草野旦
草野 旦(くさの あきら、1943年 - )[1]は、日本の演出家。
略歴
[編集]神戸市生まれ[1]。甲南大学文学部卒業後の1966年、宝塚歌劇団に入団[1]。1971年、宝塚大劇場公演『ハレルヤ』で演出家デビュー[1]。1977年、草野が構成・演出を担当した『ザ・レビュー』第3部夢人で、文化庁芸術祭優秀賞を受賞[1]。
1982年、バウホール『永遠物語』で初めてドラマの脚本・演出を手がけ、再演を繰り返す作品を生み出している。1992年、ニューヨーク・ジョイスシアターの海外公演『TAKARAZUKA“夢”』の作・演出を担当[1]。
1996年、歌劇団理事に就任。
2000年、『源氏物語 あさきゆめみし』で、初めて大劇場公演の芝居の作・演出を手掛ける。2007年、バウワークショップ『ハロー!ダンシング』で5組すべての演出を担当する。
主に、ショー作品を中心に担当し、宝塚レビューを牽引する演出家の一人として活躍している。
2011年、OSK日本歌劇団の演出をはじめて担当する。
2014年、『宝塚歌劇の殿堂』最初の100人のひとりとして殿堂表彰[2][3]。2022年、地域文化功労者表彰[4]。
宝塚歌劇作品
[編集]大劇場(ショー)
[編集]- 『ハレルヤ』(1971年 月組 主演:古城都) *演出家デビュー作、大劇場デビュー作
- 『ジュジュ-第7銀河系のメルヘン-』(1974年 星組 主演:鳳蘭)
- 『Non, Non, Non』(1976年 雪組 主演:汀夏子)
- 『ノバ・ボサ・ノバ』(1976年 花組 主演:安奈淳)[注釈 1]
- 『ザ・レビュー』(1977年 雪組 主演:汀夏子 / 花組 主演:安奈淳)[注釈 2]
- 『エコーズ(絵光図)』(1978年 花組 主演:松あきら)
- 『薔薇パニック-メルヘンショップで何がおこったか?-』(1979年 星組 主演:瀬戸内美八)
- 『クラシカル・メニュー』(1980年 月組 主演:榛名由梨)
- 『サン・オリエント・サン』(1981年 - 1982年 雪組 主演:麻実れい)
- 『オペラ・トロピカル』(1983年 花組 主演:順みつき)
- 『ハッピーエンド物語』(1983年 雪組 主演:麻実れい)
- 『プラスワン』(1984年 星組 主演:峰さを理)
- 『スカイ・ハイ・スカイ』(1986年 雪組 主演:平みち)
- 『ショー・アップ・ショー』(1987年 花組 主演:高汐巴)
- 『ビバ!シバ!』(1988年 月組 主演:剣幸)
- 『ジタン・デ・ジタン』(1989年 花組 主演:大浦みずき)[注釈 3]
- 『ジーザス・ディアマンテ』(1990年 - 1991年 星組 主演:日向薫)
- 『ジャンクション24』(1991年 花組 主演:大浦みずき)[注釈 4]
- 『メモリーズ・オブ・ユー-懐かしき時代・美しき人々-』(1992年 月組 主演:涼風真世)
- 『パパラギ-極彩色のアリア-』(1993年 星組 主演:紫苑ゆう)[注釈 5]
- 『火の鳥』(1994年 花組 主演:安寿ミラ)
- 『バロック千一夜』(1995年 雪組 主演:一路真輝)
- 『マンハッタン不夜城』(1996年 月組 主演:久世星佳)
- 『サザンクロス・レビュー』(1997年 花組 主演:真矢みき)[注釈 6]
- 『LET'S JAZZ -踊る五線譜-』(1997年 - 1998年 雪組 主演:轟悠)
- 『ヘミングウェイ・レビュー』(1998年 星組 主演:麻路さき)
- 『ノバ・ボサ・ノバ』(1999年 雪組 主演:轟悠 / 月組 主演:真琴つばさ)[注釈 7]
- 『夢は世界を翔けめぐる』(2001年 星組 主演:稔幸)
- 『サザンクロス・レビューII』(2001年 星組 主演:香寿たつき)[注釈 8]
- 『ON THE 5TH』(2002年 雪組 主演:絵麻緒ゆう)[注釈 9]
- 『レビュー誕生』(2003年 花組 主演:春野寿美礼)[注釈 9]
- 『タカラヅカ絢爛 -情熱のカリビアンナイト-』(2004年 星組 主演:湖月わたる / 月組 主演:彩輝直)[注釈 10]
- 『レヴュー伝説』(2005年 宙組 主演:和央ようか)[注釈 11]
- 『ザ・クラシック -I LOVE CHOPIN-』(2006年 - 2007年 宙組 主演:貴城けい)
- 『レビュー・オルキス―蘭の星―』(2007年 - 2008年 星組 主演:安蘭けい)
- 『Red Hot Sea』(2008年 花組 主演:真飛聖)[注釈 12]
- 『BOLERO -ある愛-』(2010年 星組 主演:柚希礼音)[注釈 13]
- 『ONE -私が愛したものは・・・-』(2011年 月組 主演:霧矢大夢)
大劇場(芝居)
[編集]その他劇場
[編集]- 第3回ヨーロッパ公演(1975年)*演出のみ
- 中南米公演(1978年)
- 『永遠物語』(1982年・1983年 月組 宝塚バウホール・簡易保険ホール 主演:榛名由梨)
- 『フロムハート物語』(1985年 雪組 宝塚バウホール 主演:平みち)
