2017年オーストリアグランプリ
レース詳細 | |||
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日程 | 2017年シーズン第9戦 | ||
決勝開催日 | 7月9日 | ||
開催地 | レッドブル・リンク オーストリア シュピールベルク | ||
コース | 恒久的レース施設 | ||
コース長 | 4.318km | ||
レース距離 | 71周(306.452km) | ||
決勝日天候 | 曇(ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | |||
タイム | 1:04.251 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | ルイス・ハミルトン | ||
タイム | 1:07.411(Lap 69) | ||
決勝順位 | |||
優勝 |
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2位 | |||
3位 |
2017年オーストリアグランプリ (2017 Austrian Grand Prix) は、2017年のF1世界選手権第9戦として、2017年7月9日にレッドブル・リンクで開催された。
正式名称は「FORMULA 1 GROSSER PREIS VON ÖSTERREICH 2017」。
レース前
[編集]このレースでピレリが供給するドライタイヤのコンパウンドは、ソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトの3種類[1]。
ホンダは前戦アゼルバイジャンGPのフリー走行でフェルナンド・アロンソのみ使用した「スペック3」を、アロンソとストフェル・バンドーンの2台に供給する[2]。
メルセデスは7月4日(火曜日)の時点で、ルイス・ハミルトンのギアボックスを交換することを決定。6戦連続使用という規定を満たすことができないため、ハミルトンは5グリッド降格となる[3]。
レッドブル・リンクは2014年のF1カレンダー復帰以降、F1でのコーナー数は「9」としていたが、ターン1とターン2の間のキンクをコーナーと見なしているMotoGPと同じ「10」に変更した[4]。
フリー走行
[編集]1回目
[編集]気温22度、路面温度34度、晴天のドライコンディション。このセッション限定で、フォース・インディアはセルジオ・ペレスに代わりアルフォンソ・セリスJr.が、ルノーはニコ・ヒュルケンベルグに代わりセルゲイ・シロトキンがドライブした。34分にマックス・フェルスタッペンがターン7でクラッシュした。高速コースであるがゆえにスピンやコースオフの場面が多々見られた。トップタイムはハミルトンの1:05.975だが、他の上位勢がスーパーソフトで自己ベストを出した中、唯一ソフトで記録している。スペック3を投入したマクラーレン勢はバンドーン7位、アロンソ9位と初日から好調な仕上がりを見せた。なお、両者ともウルトラソフトで自己ベストを出している[5]。
2回目
[編集]2017年7月7日 14:00
気温30度、路面温度43度、昼ににわか雨が降ったが路面はすぐに乾き、晴天のドライコンディションで行われた。マクラーレン勢とペレスはマシンの整備が遅れたためコースインが遅れた。アロンソは7周でフロアを壊し、さらに交換作業も必要になってしまった。1回目に続いてコースのあちこちでマシンコントロールを失う場面が見られた。52分にターン9でコースオフしたカルロス・サインツJr.がフロア周りに大きなダメージを負い、ダニール・クビアトも「何かパーツを失ってパワーもなくなった」とピットに戻る。クビアトはコースに復帰したものの、再びパワーユニットにトラブルが発生してしまった。トップタイムは1回目に続きハミルトン(1:05.483)で、セバスチャン・ベッテルが0.147秒差で2位[6]。
3回目
[編集]2017年7月8日 11:00
気温22度、路面温度30度、晴天のドライコンディション。アロンソは「スペック3」パワーユニットのMGU-Hにトラブルが発見されたため、旧仕様の「スペック2」パワーユニットに載せ替えた[7]。4分にサインツが1コーナーを回ったところでストップ。エンジンの再始動を試みるも復帰できなかった。10分にサインツのマシンが撤去され、各車続々とコースインする。なお、サインツはセッション後半に復帰している。まず、フェルスタッペンがウルトラソフトで1:06.387でトップタイムをマークし、続けて1:06.015までタイムを更新した。20分にベッテルが1:05.384でトップとなり、バルテリ・ボッタス、ハミルトンが続く。セッション後半にハミルトンがウルトラソフトで1:05.361のトップタイムを出すも、ベッテルが1:05.092で塗り替える。ハミルトンは残り10分にブレーキトラブルが発生し、スロー走行のままピットに戻った[8]。
予選
[編集]2017年7月8日 14:00
ボッタスが2度目のポールポジションを獲得した。
経過
