬川晶司佐藤天彦・矢内理絵子・中倉彰子・室田伊緒坂東香菜子・米長邦雄・島朗
33 2007年
11月10・11日
東京都
世田谷区
後藤理 森内俊之・羽生善治・中原誠・二上達也・谷川浩司・森下卓・島朗・中田宏樹滝誠一郎宮田利男飯野健二高野秀行・斎田晴子・山田久美・甲斐智美安食総子里見香奈・室田伊緒・米長邦雄・桜井昇
34 2008年
11月8・9日
山形県
天童市
2008年
11月30日
澗隨操司
鈴木環那
米長邦雄・羽生善治・佐藤康光・内藤國雄・谷川浩司・島朗・屋敷伸之・青野照市・桜井昇・木村一基所司和晴石川陽生加瀬純一本間博高田尚平・近藤正和・矢内理絵子・清水市代谷川治恵・早水千紗・上田初美野田澤彩乃
35 2009年
11月7・8日
兵庫県
加古川市
2009年
11月21日
神吉宏充
樋笠多美
米長邦雄・羽生善治・久保利明・谷川浩司・有吉道夫井上慶太阿部隆・山崎隆之・村田智弘・稲葉陽・矢内理絵子・岩根忍・村田智穂・中村桃子
36 2010年
11月13・14日
愛知県
名古屋市
2010年
11月21日
堀伸浩
室田伊緒
羽生善治・谷川浩司・深浦康市・木村一基・中田章道・杉本昌隆・松尾歩・中山則男豊島将之村田顕弘澤田真吾・甲斐智美・鈴木環那・熊倉紫野
37 2011年
11月11・12日
岩手県
盛岡市
2011年
12月4日
米長邦雄・渡辺明・森内俊之・久保利明・谷川浩司・佐藤康光・島朗・行方尚史中川大輔鈴木輝彦・飯野健二・上田初美・矢内理絵子・山田久美・中村真梨花・鈴木環那
38 2012年
11月10・11日
山形県
天童市
2012年
12月15日
森内俊之・羽生善治・佐藤康光・谷川浩司・堀口弘治北島忠雄戸辺誠中村太地・上田初美・藤田綾井道千尋山口恵梨子
39 2013年
11月16・17日
福岡県
北九州市
2013年
12月29日
谷川浩司・森内俊之・羽生善治・淡路仁茂・島朗・森下卓・山崎隆之・中田功・豊川孝弘斎藤慎太郎・甲斐智美・鈴木環那・長谷川優貴室谷由紀
40 2014年
11月8・9日
秋田県
秋田市
2014年
12月28日
谷川浩司・羽生善治・渡辺明・佐藤康光・島朗・木村一基・宮田利男・堀口弘治・北島忠雄・中村太地・永瀬拓矢・甲斐智美・香川愛生・矢内理絵子・鈴木環那・飯野愛
41 2015年
11月21・22日
岡山県
倉敷市
2015年
12月27日
谷川浩司・郷田真隆・有吉道夫・島朗・久保利明・東和男・行方尚史・山崎隆之・佐藤天彦・有森浩三菅井竜也・甲斐智美・里見香奈・村田智穂・長谷川優貴・室谷由紀・山根ことみ北村桂香
42 2016年
11月12・13日
静岡県
静岡市
2016年
12月25日
谷川浩司・佐藤天彦・羽生善治・郷田真隆・青野照市・中川大輔・神谷広志・糸谷哲郎村山慈明・澤田真吾・中尾敏之・高見泰地八代弥加藤桃子・鈴木環那・伊藤沙恵・安食総子・山口絵美菜
43 2017年
11月4・5日
北海道
札幌市
2017年
12月24日
佐藤天彦・久保利明・中村太地・森内俊之・佐藤康光・屋敷伸之・広瀬章人鈴木大介中座真・豊川孝弘・野月浩貴石田直裕増田康宏石高澄恵久津知子・鈴木環那・山口恵梨子・和田あき
44 2018年
11月23日・24日
山形県
天童市
2018年
12月23日
佐藤康光・森内俊之・鈴木大介・佐藤天彦・高見泰地・渡辺明・山崎隆之・戸辺誠・阿部健治郎遠山雄亮都成竜馬高野智史佐々木大地・本田小百合・香川愛生・山口恵梨子・中村桃子・飯野愛・塚田恵梨花
45 2019年
11月23日・24日
山梨県
甲府市
2019年
12月29日
佐藤康光・渡辺明・永瀬拓矢・木村一基・青野照市・鈴木大介・杉本昌隆・飯島栄治・戸辺誠・中村太地・藤井聡太西尾明佐藤和俊田中悠一杉本和陽・山田久美・谷口由紀・安食総子・貞升南カロリーナ・ステチェンスカ
46 2020年11月7–23日 オンライン開催[14]
-
-
47 2021年
10月30日・31日
千葉県
木更津市[15]
2021年[15]
12月26日
佐藤康光・渡辺明・羽生善治・丸山忠久・森下卓・島朗・鈴木大介・木村一基・真田圭一所司和晴・高見泰地・三枚堂達也・佐藤和俊・上村亘池永天志竹部さゆり真田彩子・和田あき・飯野愛・頼本奈菜小高佐季子和田はな[16] [15]
[16]
48 2022年
11月5日・6日
福島県
喜多方市[17]
12月25日 佐藤康光・渡辺明・屋敷伸之・島朗・鈴木大介・真田圭一・斎藤慎太郎・戸辺誠・藤森哲也長谷部浩平岡部怜央西山朋佳・伊藤沙恵・本田小百合・中村真梨花・鈴木環那・貞升南・塚田恵梨花・野原未蘭・内山あや[17] [17]
49 2023年
11月11・12日
宮城県
仙台市[18]
12月24日 羽生善治・佐藤康光・森内俊之・島朗・森下卓・中川大輔・佐藤秀司・中村太地・阿部健治郎・片上大輔・熊坂学・渡辺和史・斎藤明日斗・岡部怜央・小山直希・伊藤沙恵・武富礼衣・加藤結李愛・脇田菜々子・和田はな[18] [18]
50 2024年
11月9日・10日
東京都
渋谷区
12月29日 鈴木もぐら 藤井聡太・羽生善治・渡辺明・森下卓・佐藤天彦・木村一基・山崎隆之・野月浩貴・豊川孝弘・髙見泰地・片上大輔・青嶋未来山本博志藤本渚小山怜央山川泰熙・本田小百合・山口恵梨子・野原未蘭梅津美琴砂原奏 [19]
51 2025年
11月
兵庫県
加古川市