- 『永遠物語』(1987年 月組 宝塚バウホール 主演:榛名由梨)
- 『ベルベット・カラー』(1988年 花組 宝塚バウホール 主演:朝香じゅん)
- 『TAKARAZUKA“夢”』(1992年 ニューヨーク・ジョイスシアター、シアタードラマシティ 主演:大浦みずき)
- 『黄色いハンカチ』(1996年 星組 宝塚バウホール 主演:真織由季)
- 『永遠物語』(1998年 月組 宝塚バウホール、日本青年館 主演:榛名由梨)
- 『聖夜物語』(1998年 星組 シアタードラマシティ 主演:稔幸)
- 『源氏物語 あさきゆめみしII』(2007年 花組 梅田芸術劇場メインホール 主演:春野寿美礼)
コンサート
[編集]- 鳳蘭プチコンサート『愛のカタログ』(1979年 宝塚バウホール)
- 順みつきバウコンサート『I LOVE MUSIC』(1980年 宝塚バウホール)
- 松あきらバウショー『YOU・ME -松あきらの世界-』(1981年 宝塚バウホール)
- 順みつきバウショー『I LOVE MUSICⅡ』(1982年 宝塚バウホール)
- 峰さを理リサイタル『愛のカンタータ』(1986年 星組 宝塚バウホール・abc会館、愛知文化講堂)
- 紫苑ゆうバウリサイタル『SHION -愛の祈り-』(1994年 宝塚バウホール・日本青年館)
- 『アリア 夢唄』(1995年 雪組 シアタードラマシティ・愛知厚生年金会館 主演:一路真輝)
- 初風緑コンサート『Carmine-カーマイン-』(2003年 新神戸オリエンタル劇場、日本青年館)
- 『ハロー!ダンシング』(2007年 宝塚バウホール)
ディナーショー
[編集]- 紫苑ゆうディナーショー『ジュテーム -春-』(1993年)
- 香寿たつきディナーショー『Kojuの森』(1997年 パレスホテル、新阪急ホテル、ホテルグランヴィア広島)
- 麻路さきディナーショー『My Diary』(1998年 ホテル阪急インターナショナル、パレスホテル)
- 安蘭けいディナーショー『ラフ・タイム』(2000年 宝塚ホテル、ホテルグランドパレス)
- 稔幸ディナーショー『終楽章-薔薇の五線譜-』(2001年 ホテル阪急インターナショナル、パレスホテル、ホテル日航福岡)
- 『宝塚巴里祭2002』(2002年 雪組 ホテル阪急インターナショナル、パレスホテル 出演:貴城けい 他)
- 『宝塚巴里祭2006』(2006年 宙組 ホテル阪急インターナショナル 出演:遼河はるひ 他)
イベントの構成・演出
[編集]- ’97TCAスペシャル『ザ・祭典~四組 夢の競宴~』(1997年 宝塚大劇場)*共同演出
- 歌劇「花の道より」300回記念『タカラヅカ・フォーエバー』(1997年 宝塚大劇場)*共同演出
- ’98TCAスペシャル『タカラジェンヌ!-5組そろって大行進-』(1998年 宝塚大劇場)*共同演出
- TCAスペシャル2001『タカラヅカ夢世紀』(2001年 宝塚大劇場)*共同演出
- TCAスペシャル2004『タカラヅカ90-100年への道-』(2004年 宝塚大劇場)*監修・共同演出
- 宝塚歌劇チャリティーコンサート(2005年 宝塚大劇場)
- 歌劇「花の道より」400回記念『花の道 夢の道 永遠(とわ)の道』(2005年 宝塚大劇場)*共同演出
- 小林一三没後50年追悼スペシャル『清く正しく美しく』(2007年 宝塚大劇場)*監修
その他
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 鴨川清作の代表作、演出のみを担当。
- ^ 内海重典制作、横澤英雄と岡田敬二と共同で構成・演出を手掛けた。
- ^ 1990年に中日劇場で続演。
- ^ 1992年に地方公演で再演(主演:安寿ミラ)。
- ^ 1994年に全国ツアーで再演。
- ^ 1998年に全国ツアーで再演(主演:愛華みれ)。
- ^ 構成・演出のみを担当。
- ^ 2002年に中日劇場で続演、2002年に『サザンクロス・レビュー・イン・チャイナ』として中国公演で再演、2003年に『サザンクロス・レビューIII』として全国ツアーで再演(主演:湖月わたる)。
- ^ a b 小林公平原案。
- ^ 月組は『タカラヅカ絢爛II』として一部の構成を変えて続演。
- ^ 2005年に全国ツアーで続演。
- ^ 2009年に『Red Hot Sea II』として全国ツアーで再演。
- ^ 2010年に全国ツアーで続演。
- ^ 2001年に全国ツアーで再演。
出典
[編集]- ^ a b c d e f “ENAK SUMiRE STYLE ショー作家 草野旦”. www.sankei.co.jp. 2020年12月27日閲覧。
- ^ 村上久美子 (2014年1月11日). “宝塚が八千草薫ら殿堂100人を発表”. 日刊スポーツ 2022年6月25日閲覧。
- ^ 『宝塚歌劇 華麗なる100年』朝日新聞出版、2014年3月30日、134頁。ISBN 978-4-02-331289-0。
- ^ 令和4年度地域文化功労者表彰被表彰者の決定