[編集]気温30度、路面温度47度、晴天のドライコンディションで行われた[9]。
- Q1
- ロマン・グロージャンがターン7でコースオフするが、クラッシュを回避しコースへ復帰。ケビン・マグヌッセンはサスペンションのトラブルでピットへ戻った。ハミルトンがウルトラソフトでトップタイムを出し、ベッテルはスーパーソフトで2番手に続いた。フリー走行から不調のウィリアムズとザウバーの各2台、そしてジョリオン・パーマーがQ1敗退となった。
- Q2
- Q3進出者にとってはレーススタート時のタイヤを決めるセッションでもあるが、各車ウルトラソフトでアタックを開始する中、既に5グリッド降格が決まっているハミルトンのみスーパーソフトを選択した。1回目のアタックでトップに立ったのはボッタスで、ハミルトンが2番手に続いた。ハミルトンは2回目のアタックもスーパーソフトで走り3位。ベッテルが2位となった。マグヌッセンはサスペンションの修理が間に合わず、タイムを出せなかった。
- Q3
- 最初のアタックでボッタスがトップに立ち、ベッテルとハミルトンが続く。フェルスタッペンはターン1のミスが響き6位。各車2回目のアタックに臨もうとしたが、グロージャンがターン3出口のコース上にストップし黄旗が出される。これによりタイム更新ができず、ボッタスがそのままポールポジションを獲得した。
結果
[編集]Pos. | No. | ドライバー | コンストラクター | Q1 | Q2 | Q3 | Grid |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1:05.760 | 1:04.316 | 1:04.251 | 1 |
2 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1:05.585 | 1:04.772 | 1:04.293 | 2 |
3 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1:05.064 | 1:04.800 | 1:04.424 | 8 1 |
4 | 7 | キミ・ライコネン | フェラーリ | 1:05.148 | 1:05.004 | 1:04.779 | 3 |
5 | 3 | ダニエル・リカルド | レッドブル-タグ・ホイヤー | 1:05.854 | 1:05.161 | 1:04.896 | 4 |
6 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-タグ・ホイヤー | 1:05.779 | 1:04.948 | 1:04.983 | 5 |
7 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース-フェラーリ | 1:05.902 | 1:05.319 | 1:05.480 | 6 |
8 | 11 | セルジオ・ペレス | フォース・インディア-メルセデス | 1:05.975 | 1:05.435 | 1:05.605 | 7 |
9 | 31 | エステバン・オコン | フォース・インディア-メルセデス | 1:06.033 | 1:05.550 | 1:05.674 | 9 |
10 | 55 | カルロス・サインツ | トロ・ロッソ | 1:05.675 | 1:05.544 | 1:05.726 | 10 |
11 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:06.174 | 1:05.597 | 11 | |
12 | 14 | フェルナンド・アロンソ | マクラーレン-ホンダ | 1:06.158 | 1:05.602 | 12 | |
13 | 2 | ストフェル・バンドーン | マクラーレン-ホンダ | 1:06.316 | 1:05.741 | 13 | |
14 | 26 | ダニール・クビアト | トロ・ロッソ | 1:05.990 | 1:05.884 | 14 | |
15 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 1:06.143 | no time | 15 | |
16 | 30 | ジョリオン・パーマー | ルノー | 1:06.345 | 16 | ||
17 | 19 | フェリペ・マッサ | ウィリアムズ-メルセデス | 1:06.534 | 17 | ||
18 | 18 | ランス・ストロール | ウィリアムズ-メルセデス | 1:06.608 | 18 | ||
19 | 9 | マーカス・エリクソン | ザウバー-フェラーリ | 1:06.857 | 19 | ||
20 | 94 | パスカル・ウェーレイン | ザウバー-フェラーリ | 1:07.011 | PL 2 | ||
107% time: 1:09.618 | |||||||
ソース[10][11] |
- 追記
決勝
[編集]2017年7月9日 14:00
ボッタスが初のポール・トゥ・ウィンで2勝目を飾った。
展開