関連項目

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脚注

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注釈

[編集]
  1. ^ 11月のほか、学校の夏休みに当たる8月にも将棋関連のイベントが多く行われている。
  2. ^ 毎年、全国持ち回りで開催されるが、中でも将棋の街として知られる山形県天童市では5年ごとの開催となっている。
  3. ^ 会場の観客(対局者以外の棋士も含む)が対局者の次の一手を予想し、勝ち残りで優勝者を決定する。NHKのイベントでは近年行われている。
  4. ^ 2006年の関西将棋会館のイベントでは、きしろ杯争奪関西女流メイショウ戦が公開対局となった。

出典

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  1. ^ 能智映『愉快痛快 棋士365日」(日本将棋連盟)P.219
  2. ^ 近代将棋 1976年1月号』12-16頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  3. ^ 近代将棋 1977年1月号』11-13、40-42頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  4. ^ 近代将棋 1978年1月号』11、42-43頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  5. ^ 近代将棋 1979年1月号』14-15頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  6. ^ 近代将棋 1980年1月号』12-13頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  7. ^ 近代将棋 1981年1月号』14-15頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  8. ^ 近代将棋 1982年1月号』12-15頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  9. ^ 近代将棋 1982年12月号』224頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  10. ^ 近代将棋 1983年12月号』218-219頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  11. ^ 写真でつづる将棋昭和史』毎日コミュニケーションズ、1987年、250頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  12. ^ 近代将棋 1984年12月号』218-219頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  13. ^ 近代将棋 1985年1月号』194-197頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  14. ^ 『第46回将棋の日 オンラインver.』開催のお知らせ
  15. ^ a b c 第47回将棋の日in木更津”. 千葉県木更津市公式ホームページ (kisarazu.lg.jp). 木更津市. 2022年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月29日閲覧。
  16. ^ a b 第47回 将棋の日 in木更津【開催報告】”. 日本将棋連盟 (shogi.or.jp) (2021年12月3日). 2022年9月29日閲覧。
  17. ^ a b c 「第48回将棋の日in喜多方」の出演棋士とイベント内容が決まりました!【申込受付開始】”. 喜多方市ホームページ (city.kitakata.fukushima.jp). 喜多方市. 2022年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月29日閲覧。
  18. ^ a b c 第49回 将棋の日in仙台【開催報告】日本将棋連盟
  19. ^ 第50回将棋の日in渋谷」『渋谷区』。2024年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。