[編集]気温28度、路面温度48度、湿度37%、曇天のドライコンディションで行われた[14]。
ボッタスが好スタートで首位をキープ。ターン1でクビアトがアロンソに追突しフェルスタッペンも巻き込まれた。アロンソはコースに復帰を果たすもピットに戻りリタイア、フェルスタッペンはチームからの指示でマシンを止めリタイアした。
ギアボックス交換により8番グリッドからスタートとなったハミルトンは徐々に順位を上げていき5位まで浮上し、20周目にはライコネンの背後まで迫ったが、ここからは膠着状態となる。30周目、ストロールと入賞圏内の10位を争っていたマグヌッセンがギアを失いリタイア。
32周目にハミルトンが上位勢では一番先にピットインし、スーパーソフトからウルトラソフトに交換した。続いてリカルドとベッテルもタイヤ交換を済ませる。ボッタスは41周目まで引っ張ったが、流石にタイヤの摩耗が激しく「もうタイヤが残っていない」という本人の訴えもありピットイン。ベッテルの3秒前でコースに復帰するが、まだタイヤ交換を済ませていないライコネンが前に立ちふさがる。フェラーリはライコネンにボッタスを抑えさせ、ベッテルとの差を詰める作戦であったが、ライコネンのタイヤも限界に来ており、44周目にボッタスがライコネンをパスしてトップに返り咲いた。ライコネンはこの直後にタイヤ交換を行った。
以後しばらく上位陣に変動はなかったが、レース終盤になって先頭のボッタスが2位ベッテルに、3位リカルドが4位ハミルトンに猛烈なプレッシャーをかけられる。ファイナルラップまでこの接近戦が見られたが、ボッタスとリカルドの両者とも最後までポジションをキープした。ボッタスは初のポール・トゥ・ウィンで今シーズン2勝目を飾った。ベッテルは0.6秒及ばず2位に終わったが、ハミルトンが4位に終わったため、2人のポイント差は20に広がった。3位のリカルドは5戦連続、レッドブルはホームレースで初の表彰台となった。予選で振るわなかったウィリアムズ勢はマッサ9位、ストロール10位で今シーズン初のダブル入賞を果たした。
結果
[編集]Pos. | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア | Grid | Pts. |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 71 | 1:21:48.523 | 1 | 25 |
2 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 71 | +0.658 | 2 | 18 |
3 | 3 | ダニエル・リカルド | レッドブル-タグ・ホイヤー | 71 | +6.012 | 4 | 15 |
4 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 71 | +7.430 | 8 | 12 |
5 | 7 | キミ・ライコネン | フェラーリ | 71 | +20.370 | 3 | 10 |
6 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース-フェラーリ | 71 | +1:13.160 | 6 | 8 |
7 | 11 | セルジオ・ペレス | フォース・インディア-メルセデス | 70 | +1 Lap | 7 | 6 |
8 | 31 | エステバン・オコン | フォース・インディア-メルセデス | 70 | +1 Lap | 9 | 4 |
9 | 19 | フェリペ・マッサ | ウィリアムズ-メルセデス | 70 | +1 Lap | 17 | 2 |
10 | 18 | ランス・ストロール | ウィリアムズ-メルセデス | 70 | +1 Lap | 18 | 1 |
11 | 30 | ジョリオン・パーマー | ルノー | 70 | +1 Lap | 16 | |
12 | 2 | ストフェル・バンドーン | マクラーレン-ホンダ | 70 | +1 Lap 1 | 13 | |
13 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ルノー | 70 | +1 Lap | 11 | |
14 | 94 | パスカル・ウェーレイン | ザウバー-フェラーリ | 70 | +1 Lap | PL | |
15 | 9 | マーカス・エリクソン | ザウバー-フェラーリ | 69 | +2 Laps | 19 | |
16 | 26 | ダニール・クビアト | トロ・ロッソ | 68 | +3 Laps 2 | 14 | |
Ret | 55 | カルロス・サインツ | トロ・ロッソ | 44 | エンジン | 10 | |
Ret | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 29 | ハイドロリクス | 15 | |
Ret | 14 | フェルナンド・アロンソ | マクラーレン-ホンダ | 1 | アクシデント | 12 | |
Ret | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-タグ・ホイヤー | 0 | アクシデント | 5 | |
ソース[15] |
- ファステストラップ[16]
- ラップリーダー[17]
- 追記
- ^1 - バンドーンは青旗無視のため、ドライブスルーペナルティとペナルティポイント2点が科された[18]
- ^2 - クビアトはスタート直後にアロンソと接触したため、ドライブスルーペナルティとペナルティポイント2点が科された[19]
第9戦終了時点のランキング
[編集]
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- 注:ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。
脚注
[編集]- ^ “F1オーストリアGP:各ドライバーのタイヤ選択”. F1-Gate.com (2017年6月28日). 2017年7月7日閲覧。
- ^ “ホンダ、F1オーストリアGPで両ドライバーに“スペック3”エンジンを投入”. F1-Gate.com (2017年7月4日). 2017年7月7日閲覧。
- ^ a b “ベッテルを追うハミルトンにグリッド降格ペナルティ。F1オーストリアGPは6番手以下からのスタートに”. AUTOSPORTweb (2017年7月8日). 2017年7月8日閲覧。
- ^ “F1オーストリアGP:レッドブル・リンクのコーナー数を変更”. F1-Gate.com (2017年7月6日). 2017年7月7日閲覧。
- ^ “F1オーストリアGP FP1:ソフトタイヤのハミルトンがトップ、アロンソも9番手で好調な滑り出し”. AUTOSPORTweb (2017年7月7日). 2017年7月8日閲覧。
- ^ “F1オーストリアGP FP2:初日トップはハミルトン、僅差でベッテルが続く。アロンソも好調を維持”. AUTOSPORTweb (2017年7月7日). 2017年7月8日閲覧。
- ^ “アロンソのF1パワーユニットにトラブル。旧仕様の“スペック2”に戻す”. AUTOSPORTweb (2017年7月8日). 2017年7月8日閲覧。
- ^ “ベッテルがトップタイム【タイム結果】F1オーストリアGPフリー走行3回目”. AUTOSPORTweb (2017年7月8日). 2017年7月8日閲覧。
- ^ “F1オーストリアGP予選:ボッタスが自身2度目のポールを獲得、アロンソは12番手”. AUTOSPORTweb (2017年7月8日). 2017年7月8日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 GROSSER PREIS VON ÖSTERREICH 2017 - QUALIFYING”. The Official F1 Website (2017年7月8日). 2017年7月8日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 GROSSER PREIS VON ÖSTERREICH 2017 - STARTING GRID”. The Official F1 Website (2017年7月9日). 2017年7月9日閲覧。
- ^ “Stewards Decision Doc 22 - Lewis Hamilton”. FIA (2017年7月8日). 2017年7月9日閲覧。
- ^ “F1オーストリア GP:決勝スターティンググリッド”. F1-Gate.com (2017年7月9日). 2017年7月9日閲覧。
- ^ “ボッタスが初のポール・トゥ・ウイン達成!”. ESPN F1 (2017年7月9日). 2017年7月9日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 GROSSER PREIS VON ÖSTERREICH 2017 - RACE RESULT”. The Official F1 Website (2017年7月9日). 2017年7月9日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 GROSSER PREIS VON ÖSTERREICH 2017 - FASTEST LAPS”. The Official F1 Website (2017年7月9日). 2017年7月9日閲覧。
- ^ “Lap Chart”. FIA (2017年7月9日). 2017年7月10日閲覧。
- ^ “Stewards Decision Doc 39 - Stoffel Vandoorne”. FIA (2017年7月9日). 2017年7月9日閲覧。
- ^ “Stewards Decision Doc 42 - Daniil Kvyat”. FIA (2017年7月9日). 2017年7月9日閲覧。
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